亘理沖の夏ヒラメ
魚影の濃さとサイズの良さで人気が高い宮城県南部・亘理沖のヒラメ釣り。ヒラメの活性が上がるのと比例するように釣り人のボルテージも急上昇中だ!
※2014年8月掲載の記事です。
今年も待望のシーズン到来!早期から好スタート
一発超大物に期待できるうえ、味も抜群な高級魚。さらにゲーム性の高さも加わって沖釣りファンが集中するヒラメ釣り。昨シーズン同様に6月より解禁となった亘理沖の釣況が上向き傾向に入ったのを見て早速、様子を伺ってきた。
午前5時、山川大海船長操船の第五大海丸は、港にある生け簀よりエサのカタクチイワシを積み込んで出港した。35分走って水深17mラインに到着。海底は緩やかな段差がある根周りで、ヒラメが集まるポイントだ。
「今年も6月からヒラメ釣りが解禁となりました。解禁当初は数が出ませんでしたが、徐々に釣果が良くなってきました」と山川船長。一投目の流しから本命のヒラメが掛かった人がいたが、残念ながら水面でバレてしまった。
次の流しで私にもアタリがきた。「ゴンゴン」と力強い魚信の後に引き込んだのでヒラメを想像したが、42cmの丸々としたアイナメが顔見せた。本命ではないが嬉しいサイズだ。
当日は1m下も見えないきつい潮の濁りだった。しかし、これは水面だけで海底付近はクリアなはず。まずはアイナメが釣れたこともあり、イワシを広く泳がせられる1mのハリス長は変更せずにヒラメを狙い続けた。
ハリ掛かりせずにエサのイワシが無残な姿で戻ってくることがあるが、鋭い歯型があればヒラメの可能性が高いのですぐに新しいエサに交換して投入といきたい。全体に皮が剥けて戻ってきたらクロメバル、頭だけになってくるのはイカの可能性が高い。
船中2枚の本命が取り込まれた直接に私の竿が再び動いた。
「ツンツン」をしばらく繰り返して「ギューン」と一気に竿の胴まで絞り込まれた。これは一番ハリ掛かりしやすい食い込みで、釣り人を悩ませないパターンだ。何度か鋭い突っ込みをして55cmの中判サイズが浮上した。
その日の潮にもよるが、50~70cm位のサイズが元気に走るので、釣り応えがあると言われている。もちろん、そのサイズを上回る豪快な重量感も大歓迎だ。その後もアタリは続いて、私は早期としては納得の4枚を釣ることができた。
釣り上がったヒラメはたくさんのメロウドを吐き出した。海中にエサが豊富だと満腹になったヒラメはハリの付いたイワシを追わなくなってしまうが、全くエサが無ければ捕食スイッチが完全に切れてしまう。食いの良さと海中にあるエサの存在は微妙なバランスの関係にある。
釣果の決め手は集中力!今年も群れは濃い
当日はヒラメ釣りのポイントとしては浅場を狙ったので、ゲストも多彩。ヒラメの他にはクロソイやクロメバルなども釣れて嬉しい釣果になった。
山川船長にヒラメ釣りでたくさん釣る人とそうでない人の違いを聞いてみた。「ヒラメは当たりが途切れることなく来る釣り物ではありません。貴重な当たりを確実にヒットさせる集中力が一番だと思いますよ。いつも朝早くは皆さん差がありませんが、中盤以降で差がついてきます」とのこと。
今シーズンも亘理沖にヒラメの群れが集まり始めているのが確認できた。最盛期の食いは目前だ。
今季は昨年同様、6月からヒラメ釣りを解禁。本来、8月解禁の釣り物なので、これからがシーズン本番となる。遊漁船・第五大海丸は山川育夫船長からノウハウを受け継いだ息子の大海船長が担当することが多い。爽やかな若船長と亘理の海で楽しいひとときを!
カレイ釣りのトーナメンターとして活躍しながら、ヒラメ、メバル、マダイ、深海などの各種船釣りにワカサギ、渓流までなんでもこなすオールラウンダー。がまかつ、山豊テグスフィールドテスター、マルキューフィールドモニター。福島市在住
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※取材・テキスト/菅野 順也
※取材協力/大海丸(宮城・鳥の海荒浜港)