2月17日（日）、ホテルグランドパレス塩釜にて開催された。当日は日本テレビ系列で放送中の鉄腕DASH「DASH海岸」などでもおなじみの木村尚さんを迎えての基調講演やアマモミニコンサートを実施。松島湾のアマモ場再生に向けての事例、成果報告を通して、松島湾の復興に向けての知識を深め合った。また、今年の11月9日（土）には「全国アマモサミットinみやぎ」を塩釜で開催することも決定。地域、市民と一体となってのアマモ場再生を目指すことを再確認する機会となった。
▼当日の模様
地元塩釜のシンガーasariさんとアマモくんによるアモマミニコンサートで幕開け。アマモ再生のテーマソングである「あまものがたり」をライブ演奏
開会の挨拶を行う松島湾アマモ場再生会議の桑原茂会長。「海の復興も忘れてはならない。海の環境から生活を取り戻す活動を」
NPO海辺つくり研究会事務局長の木村尚さんの基調講演。東京湾の実例をもとに、松島湾での可能性について分かりやすく解説した
日本全国のアマモ場再生活動に参加してきた木村さんは、「実際にアマモが増えたかどうかということよりも、アマモ場を増やそうという活動をすることが大事。こういった事業の成功には、漁師、ボランティアや一般の方が一緒に協力することが不可欠です」
松島湾アマモ場再生会議・事務局長の鈴木美範さんは「津波で失われた松島湾のアマモ場再生に向けて」と題して、今年度に行った海辺づくり市民活動などの事例を報告
宮城県漁協松島支所の高橋征信さんは松島湾の漁業者を代表して、松島湾の牡蠣養殖の現状とアマモ場再生との関連について見解を述べた
金沢八景-東京湾アマモ場再生会議の森田健二さんは、実際にアマモ場の再生を行ってきた経験から、アマモの生育条件やアマモが環境、生物相に及ぼす効果などについて解説
「松島湾の海域環境復興を考える検討会」で座長を務めた国土技術政策研究所の古川恵太さん。この日の検討会では、「アマモ場は松島湾の自然の一部である」、「漁業の復興にアマモ場再生は不可欠」、「海域環境の再生が地域の振興につながる」という3点を確認した
休憩時間にパネル展示に見入る参加者たち。マリンピア松島水族館からはアマモ水槽も展示された
最後に行われたパネルディスカッション「みんなで考え、進める 松島湾の海域環境復興」の模様
パネルディスカッションでは様々な疑問、問題点について意見交換。松島湾のハゼが減少していることについて、神奈川県水産技術センターの工藤さんは「松島湾のハゼはちょうど巣穴を作る時季の3月に津波の被害を受け、繁殖活動に大きな影響がありました。松島湾のハゼは2年で成熟して繁殖を行う個体が多い傾向がみられるため（通常は1年で成熟、産卵する）、震災前と同じくらいに増殖するにはしばらく時間がかかる可能性があります」
閉会の挨拶を述べる松島湾アマモ場再生会議・副会長の伊藤栄明さん（えびす屋）
応援団式の3本締めで盛況のまま幕を閉じた