釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

三浦明の船宿でしか聞けない話☆第4回 夏場も楽しめる!志津川湾のマコガレイ船(と昼アナゴ)

三浦 明 2022年2月10日 更新

三浦明の船宿でしか聞けない話
シリーズ第4回 夏場も楽しめる!志津川湾のマコガレイ船(と昼アナゴ)

~直結仕掛けを生んだ南三陸の名物船長に、船上や帰港後の座談会で常連さんたちに教えている内容を語っていただきました!~

※この記事は釣り河北プレミアムメールマガジンの連載企画で2013年7月に配信されたものです。

[PR]
[関連]

三浦明さんの連載をもっと読む

第4回 夏場も楽しめる!志津川湾のマコガレイ船(と昼アナゴ)

前回の記事を読む

――夏場に入っても今年はカレイがよく釣れています。
そうですね。今年は3月下旬の早期からいい型ばかりが上がっていて、あの時季でマコガレイが145枚くらい上がったりしていましたから、春先としてはかなりいい釣果でした。初夏になった今でもハイシーズンのような状態が続いています。

――水温が上がるとカレイの食いが落ちるのでは?
(7月上旬現在)水温は18.5℃くらいになってきていますね。ただ、最近ようやくメゴチが1匹、2匹と出てきましたから、今がいちばん食いのいいときじゃないでしょうか。昔の一時期に比べると、最近はメゴチも少なくなりましたし。ただ、これから先、24℃、25℃くらいの高水温期になると、あまり大型は来なくなりますね。

――今夏のカレイ釣りはどうなる?
去年は比較的、釣れる場所が限定されていましたが、今年は去年釣れていなかったようなところでも結構カレイが上がっています。戸倉周辺は水深30mほどのホタテやホヤの棚周りなんかもよく釣れています。ホタテ棚の作業が復興してきてエサがよく落ちるようになったのもありますが、やっぱりしばらく釣ってないですからね。

漁師さんもほとんど刺し網をやってないですから、湾内に魚はかなり残っていますね。今年はおそらく夏場あたりから秋にかけてもいいんじゃないかと思います。去年はお盆過ぎのあたりからぐっと釣果が落ちたんですが、今年は別の場所でもよく釣れているから、このままの状態で期待できそうですね。

――志津川湾の夏場のカレイ釣り。
夏場になるとわりかし大型はこなくなります。夏場になっても大型がいなくなるわけではないんだけど、食いが渋くなるんですね。長年の経験上、8月、9月は大型が釣れる確率は低くなります。そんな中でも大きめのカレイを狙いたいという場合、ドブ系の場所を狙います。荒砂よりドブ系はわりかし大きいカレイが釣れる傾向があります。結局、ドブ系というのは他より少し深いところが多いので、そういったところに30オーバーの大きめが居ることが多い。さらに上の40オーバーとなると夏場はちょっと難しいので、10月、11月の秋に期待ですね。

――夏場のカレイ釣り仕掛け。
これからの季節は邪魔者(エサ盗り)なんかも多いので仕掛けは2本バリあたりの短めのほうが有利ですね。3本バリだとエサばかり取られてしまう。仕掛けが長くてアタリが分からないとなると、エサだけ盗られてしまってよくないですからね。

お盆過ぎになるとフグとかハナダイといった邪魔者が多くなってきますから、エサ交換も早めにするようにします。今なんかもフグが多くなっていますが、何回かアタリがあってアタリが止まったら、頻繁にエサを確認するようにしないと結構エサがスッカラカンになっていたりします。そういったとき、3本よりは2本のほうがエサの消費も少なくて済みます。

あと、今年は5月、6月とカワハギ(ウマヅラハギ)が大分きていますね。それがお盆過ぎあたり、果たしてどのくらい残っているか。今(7月現在)は水温の高い上層の方にしかいないのですが、お盆過ぎになって表層と底層の水温が混じり合うと、これが底に着くようになります。その時季になってみないと分かりませんが、現時点で定置網なんかに入っているのが棚に着くようになるのかどうか。フグと同じでエサ盗り上手ですからね。

――もし一杯いるようならカワハギ狙ってみるのも面白そう。
狙って釣るのは難しいですが、多いなと思ったら、カワハギ用に胴突きの2本か3本バリなんかで狙ってみるのも面白いかもしれません。でもホンカワハギではないですけどね(馬面)、食べて味はほとんどそん色ありません。今から20年くらい前は、カワハギ(ウマヅラハギ)がうるさくて釣りにならないことも結構ありました。

――夏場はアナゴも魅力的ですね。
今季はアナゴの夜釣りはやらない予定なのですが、例えば台風が通過した後とか、波高3m、4mで荒れた後は日中でもアナゴがかなり釣れます。これから秋まではアナゴも面白いですね。日中のアナゴファンもいるんですよ。今年はアナゴが凄く多くて、普通の日でも5本、10本くらいカレイに混じって釣れているから、荒れれば十分期待できますよ。

――戸倉周辺にアナゴの巣がある?
昔から狙っているのでアナゴの場所を知っているというのももちろんあるんですが、湾全体で釣れていますよ。今季もカレイ釣りの外道でアナゴが一杯釣れたときは、志津川と歌津の境のところで釣っていましたし。特に棚周りはアナゴ漁の筒を入れられないので、比較的アナゴが残っているということはありますね。

――三浦屋のアナゴの釣果がいい理由。
アオイソメをエサに使うこと、それにうち独特の2本バリ(直結)仕掛けは確実に釣果を伸ばしています。去年、塩釜の東北丸さんが夜アナゴ船を出していましたが、「三浦さんとこの直結仕掛けを持ってきた人が一番釣っている」という話を聞きましたから。両テンとかいろいろやってきましたが、短い2本バリ仕掛けが一番ですね。ハリスはホンテロン5号、ハリは丸セイゴの10号です。カレイ釣りならホンテロン3号ですから太めの設定です。ホンテロンならアナゴの回転でハリスにヨレがついても、指でしごいて引っ張るだけで真っすぐ張ることができます。ハリスがクニョクニョになっていると、幹糸に絡まってしまって全く釣りになりませんからね。

アナゴ釣りをできる人はカレイもうんと釣れますよ。あと、アナゴは引きの強さも魅力。太いのがくると竿が「グンッ」と止まって上がってきませんから。お客さんがやり取りしている引きを見て、「こりゃアナゴだな」って一発で分かりますよ。

次の記事を読む

[三浦屋特製 アナゴ用直結仕掛け]

天秤を使わない直結仕掛けのオモリ用スナップ部分。直結仕掛けを真似して作るのは全然OK!とのことだが、ここの結び方は企業秘密。直結仕掛けを自作している人も多いが、そういった人たちは試行錯誤してここの結びをマスターしている。
アナゴ用仕掛けではエダス、下バリの接続部分は緑の夜光玉をあしらっている。仕掛け長さは短い2本バリで、オモリの上糸を約65cm取り、2本ヨリの幹糸は上バリまで約13cm、上バリから下バリまでが約27cmという設定(商品により若干の違いあり)。幹糸は普通のカレイ用より太い12号を使っているので、絡みにくく丈夫!ハリスはホンテロンなど、引っ張れば伸ばせるエステル系の5号を推奨している。ハリは丸セイゴやウナギバリなども◎。

※「つり具販売」コーナーに直結仕掛けあり。

[関連]

三浦明さんの連載をもっと読む

◆記事に書けない裏話や質問への回答は無料メルマガ(毎月25日発行)で配信中!

PROFILE:三浦 明

南三陸町志津川湾・戸倉漁港の三浦屋船長。独自のカレイ釣り理論を持ち、長年にわたり東北カレイ界をけん引してきた。三陸の船長業のかたわら、仙台湾のマガレイ釣りにも積極的に通い込み、マコガレイ、マガレイの両面からカレイ釣りを探究してきた。考案した「直結仕掛け」は東北のカレイファンなら知らない人がいないほど有名。

 

関連カテゴリ