釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

お手軽!防波堤ハゼ遊戯

つりえさ倶楽部マリン仙台新港店 2021年5月5日 更新

仙台港や七ヶ浜周辺漁港でハゼがいい感じに釣れ始まった。ハゼが浅場に寄って来ている今の時季は、初心者やファミリーでハゼ釣りをするのに最高の季節。市販仕掛けをフル活用すれば、糸が結べなくてもラクショーなのだ。
※2010年の取材記事です。仙台塩釜港には取材の後、釣り禁止に指定された場所があるので、ご注意ください。

漁港内のちょい投げ、探り釣りでハゼ狙い

左上)まずは、つりえさ倶楽部マリン新港店のハゼ釣り用品コーナーで、必要なアイテムを揃える。右上)釣り場で知り合いの釣り人を発見。ちょっと情報収集。左下)糸を結べないちあきにキレ気味の和地店長。右下)スーさんはちあきにチチワ結びを伝授した

夏から秋にハイシーズンを迎える、陸っぱりのハゼ釣り。防波堤や水路など、身近なポイントからでも比較的簡単に釣れるので、初心者が釣りの基本を覚えるのには最高の釣り物だ。

つりえさ倶楽部マリン仙台新港店の和地店長とスタッフちあきの2人は、ちあきの釣りの練習を兼ねてハゼ釣行。釣具店のスタッフとして半年以上経つにも関わらず、超初心者レベルのまま一向に成長しないちあきに、どうしても釣りを覚えてもらいたいようだ。

まず2人は、ツリマリのハゼ釣りコーナーで必要な小物類を調達。ハゼ釣り仕掛けは完成度の高い市販品が多数発売されているので、手持ちのタックルさえあればすぐに竿を出せる。必要な道具を揃えて、向かったのは七ヶ浜町の東宮浜漁港

釣り場に着くと、常連のお客さんがウキ釣りでハゼを狙っていた。釣れ具合を訊いてみると、サイズは小さいものの、ポツポツペースで釣れているらしい。早速、空いているスペースに陣取り、竿と仕掛けを準備することに。
ちあき「あのぉ和地先生。テンビンの結び方がよくわからないんですケド」
和地「え~っ!? だいぶ前に、最低限の糸結びくらいできるように練習しとけって言っただろ。糸を結ぶこともできないって、釣具店の店員としてどうなのよ。どうせ、いつもダンナとかに結んでもらってるんだろ。少しは自分で…うだうだぅ…」
ちあきが道糸とテンビンを結ぶことができず、フリーズしていると、それを見かねてか、たまたま居合わせたスーさん(マリンスタッフ)が助け船を出してくれた。
スーさん「エサ釣りの人たちが使う、チチワ結びってやつが、分かりやすくていいですよ。チチワというのは、端糸を2重に折り重ねて結んだ、タダの輪っかだけど、この輪をスイベルや仕掛けにくぐらせれば、ほら!簡単に仕掛けを結べちゃうでしょ」
道糸の先をチチワ結びにしておくと、市販仕掛けのスイベルやテンビンと簡単に連結できるので、釣り場での仕掛けの準備がとってもラクになるのだ。

上)ちょい投げタックルなら1.65~1.8m程度のコンパクトロッドでOK。お財布にやさしい価格で竿とリールのセットが手に入る。下左)タル付きオモリと糸付きバリ。この日のハリは赤ハゼ(オーナーばり)。下右)ちょい投げ用の小型テンビンとナス型オモリ、市販仕掛け。仕掛けは投船兼用ハゼ(オーナーばり)を使用
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エサのジャリメやアオイソメは小さく付ける

エサ付け方法。下写真左のアオイソメは2~3cm程度に小さく千切って、通し刺しに。最初から細めを選んでおくといい。下写真右のジャリメは元々が小さめなので、1匹そのまま通し刺し

仕掛けが出来たら、さっそくエサ付け。ハゼ釣りでは、赤ハゼ9号など小さめのハリを使うので、エサも小さく付けるのがセオリー。用意したエサは細めのアオイソメとジャリメの2種類。エサ付けの上手い下手は、けっこう釣れ具合に影響するので、素早く丁寧に。イソメは小さく切って通し刺し、ジャリメは元から小さいので、そのまま通し刺しにした。ちあきもさすがにマリンの店員だけあって、イソメ類の扱いはお手の物らしく、エサ付けは難なくクリア。

仕掛けとエサの準備が出来たら、いよいよ釣り開始。防波堤の周りには捨て石や基礎のケーソンが入っていて、ハゼはそういった障害物の周りに着いてることが多い。ただ、港内には船が係留されているから、投げるときはロープに引っかからないように注意が必要だ。

しかし、いざ投げ始めると、前が開けた外海側にはオーバースローでしっかり投げられるのだが、係留船のある港内側だと、足元にポチャンと落としてばかりのちあき。
和地「まさか!? おまえちょい投げの投げ方を知らないとか言わないよね?」
ちあき「だって、根掛かりとかコワいじゃないですかぁ(泣)」
和地「そういうときはな、下から投げればいいんだよ。指で糸を軽くホールドしながら、振り子のようにオモリを前後に振るだろ。で、オモリが前に行ったときにタイミングよく糸を離すと、ほら、ちょっとだけ前に飛ぶから」
ちあき「こ、こんな感じですか?」
和地「う~ん、まだまだだけど、さっきより全然マシだな」
狭いところで確実に投げたいときは、下手から狙いをよく定めてキャスティングすると失敗が少なくなる。ただし、港に船を係留している漁師さんやボートオーナーに迷惑をかけないためにも、くれぐれも無理は禁物だ。

ハゼ釣りの主なポイントは…船道やカケアガリ(左上)、船と船の間、藻などの根(左下)、岸壁のヘチ周辺(右)。足を使って丹念に探り、釣れた場所の周りは重点的に攻めると釣果が伸びる

ハゼの集まっているポイントに狙いを絞れ!

時合いと関係しているのか、和地店長、ちあきの2人とも釣り始めてしばらくは小型のダボハゼばかり。まさかマハゼに嫌われてる?

取材を行った8月26日の潮回りは、午前10時半干潮の午後5時前満潮。午後2時頃から釣り始めて、上げ潮で潮が動く時間帯を狙った。

竿を出してしばらくの間は、場所のせいか潮のせいか理由は不明だが、ダボハゼばかりがヒットしてきた。ダボハゼというのは、チチブやドロメなどの雑魚ハゼの総称。ハゼ類全般に言えることだが、貪欲にエサに食いつくので、簡単に次々と釣れてくる。
ちあき「これだってハゼ系なんじゃないですか?なにがどう違うのか、チアにはよくわかんないんですけどぉ…」
和地「ハゼ系はハゼ系なんだけど…小さくて、食べてもあんまし旨くないから、人気ないんだよ。から揚げにしても、小骨が多くて大変だぞ」

ポイントを変えるうち、小さいながら本命のマハゼがヒットし始めた。しかし、スーさんのブラーだけはダボハゼに大人気(右上)

ハゼは通常、一定のポイント周辺に集まっているので、魚が溜まるポイントさえ見つけてしまえば、ポンポンと釣れてくることが多い。この日はさすがに暑すぎたのか、係留船の影になった場所や藻の影など、直射日光の当たらない場所から釣れることが多かった。また、時間的に潮位が上がってくると、食いもだんだんと上向き始めた。

後半、上げ潮とともに食いがよくなり、少しだけサイズアップ。20cmオーバーの良型を狙ったけど、残念ながら型は見られなかった

この日、釣ったハゼのアベレージサイズは10~15cm。外海側にちょっとだけ投げて、沖目のカケアガリを狙うと、15~18cmにサイズアップしたが、平均サイズは例年の同時期に比べ少し小さいようだ。

平均サイズが小さい原因はよく分からないが、ハゼは秋から冬にかけてもぐんぐん成長するから、今後の成長に期待したいところ。また、水温の低下とともに深場に落ちてしまうと、ちょい投げや探り釣りでは狙いにくくなってしまうので、ポイントが遠くなるまでが狙い目となる。今は5cm前後の小さいハゼもかなりよく釣れるので、それらは、今後の成長に期待してしっかりリリースしたい。

上)ちあきが釣った、この日最大の18cm。下)ほとんど終了間際、スーさんのブラーにも、ようやくマハゼが食ってきた
つりえさ倶楽部マリン仙台新港店。場所は仙台港のキリンビール工場向かい。アオイソメ、ジャリメ、など活きのいいエサとともに、必要なアイテムも大体揃う

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取材協力/つりえさ倶楽部マリン仙台新港店

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