釣行記

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2015本格ブレイク!近場で楽しい塩釜沖テンヤマダイ

編集部 2021年1月8日 更新

依然、注目度上昇中の仙台湾の一つテンヤ真鯛。千葉県などでは以前から盛んだったものが、茨城→福島→宮城と北上。宮城県・塩釜沖でもここ数年は年々釣りやすくなり、2015年は本格的にブレイク!これまでは釣れたり釣れなかったりのムラが大きかったものが、かなり安定して狙えるようになっている。

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塩釜周辺沖の近場でも十分に狙える魚影!

仙台湾のマダイといえば以前から実績のあった大根沖がポイントとして挙げられる。最近では亘理沖の深場なども人気があるが、宮城のマダイもだいぶ魚影が濃くなってきて、松島湾、塩釜周辺沖の広範囲で釣れるようになってきている。

「冬が近くなったらマダイが落ちるので深場に移動しますが、塩釜周辺の浅海の釣りが最高なんです。繊細なタックルでテンヤを操作するダイレクト感があるうえ、マダイとのやりとりもダイナミックで、テンヤ釣りの醍醐味を感じらますよ!」と語るのは、取材で乗船した釣り船さざえ堂の磯野康憲船長。塩釜周辺のマダイが今のように人気が出る前から一つテンヤに目をつけ、常連さんらとともにこの釣りを開拓してきた。

塩釜沖で釣れるマダイは松島湾周辺で成長する個体も増えてきてはいるが、今のところほとんどは南の海から回遊してきたものだ。磯野船長によれば、仙台湾に回遊してくるマダイは中~大型ばかり。春から初夏の産卵期に、新天地を求めて北上してくることが考えられるそうだ。

「関東方面の船長さんに聞いたところでは、マダイは警戒心が非常に強くて、一つのポイントを集中的に攻めるといつのまにか大型はどこかに移動してしまい、小中型しか釣れなくなってしまうと言われています」。10年くらい前はマダイの少なかった宮城沖だが、新天地を求めて回遊してきた魚の子孫が定着すればさらなる魚影増に期待できる。

一つテンヤはエビエサが命。頭や手足がもげないように丁寧に解凍して使う。凍ったまま無理にバラそうとするとエビが痛む原因になる
移動中、海水をかけて置けば半解凍状態になるので、半解凍でクーラーなどに保管しておき、2~3尾ずつ外で解かして使う。ただし冬場、気温が下がると解凍に時間がかかるので、出船前から解凍の準備をしておいた方がいい時もある

取材を行った10月15日はベタナギの好コンディションかと思われたが、潮が動かずに苦戦。マダイの場合は大潮、小潮などの潮周りとは関係なく、流れがあるかどうかがかなり重要で、潮が緩い場合でも、浅場ならば風波で流れがあると釣れることもある。ただ、この日は無風で潮もほとんど動かない厳しい条件だった。

釣りを始めるとエサ盗りのフグが活発な状況。さらに水温が下がり始めたことで小中型のアイナメもいい感じに活性が上がっていた。うれしいゲストのヒラメも含め、根魚、ヒラメ、タイの五目で楽しめるのも塩釜沖の魅力。

うれしいゲストのヒラメ
小中型の活性が上がり、アイナメシーズン到来!
エサ盗りのフグも多いが、エサ盗りでも反応があった方が本命の可能性も高い

そんな中、船中1枚目の本命を釣った人は、船長の指示ダナ(この日は底から2mくらいが多かった)をしっかり丁寧に攻め続けて結果を出した。

明らかに分かる本命の引き!小気味良いドラグ音とともにラインが引き出されていく
ドラグは1kg程度に調整しておき、ポンピングせずに無理なく巻き上げる
本命マダイ。姿が見えてきてからも最後のひと暴れがあることが多いので最後まで油断は禁物だ
無事にランディングされたマダイの口を見ると、親バリが外れて、かろうじて刺さった孫バリだけで上がってきていた。上アゴにハリの刺さっていた痕が‥がっちり掛かっていた親バリが、タイが暴れたことで穴が大きく開いて外れてしまったのが分かる
4kg級の良型マダイ。塩釜沖は産卵期に回遊してきて居着いた良型主体。特に塩釜周辺の浅場は深場のポイントに比べてきれいな魚体の個体が多い
徐々に深い方へ移動しながら、松島湾周辺のポイントを回っていく
ポイントにもよるが、風と潮に同調できるパラシュートアンカーを使って船を流した
エビ好きの良型メバル!
ナイスサイズなヒラメも!
船中2枚目も先ほどと同じ方がキャッチ。さっきのタイよりちょっと大きい4.5kg(70cm級)だった
今度は上アゴにがっちりフッキング

一人で2枚を釣り上げた方に状況を聞いてみたところ、2枚とも底から1mほどリフトさせ、フォールさせて底に着くか着かないかのところで食ってきたとのこと。テンヤマダイではアタリがあったら即アワセが基本。この方はテンヤの沈下速度に合わせてロッドを下ろし、糸を張ったままフォール。2枚のうち片方は、底に落ちる直前にラインがちょっと弛んだのをみてすかさずアワせたそうだ。

マダイはフォール中に食うことがほとんど。魚探の反応をもとに船長が指示を出してくれるので、そのレンジをしっかり攻めきることと、フォール中のアタリを取れるかどうかがこの釣りのキモになる。

「フォールの当たりは意識しないとなかなか分かりません。意識していても、実際にアタリを経験しないとイメージしにくくて、常連さんも何回も通って上達した人がほとんど。今年の釣果が良いのには乗船してくれる皆さんが上手くなっているのも大きな要因なんですよ」

ヒットした後、バレを防ぐのが難しいのもテンヤマダイの傾向。この日も獲れた分以外に何回か残念なバラシがあった。マダイは修羅場をくぐり抜けて生き残った大型ほど賢く、浅場だと横に走って、タイ自身の背ビレを使って切ったり、根に擦られて切られることが多くなる。かといって糸を太くするとたちまち釣れなくなったりするので、無理せず、かつ自由に走らせないよう上手にやりとりすることが重要になる。

テンヤの色や重さは面倒くさがらずに変えてみるのが吉。暗い時はグロー系、日中、濁りに関係なく使えるのが蛍光赤やオレンジ系などと言われるが、色は鉛色、シルバー、ゴールド、レッド、オレンジ、グローなどから好きなものを選べばよい。金色も人気色で、この日はピーカンで光を反射したのか、ゴールド系に反応が良かった
ジグヘッドに近いタイプの「スイミングテンヤ(エコギア)」は、イワシなどのベイトのように泳ぎ、ヒラメやソイなど五目狙いの時にも適
「エコギア アクア スイムシュリンプ」も状況により効果的な場合あり
「テンヤが回転しないように、エサを真っすぐに付けることも基本的なことですがかなり大切ですよ」と磯野船長

仙台湾の一つテンヤはマダイ以外にも五目の釣果で楽しめる。この日はエサ盗りのフグも多かったが、ヒラメにメバル、アイナメの根魚も上がった。特に、水温低下とともにアイナメの活性が上がってきていて、これからはフグが少なくなって根魚が好調になってくる。

大型のヒガンフグ!アカメフグの仲間で関東のフグ船なら喜ばれる魚だが‥
良型のアイナメも!根魚はこれからますます期待できる
ベタナギのコンディション。しかしながらテンヤの号数を落としても真っすぐ落ちていくほど潮の流れが無かった
正午過ぎには半そでになっても良いほどの陽気に
好調のゴールドのテンヤにチェンジして良型メバルをキャッチ
終了間際にはトラフグ!も、調理をできないためリリース
終了間際から急に北寄りの風が吹き始め、帰りは逆風に‥
 
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2015年シーズンのマダイは絶好調!

マダイ釣りは条件次第の面もあるためいくらかの釣果ムラはあるが、今季は比較的安定して釣れ続いている。この日のように釣れない時でもゼロはほとんど無くなり、釣れる時なら10枚、20枚と釣れることも。特に今年は去年までは少なかった1~2kgくらいの中型クラスが多くなり、数が出るようになったそうだ。

釣り場は浅い所では5mくらいから、この日釣った30~40mくらいまでの浅場側がずっと好調だった。これから冬場にかけては水温低下とともにマダイが深場に落ちるので、40~50mのちょっと深いポイントも攻めるようになる。これからは根魚も多くなってくるが、テンヤの基本をマスターするには最高のチャンスなので、宮城のテンヤマダイ挑戦してみていただきたい!

 
今季は6月頃から狙い始め、初夏からずっと好調が続いている。シーズン初期からいいマダイが上がったほか、例年になく1~2kg級のレギュラーサイズが多く、悪い日でも船中1、2枚、良い時は船中15~20枚釣れることもあった
こちらが仙台湾の一つテンヤマダイに全力を注いできた磯野船長。震災前から福島沖に通って一つテンヤを研究し、2010年から仙台湾で本格営業開始。2011年の震災後も9月から営業を再開し、年々、実績を積み上げてきている
【遊漁船紹介】釣り船さざえ堂
一つテンヤではマダイのほか、テンヤ五目でも年中出船している。他、カブラ、ジギングのマダイや青物、ロックフィッシュなど何でも出船。湾内の船ハゼも大好きで、絶妙なポイントに連れていってくれるとハゼマニアの間でも定評あり!

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※取材協力/釣り船Sazaedo(さざえ堂)TEL:090-2270-6974

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