ナマズ用ルアーセレクト術 ~カップ系、ハネモノ系、etc…~
近年人気上昇中のナマズゲーム。ナマプロの山戸田恵一さんが基礎テクニックをガイドしていきます。初回はナマズ用ルアーの使い分けについて。
ナマズルアーには数多くの種類があり、状況に応じたルアーをセレクトすることで、釣果UPを期待できる。
表層を泳ぐカエルが大好物で、落下した昆虫など水面に落ちたものを何でも食べるナマズに対しては、トップウォーター系のルアーが主力になる。ナマズゲームのメインルアーとしては、カップ系とハネモノ系の2タイプが挙げられる。ナマズゲームが流行する前はノイジー系としてまとめられることもあったが、今はカップの付いたものをノイジー系、羽根の付いたタイプをハネモノ系と呼ぶことが多い。
ほとんどのシチュエーションをカバーできる基本のカップ系
まずはバグカップで水をつかむカップ系(ノイジー系)について。「ヒゲダンサー」はバグカップ+ジョイントを組み合わせたノイジーベイト。カップの水つかみ音に加え、ジョイントのノッキングサウンドでも誘うことができる。
「ヒゲダンサー」は泳ぎだしも良く、スローリトリーブからファーストリトリーブまで幅広く対応。止水域から急水域、アップストリームからダウンストリームまでと、あらゆる状況でストレス無く使える定番ルアー。
バグカップのポップとジョイントのノッキングでアピール
ノイジー系に比べてアピール力に優れるハネモノ系
ボディに大きな羽根がついたのがハネモノ系。「ポンパドールjr.鯰custom」は大きなサイズのプロップ(スクリュー)にスチールボールを内蔵し、大音量でアピールできる。
低速時の泳ぎ出しにも優れ、ストレートリトリーブだけでなくポケットなどのピンスポット攻略でも活躍する。ハネモノの特長は絶大なアピールを活かしナマズに存在を気付かせられる点。広いエリア、水深のあるエリア、増水の影響のある状況変化に効果的で、カップ系が良くない時のフォローになる。
鯰専用カスタムを施した羽根ルアー。オリジナルより大型化させたプロップとスチールボールの強力なラトルサウンドで強烈にアピール
5月〜10月までのハイシーズンはオールラウンダーなカップ系とアピール力の強いハネモノ系のローテーションがナマズゲームの軸になる。状況に応じた使い分けがおすすめだ。
初夏から秋のハイシーズン以外に有効なルアー
3〜4月の春先や、10〜11月の晩秋には、バス用のノイジーペンシルベイト「カップラップ」が活躍するケースが増える。「ヒゲダンサー」と同じカップ系ながら、ボディが大きく遠投性に優れ、比較的広いエリアでサーチベイトとして活躍してくれる。
基本アクションはリトリーブ&ドックウォークで、バグカップとプロペラサウンドでアピールする。
同じカップ系の「ヒゲダンサー」より大きく、広範囲を攻略したい時に向く
また、11〜4月(1~3月はほぼオフシーズンだが)にかけての低活性時のナマズには、バス用のビッグジョイントサーフェスプラグ「マイキー/マイキー115」も効果がある。
これらサーフェスプラグはスローアクションでもレスポンスが良く、春先、晩秋の水温低下により低活性になったナマズにもゆっくりと見せて食わせることが可能。水面ちょっと下のレンジをキープできるので、カエルがいない時期のベイトフィッシュパターンにも有効なのだ。
ジョイント系のビッグプラグ。表層でスローに見せて食わせることができる
状況に応じてビッグベイトのアピール力を活かす
上で述べたようにハイシーズンはカップ系とハネモノ系のローテーションがセオリーだが、状況に応じて特にアピール力が必要な時は大型タイプの「ビッグベイト」を使用するケースもある。
濁りが強くてルアーからかなり離れた位置にバイトしてしまう時や、普段通っているポイントでナマズが居ることは分かっているのに反応が悪い時など、ナマズにルアーの存在を気づかせて喰わせることができるのがメリット。
ハネモノ系ではバス用の「ポンパドール」がこのパターンで使用できる。輸入ルアーになるが「HI-FINホグバスター」、「HI-FINクリーパー」も実績あり。カップ系では定番の「ジッターバグ」にマスキー系と呼ばれる大型シリーズがありビッグベイトとして使える。
79mmサイズのオリジナルのポンパドール。マグネット固定重心移動システムにより遠投性にも優れる
現在、ナマズゲームのフックは魚を傷つけにくく、ストラクチャー攻略に適したバーブレスのダブルフックを使うのが普通。
バス用の「ポンパドール」、「マイキー」やビッグベイト類はトリプルフックが付いていることがほとんどなので、全てトリプルフックからダブルフックバーブレスにチューニングして使用している。
宮城県丸森町在住のナマズマスター(ニックネーム「狂犬」)。ここ数年、力を入れるナマズゲームの他にソルト、淡水のルアーゲームを幅広くこなし、YAMATODA GUIDEで松島湾周辺エリアのフィッシングガイドも行っている。バストーナメントにも参戦中。ジャッカルフィールドスタッフ
※写真提供・解説/山戸田 恵一