2015年9月8日(火)、宮城県の奥松島と塩釜において(公財)日本釣振興会(以下、日釣振)によるマダイの稚魚放流事業が行われた。日釣振宮城支部長の小泉哲さんは、「マダイ稚魚の放流は奥松島では2013年(平成25年)から3年目。そして今年からはつり環境ビジョンとして塩釜での放流もスタートし、継続的にマダイの増殖に向けて活動しています」
放流されたマダイの稚魚は神奈川県栽培漁業協会から取り寄せた12,000尾(奥松島6,000尾+塩釜6,000尾)。2012年までは山形県鶴岡市の栽培センターで生産されたクロダイを放流していたが、仙台湾でもマダイ釣りの人気が高まってきたことなどからマダイの放流に着手。東北6県にはマダイの種苗生産を行っているところが無いため、日釣振の紹介で神奈川県の種苗センターから稚魚を陸送して放流を行っているそうだ。
日本釣振興会「稚魚放流事業」東松島市室浜漁港沖
活魚トラックから船上へ、マダイを弱らせないようすみやかに稚魚を移す
神奈川県の種苗施設で育てられた8cmくらいのマダイの稚魚
松島湾内の穏やかな成育場所に放流
「つり環境ビジョン」塩釜港沖マダイ稚魚放流
今年が初めてとなる塩釜港のマダイ稚魚放流。「つり環境ビジョン」の一環として、宮城県釣船業協同組合の協力により実施された。塩釜沖では一つテンヤマダイの人気が急上昇中!おなじみの遊漁船船長たちも積極的に放流に参加した。
イケスとタンクに6,000尾を積んで塩釜まがき港を出船
塩釜周辺沖の放流ポイントに到着すると、流れ作業で速やかに放流を行った
放流されたマダイの稚魚は藻場や養殖棚の周りなど穏やかな内湾で成長し、徐々に外洋寄りの根に着くようになる。以前は大根など一部に限られていた釣り場は亘理沖など仙台湾周辺の広範囲に広がっており、年々マダイの個体数が増えてきている。今後も放流を続けることで、宮城の海に多くのマダイが定着することを期待したい。