釣行記

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連載☆ハンター式磯ロック攻略術【第4回】盛夏攻略のキモ

塩津 紀彦 2021年4月26日 更新

※この記事は2014年9月にプレミアムサービスの連載記事として配信されたものです。

8月も中旬になると、三陸の海に1年で最も水温が高く上昇する季節がやってまいります。

2013年の三陸の海は底水が低い状況が続いていたため、表水温が上がっても時化の度に水温が一気に下がってしまい、水温がなかなか安定しない上半期シーズンになってしまいました。

しかしながらこの冷水のおかげなのか、例年ならば水温が上昇しすぎるこの季節になると、磯場のロックフィッシュは水温の安定している沖の深場へと移動してしまうところですが、意外とまだ浅場に残っている魚が多いのが今年の夏の特徴。

今回はちょっと難しいけど狙いが当たればバッチリ釣れる!そんな夏のロックフィッシュを攻略してみたいと思います♪

比較的冷水を好むロックフィッシュにとって、夏の高水温は適温とは程遠い水温と言えます。

なので、高水温を嫌う多くの個体は水温があまり上がらないで安定している深場へ移動し、夏を乗りきるのですが、ベイトが豊富なシャローで暑さに堪えながら過ごす個体も少数ながらも存在します。

この希少な個体がオカッパリから狙う私たちの夏のメインターゲットになるのですが、この数少ない魚達を狙うためには1つの条件だけではなく、2つないしは3つ以上の好条件がクロスオーバーするようなポイント、そしてタイミングが絶対必要条件になります。

それではそんな夏のキモをご紹介いたします♪

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【1】日差しと潮通し

人が屋外で活動していて「暑い!」と感じたらどのような場所に避難するでしょうか?

おそらく大抵の方が日陰で風通しのよい場所へ逃げ込むでしょう。

ロックフィッシュももちろん人と同じで水温が上昇しすぎるこの季節は、海藻で出来る日陰や高低差がある根や島の日陰で、潮が強く当たるエリアに身を潜め、暑さから身を守っております。

根がキツく潮が効いた理想的なポイント

【2】サラシ

サラシが出来るエリアは単純に潮通しが良いとも言えるんですが、サラシが出来ることにより空気中の酸素が取り入れられ、溶解酸素濃度が上がり酸欠になりがちな高水温季の夏には欠かせないエリアと言えます。

サラシにはベイトも集まるので夏は外したくない一級ポイント

【3】上げ潮

潮が上げるタイミングで沖から冷たい底水が押し上げられるため、夏場は下げ潮よりも上げ潮の時の方が魚の活性が上がります。ただし、あまりにも表水温とかけ離れた冷水が差してしまうと、魚達が水温の変動に対応しきれず、逆に活性が下がることもたまにあるのでご注意を…。

【4】北向きの南斜面

北向きのエリアは親潮の影響を受け易い、簡単に言うと冷たい海流が入り易いエリアと言えます。例え親潮本流が直撃しない角度であっても分流や支流が干渉しやすいため北向きのエリアは夏の定番と言えるでしょう。

【5】朝マヅメ

1日のうちで1番水温が低いのはなんと言っても朝マヅメ!

海水ですとタイムラグがあるため、だいたい9時くらいまでは比較的水温が低めな事が多くなります。早起きは三文以上の徳になるので頑張って早起きして下さい!

魚も少なく、かなり探すのが難しいイメージのサマーロックですが、バッチリパターンにハマればシャローにいる魚はベイトを捕食に来ているやる気のある魚なので、意外とイージーに口を使ってくれるのも夏のパターンです。

ポイントの良し悪しでいるいないが明確になっていますので、ポイントは一ヶ所で粘るよりもばんばん移動するランガンスタイルがオススメです。

暑くて大変ですが、一級ポイントを探して頑張って歩き回って下さい♪

夏の魚のコンディションはバツグンです♪

さて、お次はアクションについて少しお話しします。

真夏のロックフィッシュはベイトも豊富になるため、ザックリ別けると3パターンくらいのアクションで攻略していく事が多くなります。

まずはベイトフィッシュパターン。

イワシやウミタナゴ、メロウドなどのベイトフィッシュなんかにロックフィッシュが狂う場面に、夏の釣りでは多々遭遇します。そんなベイトフィッシュライクな魚を攻略するアクションはずはりスイミングとハイリフト&カーブフォール。

ボトムを一旦取り、ボトムから1mくらいのレンジをただ巻きでトレースするのがスイミングの基本なんですが、このレンジコントロールが慣れるまでがかなり難しい…。

慣れて簡単にレンジコントロール出来るようになるまでは、時々ボトムを取り直しながらスイミングさせるのが、ボトムから離れ過ぎなくて済むのでオススメです。

ハイリフト&カーブフォールはわりかし速いリフトで高くワームを持ち上げ、そこからテンションを張ったまま長~くスライドフォールさせるようにカーブフォールさせます。

この際、ロッドは高い位置で止めるか、フォールに合わせて手前に引くようにロッドをさばくと長めのフォールを演出することが出来ます。

使用ワームはシャッドテールやカーリーテール、そしてピンテールなどがベイトフィッシュライクな魚には有効的なので、この2つのアクションをするときにはオススメです♪

もう1つのアクションは基本のリフト&フォール。

基本と言えば基本のリフト&フォールなんですが、夏のパターンを攻略する場合のキモはリフト&フォールの場合でも普段よりも高くリフトさせてから、ゆっくりフォールさせるのが効果的。

夏の場合、魚が散っているケースが多く、広くアピールさせて魚に気付いてもらう必要があります。特にサラシが発生するような夏の特等ポイントではアピール力のあるワームで「魅せて喰わす」リフト&フォールが有効で、使用するワームもガルプ!のイールのような魚を寄せる力の強いワームがオススメ。

また、活性が低く、ベイトフィッシュも見当たらない場合は、通常通りカニやモガニを捕食しているパターンもありますので、あからさまに「活性悪いな~」って時はパルスクローやダブルホグなんかの甲殻系のワームでの攻めも必要なのでこちらも一応お忘れなく♪

これから磯ロックへお出かけの方、ボートロックへお出かけの方、堤防ロックへお出かけの方、さまざまな方がいらっしゃると思いますが、水温と潮、そして時間帯にベイト、これらのキーワードを上手く合致させれば、盛夏のロックフィッシュもなかなか難しいですが攻略は可能ですので、是非ともお出かけになって下さい♪

コツは人間からみても涼しい時間帯に涼しい場所ですからね(笑)

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PROFILE:塩津 紀彦

磯ロックがブームになる以前から牡鹿の磯に通い、50UPベッコウ&アイナメを狙っていたロックフィッシュハンター。険しい、キツイ、危険の3Kを乗り越えながら、数々のモンスターを仕留めてきた。茨城県在住。チーム・ハンター所属。ピュア・フィッシング・ジャパン、サンライン、パズデザイン、がまかつ、ティクト フィールドテスター

 
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