東北ロックフィッシュトーナメント 優勝者の戦術
ロックフィッシュトーナメント「ソルトチャプター宮城第5戦(最終戦)バレーヒルCUP」で優勝し、2017年NBCソルトチャプター宮城の年間チャンピオンに輝いた森本正善さん。トラブルに見舞われながらも幸運をつかみ取った、最終戦の模様をリポート!
前日のプラでは好感触を得られずマイナスからのスタート
NBCソルトチャプター最終戦、冠のバレーヒルカップであるということ、そして年間優勝のアングラーオブザイヤーが掛かった一戦ということで気合を入れて臨みましたが、前日のプラクティスでは全く良い感触を掴めませんでした。
朝一エントリーした磯場はウネリだけでなく、濁りも入って壊滅状態。1時間程探るもノーバイトだったため、すぐに移動を決断しました。何カ所かエントリーポイントを回るも、既に先行者がおり、過去の同大会で4位入賞した磯場が空いていたのでそこへエントリーしました。
予想通りウネリや濁りは全くなく、風裏にもなっており、まずは1本を目指すところからスタートしました。
足元をベイトタックルのCYPHLIST HRX CPHC-83H PlusにTGシンカー18g、WORM316RフックにSL Remix 4in(MO EXカラー)のテキサスリグでテンポ良く探っていきました。
すると、2、3投目に待望のバイトがありフッキングも決まって一気に抜き上げたんですが、その際にフックが外れ500~600gのキーパーが磯場を転げ落ちてポチャン・・・。その魚をハンドランディングしようとしてロッドを岩場に強打してしまい、まさかのロッド破損というダブルパンチを食らいました。
心がだいぶ折れ掛かってましたが、スピニングタックルの「サイファリストHRX CPHS-910H Plus」に持ち替え、諦めない気持ちで釣りを続行。「ビーンズTGシンカー」10g、「フッキングマスターバーサタイルフィネスフック」に「フィッシュテールリンガー3.5in(サンドBP)」のビフテキリグで広範囲に探り、800g程のナイスキーパーをランディング・・・しようとした際に今度はラインブレイクして、心がポッキリ折れる音が聞こえました。
三陸の海の色に合わせたイメージカラー、サイファリストグリーンが象徴的なロックフィッシュロッドシリーズ。ハードな磯からの釣りが可能なヘビーモデルのベイトタックル、堤防、磯から遠投できるロングスピニング、ボート向けの短めレングスや軽めのリグが扱いやすいモデルなどをラインナップ。コストパフォーマンスも良く、比較的シリーズを揃えやすい点も好評
でもその折れた心をもう一回持ち直して、今度は同タックルでシンカーウェイトを28gまで上げ、気分を晴らすためにフルキャストして探っているとそこで待望の1本目、700g超の金色のオスアイナメが入りました。これでようやく心が落ち着きました(笑)
水深3~4mのシャロー帯へ移動し、再びシンカーウエイトを10gへ戻し、「ベタンコカーリー 2in(サンドBP)」でリミットメイクを目指しました。そこで600g超のキーパー(抱卵のメス)を1本入れ、その約20分後に待望のリミットメイクフィッシュ(これも700g前後の抱卵メスアイナメ)を掛け、ネットイン!!・・・の瞬間に今度は針先がポッキリと折れ、またもや痛恨のバラシをしてしまいました。
この時点で「今日は持ってない日なんだな」と思いましたが、諦めたらそこで試合終了なので決して諦めず、再度冷静に組み立て直しました。
最後まで希望を捨てずに終盤、一転して幸運を引き寄せる!
ビフテキ10gという軽めのリグに3in以下のスモールワームで魚は口を使うので、10gというウェイトでより広範囲にキャスト出来るよう、ラインをPE0.6号から0.4号(RAPINOVA-X MULTI-GAME)に落としました。
加えてフックをより存在感の薄い「DASオフセット」に替え、「フィッシュテールリンガー2.8in(スモークシャッド)」で居る魚を根こそぎ釣ってやろうという気持ちでアプローチを再開。300gのキーパーで待望のリミットメイクに成功しました。
あとはサイズアップを目指すのみだったので、私が最も得意とする「フィッシュテールシャッド 2.8in(メロンシャッド、グリーンパンプキン/ブラック・レッド・フレーク)」のビフテキ(ウェイトは変わらず10g)でボトムや根回りを横方向の動きを意識しながらタイトにアプローチしていきました。
そこですぐさま600g超えのメスアイナメで入れ替えに成功しまして、この時点でシャローで釣れてくる魚が体色の白い抱卵のメスばかりということにふと気付きました。
時間は11時前で上げ潮に変わって2時間ほど経過している時間帯、そして今日は大潮。もしかして一気にシャローへ差してきたか?と思い、シャローを重点的に攻め始めました。程なくして今までとは違う強烈なバイトがあり、慎重にファイトしてネットインした魚は余裕のキロアップキッカーで思わずガッツポーズしちゃいました(笑)
流れが完全に自分に来てる!!と思いながら同リグでアプローチを再開し、数十分後・・・またしても強烈なバイトがあり、足元で何度も粘られた末にキャッチした魚は先ほどより一回り太いキッカーキロフィッシュでまたガッツポーズ(笑)
まさに地獄から天国とはこのことで、最高に痺れる展開でした。
森本さんが信頼を置く不動のエース的存在。ベイトライクなボディとシャッドテールの波動で、ナチュラルでありながら、アピール力も強いアイテム
最初の場所を早めに見切ったこと、産卵を意識したウエイトのあるアイナメがシャローに一気に差してくるタイミングを読めたことが勝因だったのかと思います。
結果、アイナメ3本、3,402gというウエイトで優勝でき、最高の形でアングラーオブザイヤーも勝ち取れたので、今回は何も言うことはありません。そして応援して下さった仲間たちや競い合って頂ける大先輩方や後輩たちにも感謝したいです。
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ロックフィッシュ中心に岩手県内陸より三陸に通うルアーアングラー。出身は秋田市で、日本海側のターゲットも積極的に開拓中!バスやトラウトなども得意。サポートメーカー=ベイトブレス、バレーヒル。ブログ「東北ロック」http://pirania.naturum.ne.jp/
※取材・テキスト/森本 正善