2015本格ブレイク!近場で楽しい塩釜沖テンヤマダイ
依然、注目度上昇中の仙台湾の一つテンヤ真鯛。千葉県などでは以前から盛んだったものが、茨城→福島→宮城と北上。宮城県・塩釜沖でもここ数年は年々釣りやすくなり、2015年は本格的にブレイク!これまでは釣れたり釣れなかったりのムラが大きかったものが、かなり安定して狙えるようになっている。
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塩釜周辺沖の近場でも十分に狙える魚影!
仙台湾のマダイといえば以前から実績のあった大根沖がポイントとして挙げられる。最近では亘理沖の深場なども人気があるが、宮城のマダイもだいぶ魚影が濃くなってきて、松島湾、塩釜周辺沖の広範囲で釣れるようになってきている。
「冬が近くなったらマダイが落ちるので深場に移動しますが、塩釜周辺の浅海の釣りが最高なんです。繊細なタックルでテンヤを操作するダイレクト感があるうえ、マダイとのやりとりもダイナミックで、テンヤ釣りの醍醐味を感じらますよ!」と語るのは、取材で乗船した釣り船さざえ堂の磯野康憲船長。塩釜周辺のマダイが今のように人気が出る前から一つテンヤに目をつけ、常連さんらとともにこの釣りを開拓してきた。
塩釜沖で釣れるマダイは松島湾周辺で成長する個体も増えてきてはいるが、今のところほとんどは南の海から回遊してきたものだ。磯野船長によれば、仙台湾に回遊してくるマダイは中~大型ばかり。春から初夏の産卵期に、新天地を求めて北上してくることが考えられるそうだ。
「関東方面の船長さんに聞いたところでは、マダイは警戒心が非常に強くて、一つのポイントを集中的に攻めるといつのまにか大型はどこかに移動してしまい、小中型しか釣れなくなってしまうと言われています」。10年くらい前はマダイの少なかった宮城沖だが、新天地を求めて回遊してきた魚の子孫が定着すればさらなる魚影増に期待できる。
取材を行った10月15日はベタナギの好コンディションかと思われたが、潮が動かずに苦戦。マダイの場合は大潮、小潮などの潮周りとは関係なく、流れがあるかどうかがかなり重要で、潮が緩い場合でも、浅場ならば風波で流れがあると釣れることもある。ただ、この日は無風で潮もほとんど動かない厳しい条件だった。
釣りを始めるとエサ盗りのフグが活発な状況。さらに水温が下がり始めたことで小中型のアイナメもいい感じに活性が上がっていた。うれしいゲストのヒラメも含め、根魚、ヒラメ、タイの五目で楽しめるのも塩釜沖の魅力。
そんな中、船中1枚目の本命を釣った人は、船長の指示ダナ(この日は底から2mくらいが多かった)をしっかり丁寧に攻め続けて結果を出した。
一人で2枚を釣り上げた方に状況を聞いてみたところ、2枚とも底から1mほどリフトさせ、フォールさせて底に着くか着かないかのところで食ってきたとのこと。テンヤマダイではアタリがあったら即アワセが基本。この方はテンヤの沈下速度に合わせてロッドを下ろし、糸を張ったままフォール。2枚のうち片方は、底に落ちる直前にラインがちょっと弛んだのをみてすかさずアワせたそうだ。
マダイはフォール中に食うことがほとんど。魚探の反応をもとに船長が指示を出してくれるので、そのレンジをしっかり攻めきることと、フォール中のアタリを取れるかどうかがこの釣りのキモになる。
「フォールの当たりは意識しないとなかなか分かりません。意識していても、実際にアタリを経験しないとイメージしにくくて、常連さんも何回も通って上達した人がほとんど。今年の釣果が良いのには乗船してくれる皆さんが上手くなっているのも大きな要因なんですよ」
ヒットした後、バレを防ぐのが難しいのもテンヤマダイの傾向。この日も獲れた分以外に何回か残念なバラシがあった。マダイは修羅場をくぐり抜けて生き残った大型ほど賢く、浅場だと横に走って、タイ自身の背ビレを使って切ったり、根に擦られて切られることが多くなる。かといって糸を太くするとたちまち釣れなくなったりするので、無理せず、かつ自由に走らせないよう上手にやりとりすることが重要になる。
仙台湾の一つテンヤはマダイ以外にも五目の釣果で楽しめる。この日はエサ盗りのフグも多かったが、ヒラメにメバル、アイナメの根魚も上がった。特に、水温低下とともにアイナメの活性が上がってきていて、これからはフグが少なくなって根魚が好調になってくる。
2015年シーズンのマダイは絶好調!
マダイ釣りは条件次第の面もあるためいくらかの釣果ムラはあるが、今季は比較的安定して釣れ続いている。この日のように釣れない時でもゼロはほとんど無くなり、釣れる時なら10枚、20枚と釣れることも。特に今年は去年までは少なかった1~2kgくらいの中型クラスが多くなり、数が出るようになったそうだ。
釣り場は浅い所では5mくらいから、この日釣った30~40mくらいまでの浅場側がずっと好調だった。これから冬場にかけては水温低下とともにマダイが深場に落ちるので、40~50mのちょっと深いポイントも攻めるようになる。これからは根魚も多くなってくるが、テンヤの基本をマスターするには最高のチャンスなので、宮城のテンヤマダイ挑戦してみていただきたい!
一つテンヤではマダイのほか、テンヤ五目でも年中出船している。他、カブラ、ジギングのマダイや青物、ロックフィッシュなど何でも出船。湾内の船ハゼも大好きで、絶妙なポイントに連れていってくれるとハゼマニアの間でも定評あり!
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※取材協力/釣り船Sazaedo(さざえ堂)TEL:090-2270-6974
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