テクニカルなゲーム性にはまる男鹿沖の鬼カサゴ
針生秀一さんの釣行記にたびたび登場していた田村さんからの初リポート!秋田・男鹿半島沖で人気上昇中の高級魚オニカサゴを狙いました。
沖釣りの先輩である浅野さんより着信あり!
「タムちゃん鬼の仕立て船で欠員が出たから秋田に釣りに来ないか?」
と有難いお誘い。
東北で鬼カサゴの乗合船は数少なく、鬼カサゴ釣りは仕立て中心とチャンスはごく僅か。二つ返事で仙台から通い慣れた秋田へGO!男鹿半島中央を通っているなまはげラインの赤鬼橋を通過する辺りでは否応無しに気持ちが高ぶります。
目的地は以前から鬼カサゴやアラ釣りで毎々お世話になっている湯の尻漁港の祥静丸さん。少し早めに到着し外に出ると、兎に角寒い!予想より風も強く出船できるか五分五分の状況、それでもガイドにラインを通したり防寒対策などしっかり準備を整えます。
男鹿の茶デリからスタート!丸々とした良型が連発
暫く待機して風も若干弱まり何とか出船!「近場で茶テリをやって少し様子を見ましょう」と桧山船長。
向瀬でオキメバルをサクッと釣ってから、帰りに本命の鬼カサゴパターンを想定していたメンバーは茶テリ用の仕掛けも錘も無し…。船長のご好意で一押しサビキを分けて頂き何とか鬼カサゴ用の150号錘でヘビータックル茶テリ開始!桧山船長ありがとうございました。
茶テリとは秋田の呼び方で仙台での黒メバルのこと。水深40m前後、錘が着底して底を切ると直後に鋭いアタリで竿先が海面にお辞儀します。
低速で巻き上げると、丸々とした良型がズラリ。ハリ外し、血抜き、バケツの水交換、クーラーに放り込んだりと船上が慌ただしい中振り返ると、浅野さん僅かな時間で43リットルクーラーが満タンに。
「タムちゃん早く満タンにしないと鬼釣る時間が短くなるぞ」
視線が伝えるプレッシャー(汗)
茶テリの棘が手に刺さる痛みなど気にしないで必死で満タンに。日本海の茶テリは口からハタハタの稚魚を吹き出し脂が乗っているので美味しいお土産になります。
いよいよ本命の鬼カサゴ釣りにシフト!
さて、波風が少し治まって、ようやく男鹿半島の西北端、北緯40度線上に位置する入道崎を越えて本命の鬼カサゴ釣りにシフト!先週はベテランのお客さん達を乗せて釣果ゼロとの前情報。船中誰か一人でも型を見れば御の字と皆覚悟する。
男鹿の鬼カサゴは前アタリの見極めが難しく、ロッドは高感度の先調子アルファGTイカオニ1.8mを選択。電動リールはフォースマスター2000MKにPE4号400m。仕掛けは片天秤の2本鈎でモトス6号60cm、ハリス6号40cmと100〜120cm。ハリはムツ細軸16号にオレンジ系でアピール。エサは鯖の短冊とヤリイカを使用しました。
「フォースマスター2000MK」(シマノ)
第1投は100m前後の岩礁帯に投入。サミングして錘が着底したらエサが落ちてくるまでワンテンポ放置してアタリを出すのもあり。
暫くして「アタリがあったよ!」と右舷艫は秋田市の今渕さん。本命であってくれと全員の視線が集まります。すると海中からゆらりとオレンジ色の塊が浮上して桧山船長がタモ入れしたのは本命の鬼カサゴ!ピンク系タコベイトに夜光ソフトビーズを付けた長いハリスの下鈎に掛かったのでそこそこ潮は動いてるかもしれません。チャンス!船中が期待に満ち溢れます。
低活性時でもばんばんアタリを出すテクニックって?
続いて浅野さんにもヒット!「鬼には間違い無いけどあんまり引かないな」とのお話。浮き袋が無いため釣り上げるまでゴンゴンゴンと抵抗する鬼カサゴ特有な引きが無く、重量感だけがのしかかる。
確かに天秤にぶら下がった錘を握ると非常に冷たい。この水温の低さから活性が低いことは容易に想像できます。
因みに鬼カサゴの目は頭の上に付いています。上から落ちて来るエサを見つけるとススっと寄ってきて捕食しますが、一発食いは珍しく、一度咥えてから飲み込む慎重タイプ!その為、口は獲物を咥え易いようギザギザしてます。
この一連の捕食の動作をイメージすると活性の悪い状態でエサとの距離感は絶対不利と判断。錘の位置は底から1m位を底より50cm位に下げ、エサの大きさも一口サイズに小さくして対応して行きます。そんな状況でも桧山船長が均等にアタリを出させる操船のおかげで早々に全員が本命の鬼カサゴを手にする事が出来ました。
潮の流れに合わせて仕掛けの長さを調整すると◎
ニジカジカが釣れ始めたら潮止まりの合図。本命の釣れない時間帯に突入して行きます。しかし浅野さんは食い渋り時に鬼カサゴのアタリを頻繁に出して行きます。
仕掛けを見せて頂くと、片天秤の先端からスイベルを付け60cmと150cmと2本ハリスが出ている浅野さんオリジナル仕掛け。潮の速さによって下バリの長さを150cm〜潮がきかなくなったら短めに調整してているよとアドバイス頂きました。さっそく真似てみましたが、慣れないと仕掛けが絡んで敢え無く轟沈!この仕掛けには私の経験値が足りませんでした。
暫くして「風向きが急に変わったよ」と浅野さん。風が変わって潮も動いたのを見逃さず6匹目の鬼カサゴを追釣して行きます!私も何とか元の仕掛けに戻し4匹目を釣り上げて納竿。
鬼カサゴは少しでもポイントを外れると釣れません。ピンポイントで流す操船テクニックのお陰で6、4、3、2、船中15匹と何とか全員安打達成!潮が悪いなりに何とか数が出たよと桧山船長。
男鹿沖の鬼カサゴは難しく、正にテクニカルな釣りなのですが、食い渋りの中アタリを出す楽しみもこの釣りの魅力です。
■予約TEL:080-1666-4504
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東北の沖釣りをメインに赤い魚を狙う船釣り師。最も得意とする釣りは中深場のアカムツ、オニカサゴ、アラを中心とした根魚。目標は東北の超深海釣りの開拓。仙台市泉区在住、職業はロケットエンジン用ターボポンプ計測担当
※取材・テキスト/田村 努
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