◆佐々木釣具店(宮城県・女川町) TEL:0225-53-2519(通常店舗)、090-6686-7811(不通の時)
震災により店舗を流され休業中だった佐々木釣具店が、女川町の「きぼうのかね商店街」内で、2012年4月29日より営業を再開している。震災当時、洋画家で夫の佐々木廣(旧姓貝廣)さんは、妻の英子さんと自宅にいた。尋常ではない大きな揺れに不安を感じ、英子さんと再会することを約束し、中心部から少し離れた高台にある実家の母、姉の安否確認に向かった。
廣さんは実家の無事を確認するや、再び英子さんのもとへ。そのときすでに町内は大津波警報を知らせるサイレンが鳴り響き、なおも大きな余震が続いていた。英子さんは夫の帰りを信じ待っていたが、津波もすぐそこまで来ており、このままでは飲み込まれると知人に説得されて避難。その後、夫とは連絡も取れないまま数日間が過ぎた。それから17日目の3月27日、廣さんは遺体で発見された。
自宅、店舗も流され悲しみに明け暮れていた英子さん。夫が生前、女川・光太郎会(女川町を訪れた詩人で彫刻家の高村光太郎をしのぶ会)のまとめ役だったことから、その遺志を継ごうと会員有志で立ち上がり、継続も決定した。また、釣具店においても、エサの販売や釣り船のあっせんを本格的に始動。近々、釣り用品の販売も再開できるよう準備を進めている。「きぼうのかね商店街で営業を再開できましたのも、皆様の温かいご支援、ご協力があってのことと感謝しております。女川は海産物豊富な素敵な町です。お近くにお越しの際は、気軽にお立ち寄りください」と英子さん。
現在は、アイナメ・カレイ船(仕立て:24,000円で5名まで。1名増3,000円)、メバル五目船(詳細は問い合わせ)が出船中。良型揃いで好調を持続している。
【店舗定休日】不定休
【住所】宮城県牡鹿郡女川町浦宿浜字十二神60-3-7「きぼうのかね商店街」
店内では釣りエサとともに、廣さんの作品をモチーフにした絵葉書やTシャツ、ストラップ等も販売している
女川町立病院に展示されていた廣さんの作品と一緒に英子さん
約50店舗が連なる「きぼうのかね商店街」に仮設店舗として営業中