東北ロックフィッシュの今昔を振り返る[村岡博之さん]
高校生の頃(何年前?)から根魚をソフトルアーで釣っているという村岡博之さんに、東北地方でロックフィッシュゲームが始まった頃の話を訊いてみました。
最初は丸セイゴ針のテキサスリグからスタート
いまや一つの大きなジャンルに成長した東北のロックフィッシュゲーム。昔を振り返ると必ずといっていいほど「誰が最初に始めた」という話で熱く盛り上がるが、ここではその話題は置いておいて、村岡さんが根魚ルアーを始めた頃のことを教えてもらった。
村岡さんがワームで初めて根魚(クロソイ)を釣ったのは16歳の頃。スズキ狙いのプラグやオオガイ(マルタウグイ)狙いのスプーン、プラグにソイが釣れることはあったものの、ワームを使ってロックフィッシュを釣るという考えは定着していなかった。
1980年頃はブラックバスがブームになった時代。バス用のワームで色々釣ってみようと、最初は周りにバカにされながらもロックフィッシュを狙い始めた。この時期が東北根魚ルアーの創成期で、他地域でもバス用のタックルで根魚を狙い始めた人が多かったようだ。
初めてソイを釣ったソフトルアーは「レーベル リングワーム」。まだワーム用のフックは手に入りにくく、丸セイゴにナツメオモリを組み合わせてテキサスリグにした。リングワームのアクションは今でいうところの「パルスワーム」のような感じ。ボトムをちょんちょんと誘うとバイトがあるのだが、フックとのバランスが悪くフッキング率はかなり低かった。
ボイジョ(ベッコウゾイ)が釣れると分かりワームの時代が到来
その後、ボイジョ(ベッコウゾイ、タケノコメバル)が釣れることが分かり、バス用のワーム類とワーム用フックも徐々に手に入りやすくなっていった。とはいっても、最初の頃はストレート型のワームフックやウィードガードの付いたジグヘッドなどが主流で、今のようなオフセットフックが使われるようになったのは大分後のこと。当時はストレート系のワームが多く、幅の広いオフセットフックはあまり必要なかったのもその一因だろう。ダイワのフックセット(テキサスリグ用のシンカーとフックのセット)が出た時はかなり使ったが、セットのみでバラが無いのがちょっと不便だった。
ワームは「スライダーワーム」や「キラーシャッド」が一世を風靡。キラーシャッドはジグヘッドで使うとかなりの威力があったのだが、当時はジグヘッドの種類が少なく、ウィードガード付きのものを使用。のちにウィードガードの無いラウンド型のジグヘッドに変わった。スライダーワームは特にアイナメに有効だった。
この2つは現代でも通用するくらい優秀だったが、その後、エコギアから「グラスミノー」が発売される。この頃には根魚ルアー、ロックフィッシュという言葉もすっかり浸透。ソルト用のソフトルアーが増えて、ロックフィッシュが人気になった。この時代はジグヘッドリグで釣るのが主流だった。
パルスワームが登場!磯ロックブームへ
1990年代半ばには「ファイヤーライン」のテスターになり、のち「パルスワーム」が登場。最初はオプティマブランドで現在のピュア・フィッシング・ジャパンになるのは1998年のこと。
この頃まではジグヘッドがメインだったが、磯ロックの人気とともにテキサスリグを使う人が一気に増加した。磯ロックで初めてテキサスリグを使うようになったのではなく、テキサスから始まってジグヘッドになり、再びテキサスリグに戻ったという形なのだ。
※解説/村岡博之