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トーナメントの勝敗を分けるかも!釣った魚の活かし方

2016年10月5日配信 【HOWTO】 【編集部】

近年、ゲームフィッシングの世界でライブフィッシュ方式のトーナメント(大会)が主流になり、釣った魚を活かしたまま検量に持ち込み、リリースするテクニックが必要になってきている。僅差の勝負を分けることになるかもしれない釣果のケア方法について、尾形慶紀さんに解説してもらった。

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釣った魚を活かしたまま検量まで持ち込む!

昨今、ロックフィッシュやフラットフィッシュなどのトーナメントが北海道や東北で盛んに実施されており、参加者数も100名を超えるという状況になっています。それらのトーナメントのほとんどでは,ライブフィッシュルールが採用されています。つまり釣った魚を生かして検量に持ち込まないとノーカウントやマイナスウエイトのペナルティーを受けてしまうというルールです。

このルールが設定される理由は、皆さんもお分かりの通りターゲット資源の保護です。ということは、ただ検量まで生かしていれば良いというよりは、検量を終えてリリースした魚がその後も元気に生き続けるようにしなくてはならないのです。
魚が弱ってしまう原因は、
①酸素不足
②水温上昇
③フッキングした上に慣れない環境に閉じ込められるストレス
④フックを飲みこんだことによる出血
など様々です。①~④の状態をできるだけ無くしてあげられようにケアしなければなりません。

トーナメントにエントリーしているアングラーの皆さんは、それぞれが自分なりの方法で魚のケアを行い、現在はかなりの割合でフレッシュな状態の魚を持ち込み、デッドフィッシュは少なくなってきました。

そこで、今回はこれからトーナメントに挑戦したい方やトーナメント経験の少ない方に向けてライブウェルの上手な使い方について説明したいと思います。

エアポンプでライブウェルの溶存酸素量を確保する

まず、前述の①の酸素不足を防ぐためエアポンプを設置します。

エアポンプには1分間に何Lの空気がでるという単位で、1000や2000、3000などのサイズがあります。酸素量の確保と1台がトラブルにあっても大丈夫なように2台設置する方が増えてきています。

ちなみに私は、1000と2000の2つを設置しています。また,空気の吹き出し口に付けるエアストーンもできるだけ細かな泡が出るものを使用した方がより効果があります。

水温は低めに抑える

次に②の水温上昇について。これは保冷効果のある入れ物にすることや、こまめに水を入れ替えること、氷を入れることなどの対策が必要です。

私はポイントにいる間はスカリに入れておき、移動するときに氷を入れて持ち運びます。それまでの間に氷が解けないように入れ物自体に保冷効果がある入れ物に、更に保冷袋に入れて持ち運びます。これで,氷は解けても1/3くらいに抑えることができます。氷については、ブロックの物の方が長持ちします。

水温を低めに保つことで、魚の活動が低下し、溶存酸素の消費を抑え、また魚が暴れることによる体力消耗を防ぐことができる

魚のストレス、ダメージを軽減する

③の魚へのストレスですが、「内側が黒い入れ物がいい」や「昆布などの海藻を入れると良い」といわれており、皆さん様々な工夫をしています。こればかりは人間の想像の域なので、工夫してみてください。

④のフックを飲み込んでしまい出血している場合ですが、これは検量までフックを抜かないでおくのがいいでしょう。そして、検量の直前にフックを外し、検量後の出血の具合をみてリリースするか、弱ってしまったようなら持ち帰って食べたりという判断をしなければならないでしょう。リリースした魚がお腹を見せながら沈んでいく状態にはしたくないものです。

実際に使っているライブウェルをチェック

それでは、私が使い分けているライブウェルを紹介します。大きく分けて2タイプあります。まずはバッカンタイプ。これは秋冬に主に使用しています。なんといっても軽量であることが魅力です。難点は、水温が上昇しやすいことと、それを抑えるためか白い色のものが多く、魚へのプレッシャーがかかりやすいことです。

そこで私は、白いバッカン(釣研の「ライブウエルTL151」)に断熱銀マットとPPT素材の黒のシートをバッカンの内側に付け、保冷とプレッシャー対策をしています。

ライブウェルTL151」(釣研)
内側に断熱のため銀マットを入れ、中を暗くするために黒シートで覆っている

次にクーラータイプ。ホームセンターで売っているような安価なクーラーボックスにエア用の穴を空けて使用しています。保冷力があり、氷が長持ちするのが魅力で、主に夏場に使用します。難点は重量が重くなってしまうこと。この2つは背負子を併用して使用することが多いです。

クーラーに穴を空けたもの。ちょっと重いが夏場に重宝する
移動時は背負子に固定して背負うと機動力がUP

その他にも、紹介したいのがメバル等の小物用の小さなライブウェルです。オーシャンルーラーから発売されている「ランガンライブウェル2」は、ライブウェルとしてだけでなく水汲みバケツ代わりにもなります。もちろんエアポンプ装着可能です。

私はこれをメバルなどのライブウェルとしての用途以外に、通常のトーナメントの時にスカリを入れた場所から離れて探り釣りをして歩く時に使用しています。肩にかけて歩き、釣れたら簡易的なライブウェルとして小型のポンプを装着して使用し、スカリを下している場所まで持っていくようにしています。よくタモ網に入れて移動する姿を見かけますが魚へのダメージを考えるといい方法とは言えません。とても役に立つ便利アイテムです。是非お試しください。

これから,本番を迎えるロックフィッシュトーナメントに間に合うように皆さん、それぞれがアイディアを出し合ってデットフィッシュゼロの大会を目指しましょう!!

「ランガンライブウェル2」(釣研)
「ランガンライブウェル」がグレードアップ!トーナメント時は水汲みバケツとしての他、スカリとの間などの一時輸送用にも使える

PROFILE:尾形慶紀(オガタヨシノリ)

宮城県をホームエリアにロック、フラット、シーバス、青物など、海のルアーフィッシングをメインに釣行。カレイやワカサギ、エリアなどなど幅広く楽しむほか、キャンピングカーに乗り、北海道、東北6県、新潟など、一年を通して遠征している。サポートメーカー:ベイトブレス、オーシャンルーラー、Endo Craft。所属クラブ:石巻シーバスフリーク

 

※画像・テキスト/尾形慶紀
※画像提供/大沢和輝
※取材協力/釣研