釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

シーズン終盤!庄内アオリを狙ってみた。

しかま陽 2021年4月30日 更新

今季も好調だった庄内アオリ。10月も半ばを過ぎるとイカもだいぶ賢くなり、テクニカルな釣りが要求されるようになってきた。しかし、岸から良型を狙えるチャンスはこれから。天候的にも不安定になってくる頃だが、粘り強く攻めれば幸運の女神が舞い降りる(かも)。※2010年10月掲載の記事です。

コンディションは微妙だったが、取材敢行!

庄内の磯場はアオリの宝庫。これは9月末の静かなときの写真だが、取材日(10月18日)はかなりの荒れ模様だった

「波、下がれ。風、治まれ」と願い続けた効果は果たしてあったのか?取材依頼を受けてしまったため、リアルタイムの天気予報や庄内のライブカメラをこまめにチェックしてみたが、「イケル」という確証は持てない。10月17日午前、波高2m(さらに上がりそうな兆しあり)だが、10月18日の早朝には落ち着いてきそうな感じも。とりあえず、17日夜の出発はやめることに(普段ならこの時点で日本海は諦めて仙台湾ジギングコース確定)。

10月18日午前、波高0.9m(コンディション回復の兆し!)。「夕方なら勝負になるかも?」と判断し、とりあえず行ってみる。他に予定もなかったので、100%見切り発車。アオリがダメでも庄内シーバスがある。

そんなこんなで散々に迷いつつも、自宅のある仙台市から山形県庄内地方に出発したのは午前10時過ぎ。得意の朝マズメを外してしまっていることもあって、「とりあえず様子を見てエギングかシーバス狙い、どっちもダメなら行かなかったことにしておこう」というのが本音。

そんな思惑で気楽に山形自動車道を走る。高速無料化実験で山形北インターまでしか高速料金が発生しないのがありがたい。国道48号線から国道112号線経由での下道コースだったら、この時間の出発はあり得ない(道路混み混み、ストレス溜まりまくり間違いなし)。

高速道路効果で道中は快調、2時間程で鶴岡市由良周辺に到着。「風も控えめで釣りやすそう」と思いきや、じっくり海を見てガックリ。波高がヤバい!一応エギング釣行記で取材依頼されていたため、少しでもフィッシングプレッシャーの低い磯場中心のランガン作戦と思っていたが、足場の低い磯は全滅で、サラシ製造場状態。予定通りのシーバス狙いが頭をよぎるが、「シカマ、イカ、アオリ!写真ちょーだい!!釣れたアオリも食いたい」と激しく押し押しの釣り河北Sさんの言葉を思い出し、エギングの準備をはじめた。

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比較的荒れに強いポイントには入ったものの…。

小さめのショルダーバッグの中にファイル型のエギケースを3枚位。サイズはほぼ3.5号のみ。ライジャケのポケットに3号以下。新旧色々なエギを使ってみたけれど、結局使い慣れたエギに落ち着いてきた。最近はアオリーQシリーズ(ヨーヅリ)とエギマル(ブリーデン)、餌木猿(林漁具製作所)がメイン。右下のガルプ!アライブ!アトラクタント・スプレー(バークレイ)も有効(写真はヘリングの香り)

ここ数年、週2、週3ペースで通っていたおバカさんな私。こんな時でも釣りができる(決して「釣れる」ではなく、とりあえずロッドは振れるという意味)ポイントは把握済み。他の釣り人が入座していないことを祈りつつ、歩きにくい磯場をてくてく。途中、水色をチェックしてみると、前日というか現在進行中の底荒れで、明らかにニゴリは強め。エギングで頑張る元気、ダウン。さらにポイントには磯釣り師3名が入座中でガッカリ。駐車スペースからそれなりの距離を歩いてきたので戻るのもしんどいし、足場が高くて先行者の邪魔にならなそうなポイントで様子見することにした。

風は大体1~2m、たまに強く吹く状況。波高が1~2mで、足元の磯際はサラシで真っ白。とりあえずいつものアオリーQ3.5号をフルキャスト。ちょうど着水点位の場所に潮目ができていて右手前から左奥に潮が流れている。潮に乗せて流していくようなイメージで底まで沈めてから、いち、にい、と大きくシャクってゆっくりフォール。宙層から表層は波とサラシの影響でサッパリダメなので底荒れで渋々なのは覚悟の上でしつこく底狙い作戦のつもり。簡単に釣れてくれると思ってはいないのだが、キャストできる範囲、めぼしい沈み根の周辺をがっちり3時間かけて探るも、反応ナシ。タフなコンディションの時でもなんとかなってくれることの多いポイントということもあって粘ってみたが、横風も強くなってきて気分転換に移動決定。

左)安全対策は大事です。磯場ではスパイクブーツとライジャケが必須。膨張式は万が一の時に磯にスレてプシューってこともあり得るので個人的には浮力体入りのベストがオススメ。スパイクとベストが薄汚れているのはイカの仕業。結構ヤラれてます。イカスミって落ちないんですよね。右)釣果を持ち帰るなら、イカ締め専用ピック イーハ(ブリーデン)やジップロックも必携
タックル=ロッド:アソート エスペルト アキュラ86(ゼナック)、リール:セフィアCI4 C3000(シマノ)、ライン:ガリス ウルトラ ゲソX WX8 0.6号(YGKよつあみ)、リーダー:シーガー リアルFX 1.7号(クレハ)

移動を繰り返し、ようやく好サイズをキャッチ!

前回釣行時に数の出た「堅苔沢漁港」へ来て見た。が、テトラは波ザブザブでほぼ乗れず、釣りができるのは足場の高い船道のミオ筋と港内のみ。一応キャストしてみるが、ちびイカがご機嫌伺いに3.5号のエギについてきた程度で期待薄。1時間ちょっとやってみて再移動を決意するが、時間的に外せない夕方4時過ぎのオイシイ時合い。ここから大移動はちとキビシイ…。

「最初の磯場に戻ってもうひと粘りしてみよう」というワケで、再び磯場を歩き倒してみると、ラッキー!磯釣り師が少し立ち位置を変えていて最初の立ち位置より真っ直ぐに潮目を狙える場所に入座できた。釣り始めてすぐに隣の磯釣り師が真鯛をタモ入れ。上から下までがっちりニゴリが入っている証拠と思い、ピンクパープルに赤テープというシルエットのはっきり出るカラーにエギをチェンジ。ついでに偏光グラスでは暗くてなーんにも見えなくなっていたので、メガネにチェンジしてから目一杯沖目にフルキャスト。

幸い風は弱くなってきていた。さっきまできっちりシャクって粘った場所なので、今度は潮にエギを乗せて流しまくる作戦。ベールを開けっ放しにして、サミングでラインを張りながら、「ゆっくりゆっくり、沖へ沖へ」というイメージ。底にエギが着いたら軽く1回シャクり、またベールを起こしてラインを張る、の繰り返し。ある程度ラインが出たら普通にシャクってきてエギを回収。2投目。同様に流しまくって「そろそろ普通にシャクろうかな」と思い始めたところで「ググっ」と抑え込むようにアタってきた!

実は下巻きが見える位に流していたのでちょっと大きめにアワせ、ロッドを立てたまま寄せて来る。相変わらず波が高くてサイズの想像がつかない。それなりに引くのでチビではなさそうだが、果たして…(変な掛かり方をしていると胴長15cm位でも意外に引きます)。10m沖くらいで水面に浮いた。とりあえずアベレージはクリアの目測胴長20cmオーバー。スパイクブーツにライジャケ着用ということもあり、足を波が洗うのは覚悟で足場の低い磯に降りてから寄せ波に合わせて抜く。

抜けるサイズ=800g以上はほぼないので、ハカリではなくメジャーを当ててみると胴長25cm。このコンディション、今の時期ならまずまずかな?普段ならそそくさとイカをシメてジップロックに放り込むところだが、今回は写真撮影。「ニコパチ」(獲物と一緒にフレームに収まってニカってヤツ)と思ったけど周りに誰もいないので、しょうがないから自分撮り。顔の側でブシュブシュいってる、魚は墨吐かないんだけどイカはコワいなあ。

無事、写真撮影を終えてもう1投。さっきより手前でラインが走って1パイ追加。今度は20cm位にサイズダウン。でも連発、時合いか?チャッチャとシメてまた投げる。そうこうしているうち、デカイ波が来てズブ濡れ、最悪!真っ暗で足元も見えません。時間を確認すると夕方6時過ぎ。波高も明らかに上がってきているので撤収決定。ベタ凪で足場の良い磯場、誰かと一緒ならオールナイトもあるが、単独釣行、荒れ気味の海では無理は禁物。きっちりヘッドライトで足場を確認しつつ、急いで車に戻りストップフィッシング。気楽に来たはずが、危うく「0」寸前。なんとか釣れて良かった!

掛かりどころはまあまあ。足の一番太い所に2ヶ所がっちり。引きごたえはイマイチだが、確実に抜ける掛かり方。頭の上に縦に、とか触腕1本だと身切れの確率が高まる。ちなみにヒットエギはアオリーQ ゼット(ティムコ)の3.5号、ピンクパープル-レッド
顔の前ぎりぎりでイカをぶら下げ、もう片一方の腕を目一杯伸ばして自分撮り。セルフタイマー以外で記念撮影するにはこれしかないのか?表情が硬いのは目の前で今にも墨を吐きそうなアオリちゃんがブシュブシュいってるからなんです

取材・テキスト/しかま陽
取材協力/WILD-1 仙台太白店

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PROFILE:しかま陽

某雑誌編集者を経て、現WILD-1仙台太白店釣り担当スタッフ。船、ルアーを中心に、福島から青森までの東北各地に遠征している

 
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