2016年6月 仙台近郊七ヶ浜の漁港で春アオリキャッチ!
2016年6月9日、宮城では珍しい春イカ(親アオリイカ)が釣り上げられた。七ヶ浜エリアは以前から親イカらしい魚影(烏賊影)を見た!との情報が絶えなかったが、東北日本海側でもなかなか釣れない春アオリを宮城で釣ったことは快挙といっていいだろう。
このアオリイカを釣り上げたのは仙台・七ヶ浜周辺のロコアングラーグループ「仙台新港ルアーde坊主」代表の小野浩さん。秋のエギングシーズンには何度か釣行記にも登場しているエギングマニアだ。
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松ケ浜漁港周辺の目撃情報をもとに調査
小野さんがアオリイカを釣ったのは松ケ浜漁港。前日8日に親イカらしき魚影を見たとの情報を入手。目撃した人の話では白っぽいイカが泳いでいたとのことで、産卵絡みの親イカが産卵場所を探して偵察回遊しているのでは?と考え、9日がたまたま休みだったこともあり狙ってみることに。
この日は夕マヅメ狙いで17時くらいからスタート。沖側からの風が強かったため港外側のテトラ側には投げられず、防波堤先端付近から港口方向を狙うことに。今シーズン初エギングなのでまずはエギのキャスティングテストでもしようということで、遠投してエギの動きをチェックしていた。
何本かエギをチェックして1時間近く経った頃だろうか、シャクってきたエギを水面付近まで追ってくるイカを確認!誘いを入れるとイカパンチをしてきたものの、残念ながら乗らず。投げ直し、再び誘うと2回目のチャンス到来。今度は幸いにもエギを抱いてくれたのですかさずアワセ。用意していたタモを伸ばそうと苦戦しているところを居合わせたアングラーに助けてもらって、無事にランディングすることができた。
後で確認すると、その前にキャストしていたエギにもイカのカラストンビらしい傷が(釣っている最中アタリは全く分からなかった)。大型のイカは触手でエギをつかんで引っ張るようなことはせずに直接急所に噛みついて、違和感を感じるとすぐに離してしまうと言われており、キャストテストしていたエギに反応して近くまで寄ってきたのかもしれない。
実績の豊富な西日本エリアでは、大型の親イカは産卵前で食欲旺盛が旺盛になっているのか、エギの鋭い動きに反応するというよりとにかく大きいエサを食いにくる傾向が強いといわれる。3.5号より4号といった感じでシルエットが大きい方がよく、また鋭いダートなどより、ゆっくりとしたカーブフォールやステイで見せて食わせる方が反応がいいことが多いようだ。
宮城では8月のお盆頃まで親イカの目撃情報がある
松ケ浜周辺では以前から初夏から盆前の季節までアオリイカの姿が確認されていた。アオリイカはアマモやホンダワラなどの藻場で産卵することが知られる。これらの藻があるのは水深3~4mくらいの浅場で、隣接する湊浜から松ケ浜にかけてはまさにぴったりの条件。今は震災による津波で流されて無くなってしまったのだが、以前は松ケ浜港内にもアマモの群落があり、秋にそこから仔イカが産まれていることも確認している。
松ケ浜港内のアマモは激減したものの、湊浜から松ケ浜にかけて根も点在していることから、アオリイカは産卵できる場所を探して砂浜と漁港の周辺を回遊していると考えられる。これまでは親イカを狙う人はほとんどいなかったが、初夏から夏の時季に藻場などのストラクチャー周りを探っていけば釣果が出る可能性は十分にあるはずだ。
これまでの実績から、七ヶ浜周辺では6月頃からアオリイカが目撃され始め、8月のお盆前まで続く。南の地域より水温が低い宮城は春イカの期間が長く、遅くまで親イカが出現する可能性がある。目撃例の中にはコウイカ類(シリヤケイカ)と間違えているケースもあるようだが、七ヶ浜のみならず石巻、渡波、牡鹿半島南側でも同様にアオリイカが定着しつつあるものと予想される。今後も宮城でアオリイカを釣った、見かけたという情報がありましたら、編集部までご一報いただければと思います。
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※写真・解説/小野浩(仙台新港ルアーde坊主)http://www.freeml.com/hdefi
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