東北根魚盛期に開催!塩釜ボートロックトーナメント2023
東北ロックフィッシュ春の恒例行事となっていた「塩釜ボートロックフィッシュトーナメント2023」が2023年4月23日(日)、4年ぶりに開催された。これまでは東北ロックシーズン序盤のタイミングだったが、今季は例年に比べて根魚シーズンの進みが早く、最盛期の大会となり大いに盛り上がった。
[動画前編:実釣・解説~表彰式]
[動画後編:入賞者インタビュー]
塩釜港から出船!強風のため近場の大根沖からスタート
「荒天中止の後、新型コロナの影響で開催を見合わせていたので、4年ぶりの開催になりました。久しぶりに会う方も多く、(ゲストの)ハンター塩津ともそれくらいぶりの再会です。強風予報ですが、今年は早くから調子よく釣れているので、近場のポイントでも釣果は十分期待できると思います」とは、今回で10回を数える大会を主催してきたアーネスト船長佐藤尚行さん(以下、タカさん)
この日集まったロックフィッシュアングラーは65名。船宿えびす屋(塩釜まがき港)の大型船4隻に分かれ、釣り場を目指した。
例年、シーズン初期となるこの大会では牡鹿半島~金華山周りの遠方のポイントで釣りをするのだが、この日は強風予報のため松島湾周辺の大根~中根のポイントで実釣することになった。
「例年ならばシーズンが早すぎて近場だと厳しいのですが、今年はシーズンの進行が早くて4月頭から大根付近でも釣れているので、十分にコンディションの良いアイナメを狙えると判断し、決行しました。風の状況次第で早上がりはあるかもしれませんが、最初からがんばって釣って欲しいと思います」とタカさん。
「この季節はフワフワ系がイイ」のフワフワ系って?
毎年、この大会でタカさんが発するワードが「フワフワ系」。このフワフワ系というのは一体何なのか?
春先のベイトとしてイサダアミ(アミエビ)などが有名だが、春先のボートロックゲームではこういったアミ類・小エビ類やゴカイ・バチの類を食べて浮き気味になっている魚を狙って釣ることが重要になる。もちろん底べったりで捕食している魚も居ることは居るのだが、春のマイクロベイト系を捕食している魚の方が肥えてコンディションが良く、ウエイトを稼いで上位に入る人はそういう魚にターゲットを絞って釣っているということ。
ハンター塩津さんのこの日のパターンを解説
ゲストのハンター塩津さんの釣り方を解説してもらった。この日の塩津さんは最初こそ探り探りだったものの、途中からパターンをつかみ40UP含む2桁釣果を上げた。塩津さんパターンも、タカさんの言うフワフワ系に一致するような釣り方。
フワフワ誘う場合もいろいろな方法があって、一つがシンカーを軽くしてフィネスに攻める釣り方。こういった繊細な釣りは今回のように風が強く、船が流されるような状況では操作が非常に難しくなる。塩津さんの場合は・・
「今日はバークレイのスイベルシンカーの1オンスを使っているんですが、水深に対しては少し重めのシンカーにして、フリーリグにしています。フリーリグなのでシンカーのアイをラインがスルスルと動く状態です」
「使い方は、着底したらまず大き目のリフトでリグを1回跳ね上げます。フォールの時に少しテンションを抜いてあげると、(スイベルシンカーは細身で沈みも速いため)シンカーがストーンと先に沈みます。シンカーが先に落ちるとシンカーとワームの距離が少し離れて、ワームが漂いながらフワフワと落ちていくイメージです」
シンカーに遅れてふわふわとフォールさせることで魚に食わせる間を作ることができるテクニックだが、フォール中のアタリをキャッチするのには少しテクニックが必要。風が強くなり船が流されると、ボトムの感覚を掴むのが難しくなるそうだ。
塩津さんに動画でも説明してもらっているので、そちらも見て参考にしてみていただきたい。
風が強まり早上がりになったものの釣果は上々!
この日は終始、風の強い予報ではあったのだが、途中からは突風のような風が混じり始め次第に厳しい雰囲気に。大根沖からさらに内側の中根周りなど岸近くのポイントに移動して競技を続けたが、予定より少し早上がりとなった。
まがき港に設けられた検量スペースには次々と釣果が持ち込まれ、ウェイイン率は9割に到達。風の状況的に釣れない人も多いのではと心配されたが、予想以上の結果となった。
1位岸さん、2位の深堀さんは3.2kg台で60g差の僅差!
期待以上の好結果となり、3kg前後に上位が並び、1位の岸さん(3,260g)と2位の深堀さん(3,200g)はわずか60g差の僅差という結果になった。
3位 清野 隼平さん(2,980g)
「ワームはガルプ!パルスワームの4インチ。ボトムからあまり離さずズル引くように、ゆっくり横を引くように使いました」
2位 深堀 潤さん(3,200g)
「最初に入った大根では2.5インチシャッドテールワームの底から50cmのスイミングで、岸寄りに移動してからは完全カニパターンでした。今日はポイントによって釣り方が全く異なりましたね。普段からアーネストで大根沖のポイントなどは釣りをしていたので、普段佐藤さんから教わっている釣り方で釣りました」
優勝 岸 和弘さん(3,260g)
「今日やったのは、ボトムを取ったらボトムからほんの少しだけ浮かせて、ずっと糸を張って待っているような釣り方です。ワームはスライダーワームでした」
タカさん「彼は今年の春からすごく調子よく釣っていたので、開催前から『優勝もあるんじゃないか?』と冗談半分で話していた所でした。今年はシーズンが早くて4月1日からよく釣れているんですが、彼は2、3回このパターンで釣りをしていたので、春先のヒットパターンを体でおぼえていたのだと思います」
初夏のロックフィッシュ盛期!来年も開催予定
今回、釣れたアイナメは魚体がパンパンのコンディションの良い魚が多くみられた。東北ロックフィッシュゲームはまさにハイシーズン。7月頃にかけて初夏シーズンが楽しみな雰囲気だ。
また、佐藤船長は来年も第11回大会開催予定とのことなので、来季に向けてさらに腕を磨いて挑んでみていただきたい。
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※取材協力/えびす屋