チニング(ルアー黒鯛)入門ガイド!
クロダイといえばウキフカセ釣りや落とし込み、ブッコミ釣りといった磯、堤防の人気ターゲットだが、クロダイのルアーフィッシング「チニング」も人気が定着してきている。ルアーターゲットになるチヌ類にはチヌ(クロダイ)とキビレ(キチヌ)がいるが、東北日本海側や新潟で釣れるのはほとんどがチヌ。
こちらでは新潟周辺をホームにルアー黒鯛を楽しんでいるTEAM MARVELの山口孝一さんにチニングの基本テクを紹介してもらった。
※2018年1月掲載の釣行記です。
港湾シーバスロッドやライトゲームロッドをチニングに流用
山口さんのチニング歴は12年ほど。最初はシーバスの外道に掛かり、引きの強さに惹かれたのがこの釣りにハマるきっかけだった。
最近はクロダイ用ロッドも充実してきているが、港湾用のシーバスロッドや防波堤ロックの根魚ロッドなどを使用可能。ライトに楽しむならある程度パワーのあるモデルならばアジング、メバリング用ロッドも十分通用する。
山口さんはボトム狙いと型狙いの時は、根掛かりをかわせるように8~9ftのライトアクションのシーバスロッドを使用。普段はファイトを楽しむため、張りのあるメバリングロッドを使うことが多い。
エリア用などの小型ルアーがチニングにも使える
使用するルアーは小型ミノーやバイブレーション、管クラ(エリアクランク)がメイン。「ワームより前アタリが分かりやすいからハードルアーが好きですね」
中でも使用頻度が高いのがジャクソンの「ピンテールチューン6g」とタックルハウスの「ローリングベイト66」、「エルフィンシケイダー」。オキアミに偏食してるときはストローテール系のワームが効果的だ。
エリアクランクのテキサスリグ(テキーラ)で狙う
管クラはテキサスリグにして使用。管クラのテキサスリグは、別名「テキーラ」と呼ばれ、10年以上前から存在するメソッド。
「浅場から深場までシンカーの交換だけで行けるので、ボトム狙いでは重宝します。黒鯛の他にカサゴ、ソイなどの根魚やマゴチが釣れたり、他にエイも‥。使い方はキャストしてボトムを取り、デッドスローで巻くだけです」
「管クラは数種類試しましたが、昆虫系以外のクランクでも、リップ折れクランクでも釣った経験はあるのでルアーはこだわらなくて大丈夫かもしれません」
ルアーの種類より、カラーが釣果への影響が大きい。ただ、濁りだからアピール系といった単純な関連性はあまり無いので、色々なカラーを試すのが良いそうだ。
チヌのアタリがあったら巻きながらアワせる(テキーラリグの場合)
クランクテキサスの場合、大抵前アタリに合わせても乗らないので、我慢して巻き続けて強いアタリになったらアワせるようにする。
「巻いている途中に”コツコツ”というアタリがきてもアワせず、ロッドに重みが乗ってからアワせるのがキモです」”コツコツ”のみで終わっても諦めず、同じ場所に入れ直すと再びバイトしてくる事が多い。バイブも使い方は管クラと同じ。
ミノーの場合はキャスト後、カウントダウンしてレンジを刻んでいき、バイトのあるレンジを探る。
アワセはボトムと違いバイト=即アワセでOK。乗ったら根に行かないように、魚を浮かせる感じでファイトする。
魚が乗ったら、根に潜られなようにやや強引に寄せ、ネットでキャッチ。黒鯛は口の中が硬く、フックが歯に乗っている状態の時があるので、抜き上げようとすると落ちてしまうことがある。
黒鯛は噛む力が強く、背鰭の棘が鋭いので、キャッチした魚をつかむ時はフィッシュグリップとプライヤーを使うようにしよう。
岸壁や防波堤周りで変化のある場所を探す
ポイントはテトラ帯、堤防のヘチ、磯場、河口。潮目やブレイク、こぼれテトラやケーソンの継目など、変化のある場所を探っていく。
その他、注意点として、足場が悪い場所も多いので、スパイクブーツは必要。機動性を考慮して、救命胴衣類はポケットにルアー類を収納できるフローティングベストがオススメ。
取り込み時に水際まで寄れなかったり、足場が高かったりする場所もあるので、4m以上の長さのネットがあると安心だ。
チヌは場所を選べばほぼ年中狙える
チニングのシーズンはやる気になれば一年中可能。釣りやすいのは5~11月。港湾などで温排水口があるところでは、周辺は冬場も可能性がある。
「温排水に限らず、港内ではアミが入ったりバチ抜けがあったりで、ベイトがいれば黒鯛やセイゴも寄ります。3~5月は黒鯛が稚鮎を意識してくるので、クランクより小さいミノーの方が良い事が多いですね」
※画像・解説/山口 孝一(TEAM MARVEL)