岩手渓流解禁!釜石アメマス好スタート[沿岸河川のトラウトルアー]
渓流タックルで楽しめる釜石のアメマス
この季節、内陸に比べて雪の少ない岩手沿岸地域は解禁当初から有望な河川が多く、各地から多くの渓流ファンが集まってくる。ただ、今季は例年と少し釣況が異なり、本来ならこの季節に数釣りを楽しめるはずのヒカリ(ヤマメの降海前の個体)がイマイチ。そのかわりというわけではないが、3月2日に釣具オヤマの小山哲平さんがアメマス狙いで釣行したところ、こちらは解禁当初からなかなかの釣果に恵まれた。
「今シーズンは例年より早く進んでいるというのが印象ですね。アメマスだけでヤマメのポイントはよく見てないからハッキリ断言はできませんけど、ヒカリはもう海に落ちちゃったんじゃないか?という感じで姿が見えません。3月頭頃だとアメマスは流れの緩い所に着くことが多いんですが、今回釣れたのは全て流れの効いた場所でした。いつもの年なら、3月下旬や4月以降のハイシーズンのパターンですよ」
アメマスはエゾイワナの降海個体のことで、海に降るとスモルト化して60cm超の大型に成長する、ルアーで人気のターゲット。釜石近辺で釣れるアベレージサイズは30~40cmくらい、大きいもので50cm超といったところだが、このサイズなら普段から使っている渓流タックルでも狙うことができる。5ft台の渓流用タックルでのやりとりは、30~40cmで十分スリリング。ライトタックルで手軽にアメマスの引きを堪能できるところも、三陸のアメマス釣りの魅力の一つになっている。
ここぞという場所では粘ってみるのもアリ
小山さんはこの日、31~42cmのアメマスを4本キャッチした。4尾とも釣れたのは別々のポイントで、釜石近郊の河川を拾い釣っての釣果。「ヤマメやヒカリと違い、この釣りでは連発することはほとんどありません。アメマスには時合いがあるので、雰囲気のあるいいポイントなら30分くらい粘ってみるのもアリですね。水温が低く、魚の活性も基本的には低いんですけど、太陽が出てくると熱を感じるのか、急に元気になってアタックしてきたりします。陽当たりのいい場所を狙うことも大切ですよ」
この日はシーズン初期の有力ポイントとされる、水深のある淀みの底付近は全くダメで、活性の高い魚は白泡の真下や瀬の反転流の中などに出てきていた。解禁したばかりから流れのある場所でヒットするのは、アメマスの調子が上がってきている証でもある。今季はかなり期待してもいいかも。
今の季節、アメマスのメインベイトは天然のサケ稚魚。今後、サケ稚魚の放流が始まると、そちらにも反応するようになる。この釣りでは、ルアーをしっかり見せて、アメマスの捕食意欲に訴えることがかなり重要。小山さんはシンキングミノーをアップクロスで投げ、トゥイッチングをかけながらポイントの横にルアーを流し込むように攻めているそうだ。
サケ稚魚が海に降りて川からいなくなるとアメマスもパタっと釣れなくなる。シーズンは大体GWくらいまで。「時合いでヒットするあたりは、シーバスみたいな釣りですね。たとえ先行者がいたとしてもあまり関係ないです。簡単にできて面白いので、とにかく来てみて、楽しんでください。それと、甲子川は遊漁券は要りませんけど、稚魚放流の協力金を募集していますので、ご協力をお願いいたします」
◆小山さんの使用タックル=ロッド:5ft渓流用、ライン:4Lb、ルアー:上記2種類
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取材・解説/小山哲平
取材協力/釣具オヤマ(TEL:0193-23-7754)
甲子川中流域にほど近い釣具オヤマの若旦那。海から渓流まで釜石周辺のあらゆる釣り物に詳しく、旬の釣りは自ら実釣テスト!また最近はシーバスやアオリイカ狙いで秋田や青森に足を伸ばすことも