釣行記

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連載☆ハンター式磯ロック攻略術【第7回】スポーニング盛期の楽しみ方!

塩津 紀彦 2021年4月26日 更新

※この記事は2014年9月にプレミアムサービスの連載記事として配信されたものです。

11月中下旬になると木枯らし一号も吹き終わり、東北界隈の季節はすっかり晩秋から冬へと移行します。夏に生い茂った緑も枯れて落葉も進み、磯までのルートも歩きやすくなるとともに、いよいよロックフィッシュ愛好者のワタクシ達には待ちに待ったハイシーズンの到来です♪

ちなみに今回は11月中旬~12月中旬の解説をする訳なんですが、この季節のメインはプリの魚(産卵前の魚)ではあるものの、エリアによってアフターの魚(産卵後の魚)も混在してくる複雑なシーズンとも言えるでしょう。

今年の東北は比較的海水温は高い傾向で来ていたため遅れるかと予測されていましたが、ここにきてグッと冷え込んできたため、ほぼ予定通りにシーズンが進み始めました♪

では、そんなハイシーズンの攻略を早速解説したいと思います!

まずはスポーニング中期以降のアイナメの動きが上記の図になります。

①ステージングエリア

ディープで高水温時季を過ごした個体がミドルエリアで一旦ステイ。ディープから上がってすぐはいつでも水温の安定したディープへ逃げられるように外洋側のディープへ隣接したエリアにステイします。

浅場の水に身体が慣れて、水温が下がるタイミングでまずはメスがシャローへ移動。

そしてメスが移動して少したってから大潮の少し前のタイミングでスポーニングエリアへオスも移動。

②スポーニングエリア

メスが最初に入ってきてネスト(産卵巣)をつくり、しばらく経ってからオスがエリアに入ってきてペアリング。

ペアリングが完了した個体から大潮のタイミングで産卵。

産卵後、メスはステージングエリアへ移動。

オスはネストを守り、しばらくはスポーニングエリアにとどまる。

③体力が落ちたアフタースポーン(産卵後)の魚はステージングエリアで体力が回復するまでジッとして過ごし、少し回復してからはあら喰いに入る。

メスが最初に移動してきてしばらくしてから、お役目を終えたオスが入ってきて体力の回復を目指す。

ちなみにアフタースポーンの魚の場合はプリの魚と違い、ステージングエリアでも潮がゆるい潮裏や根に囲まれたエリアで身を隠して過ごします。

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【各エリアでの攻略方法】

①プリの魚がメインなので動きはアグレッシブ。ベイトフィッシュが回遊している場合はベイトを追って動き回ったりもするため、スイミングやリフト&フォールでも高くリフトしたりするアピール重視のアクションがオススメ。

使用ワームもベイトフィッシュがメインベイトのときはシャッド系やパルスワームのような形状のワームの方が断然喰いがよいが、ベイトが甲殻類のときもあるのでクロー系やホッグ系もお忘れなく。

②プリの魚と産卵真っ只中の魚がメイン。

産卵中の魚は威嚇行動以外ではほぼ口を使いません。ナチュラルカラーよりはアピール重視のカラーが口を使わせ易いでしょう。

プリの魚は身重になっているためか甲殻類メインの食生活になり始めるので、クロー系やホッグ系をナチュラルにフワフワ誘うのがオススメです。

③アフターの魚がメイン。

アフタースポーンのステージングエリアで体力の回復を目指す個体は移動してきてすぐはなかなか口を使いませんが、徐々に動けるようになり捕食活動を行うようになります。

あまり派手に動く事が出来ないので、メインとなるベイトは甲殻類。待ち伏せして食べる居喰いパターン。

ですので、アクションは小さなリフト&フォールで小刻みに根を探り、タイトに根を撫でるイメージでアクションさせることを心がけて下さい。

ちなみにベッコウの場合、産卵が12月の中旬に集中するのですが、産卵が近付くと日中はあまり捕食しなくなり身動きせずにストラクチャーにかなりタイトに着くようになるので、なかなか釣れなくなります。

ですが甲殻類が目の前に来たときなら口を使うので、潮がゆるくて水深がある程度あるミドルエリアをスローかつ丹念に攻めると、出逢える確率を上げることが出来ます。

さて、スポーニング季節の魚の動きの説明が終ったところで、先日のプチ釣行を絡めてお復習してみたいと思います。

今回入った磯場はこのような形状で、ディープからシャローのスポーニングエリアまで綺麗にならんだお手本みたいな磯場。

フルキャストでブレイクまでぎりぎり届く足場からのトライ。

まずはスポーニングに入っている個体がいるかどうかチェック。

③のスポーニングエリアをパルスクローで細かく丹念にチェック!

しかしまだこちらには魚は入っていませんでした…。

そしてとりあえず、アフターが着くエリアの②もチェックしてみますが、案の定スポーニングと関係のない小型が連弾(汗)

まぁシーズン的にこれは想定の範囲内です。

と、なると早めに動くメスが①の外洋側のコンタクトポイントになる岩のステージングエリアにいる事が予想されますよね。

ベイトも小魚は確認できなかったのでパルスクローで磯から転げ落ちる甲殻類をイメージしてフォール。

すると一発で「こ~ん!」とプリの魚らしいナイスバイト♪

40cmクラスとサイズこそソコソコのヤツですが、予想通りに釣れたプリのメス・アイナメ♪

その後も同じパターンで数匹追加し今回は終了。

これからの季節、シーズンがさらに進んでくると1陣~2陣~3陣と次々とスポーニングエリアへ魚が移動してきてシャローが賑やかなシーズンが到来します。

是非皆さんもハイシーズンに入ったロックフィッシュを堪能して下さい。

ただし、1陣の魚が完全にスポーニング入る10日間くらいはかなり渋い期間もあるのでお気をつけて。

それではまた来月m(__)m

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PROFILE:塩津 紀彦

磯ロックがブームになる以前から牡鹿の磯に通い、50UPベッコウ&アイナメを狙っていたロックフィッシュハンター。険しい、キツイ、危険の3Kを乗り越えながら、数々のモンスターを仕留めてきた。茨城県在住。チーム・ハンター所属。ピュア・フィッシング・ジャパン、サンライン、パズデザイン、がまかつ、ティクト フィールドテスター

 
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