釣行記

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三浦明の船宿でしか聞けない話☆第3回 カレイ釣りのアワセと仕掛けの使い分け

三浦 明 2022年2月10日 更新

三浦明の船宿でしか聞けない話
シリーズ第3回 カレイ釣りのアワセと仕掛けの使い分け

~直結仕掛けを生んだ南三陸の名物船長に、船上や帰港後の座談会で常連さんたちに教えている内容を語っていただきました!~

※この記事は釣り河北プレミアムメールマガジンの連載企画で2013年6月に配信されたものです。

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第3回 カレイ釣りのアワセと仕掛けの使い分け

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――前回はカレイ釣りの誘いについて教えていただきましたが、どんなタイミングでアワせればいいのでしょうか?
わたしの考えですが、マコの場合、アワセは3番目くらいでいいんですよ。あいつら(カレイのこと)結構、付けエサと誘い方だけで勝手にハリを飲むから。でも、ググっときたときだけアワせるのではなく、何かおかしいな?というときもしっかりアワせる。アタリだけでアワせるのが半分、変だな?という違和感でアワせるのが半分、あと重みだけでアワせることもあります。

――スカアワセも結構あると思うのですが…。
これは水中カメラの映像などを見るとわかりますが、普通の魚は「ビシッ!」とアワせて、掛け損ねると周りに寄っていた魚が逃げてしまうけれど、マコの場合はあまり逃げないんですよ。そして、その人が妙な動きをしたり、急に竿を上げない限り、8割くらいはもう1回食ってくる。だから、マコの場合は、空振りしてもいいからもう一度落とせばまた釣れる。逃げないから。そんなところも面白い魚ですよ。

――違和感を感じたら、とりあえずアワせてみると。
かなり上手なトーナメンターでも「あれ?」「おかしいな?」とか言ってスカしながら何度もアワセを入れる人もいます。野球だったら空振り三振だよね(笑)。でも、カレイ釣りならそれでもいいんだと思います。それでも食ってくるんだから。あと、ハダガレイ(ホシガレイ)なんかはアタリがほとんど出ないですから。仕掛けが動いて、気付いたら食っていたってことも多い。

――となると感度のいいタックルは絶対必要ですね。
今は竿がすごくよくなって、なんとなくの違和感まで分かっちゃう。昔はサクラの「潮」なんかがすごくいいと思ったんだけど、今はもっと軽くて感度のいい竿が一杯出ていますよ。わたしなんかは今でも潮を使っていますけどね。3,000円から5,000円くらいの竿でも使いやすいやつがあって、うちのお客さんにはそんな物もオススメしてます。

――さて、ここからは現在の直結仕掛けが生まれるまでのことを教えてください。
最初の頃はオモリの上の先糸にエダスを出すのが主流で、30数年くらい前はうちの仕掛けもオモリの上にハリが付いていました。下バリとオモリの上の2本バリか3本バリでしたね。なんで上バリを取ったかといえば、1日やっても(上バリには)釣れないときも結構あるわけですよ。大型魚礁沖みたいに100枚釣れていれば来るかもしれませんが、マコの場合1日やってて1枚も掛かって来ないこともあった。上バリは仕掛けや道糸に引っ掛かることがあるし、これなら下だけ3本つけた方がいいなと。

――そうして現在の直結仕掛けになっていったわけですね。
始めのうちは志津川湾のかかり釣りで使う、ショートの2本バリ、ショートの3本バリの2つだけでした。そこにちょっと深場の流し釣りでも使えるようにロングバージョンを追加しました。その後、定期的に魚礁に通うようになると、マガレイがクルクル回ってハリスがダメにならないようにスイベルをつけた。このアイディアは常連の穂積さんの考えをそのまま採り入れたんですけどね。以前はただのタルサルだったのがローリングサルカンに変わりましたが、他はこの仕掛けはここ15~20年くらいは変わっていません。幹糸の海平(サンライン)も昔のままですよ。

――直結仕掛けを使ううえで注意することなどありますか?
保管したり釣り場に持って行くときに、撚ったところだけはまっすぐにしておくことですね。ヨリ糸にクセがつくと絡みやすくなりますから。水道管用の細長い発泡などを適当な長さに切って、そこに仕掛けを巻く人が多いですね。

あといえることが、ハリスの長さですかね。これがいちばん問題になります。長くした方が食いはいいんだけど、ハリスが長いと絡みやすくもなる。色々と試して分かったのが、いちばん上と2番目のハリは4~5cm。で、いちばん下を5~7cmにするのが理想ですね。それ以上長くしても短くしてもあんまりよくない。そこのとこだけは気を付けた方がいいですね。

――これから夏場にかけて、エサ盗りも多くなります。
8月頃からフグ、メゴチ、ハナダイとか邪魔者が出てきますね。そうすると意外と2本バリもいいんですよ。かかりはもちろんだけど、流し釣りでも2本バリ。最近はがまかつの大会など2本バリの勝負もあるので、普段から長めの2本バリを使う人も増えてきていますしね。

――夏場は夜のアナゴ釣りもありますね。
夜のアナゴ用の仕掛けは2本バリと同じ短い仕掛けなんだけど、パーツに夜光を使っています。そして撚っている糸が12号。これならなかなか絡まないし丈夫ですよ。切れることはまずないし、ずーっと使える。(古い仕掛けを手にしながら)こいつなんか35年は使っています。

よくアナゴ仕掛けがダメになるというけど、エンピツみたいな小さいのばかり釣っているとそうなりやすい。昔ながらの両テンなんかを使っていると、アタリ分からないでグルグルになることもよくあります。こいつ(直結)だとアタリが分かりやすいからそういうことも少なくなります。

――三浦さんは以前からアナゴ釣りをおすすめされています。
いちばん難しいのがアナゴなんです。アナゴがバンバン釣れるようなら、それは相当うまい人。カレイなんか簡単ですよ。エサは東京湾なんかと一緒でやっぱりイソメです。去年はアナゴがすごく多かったですね、そして型がよかった。もう見事なアナゴばっかり。食ってうまいから釣りたいって人も増えましたね。

――アナゴのおすすめの食べ方は何ですか?
アナゴで好評だったのが塩引きして置いておいたやつです(一夜干しのようなもの)。たまたまあったのをお客さんにあげたら、気に入って次の週にアナゴを釣りにきていたということもありました。さばくのも慣れれてしまえば簡単だし、捨てるところは1割くらいで、ほとんど食べられるのもいいですね。

――夜釣りでは集魚ライトなどを使いますが、効果は?
私はあまり関係ないと思いますけどね。ライトをつけていなくても釣れますよ。むしろ光が効くと思うのはアナゴよりアイナメですよ。最近は小型発光剤やフラッシュライトとかを使っている人がアイナメを結構釣りますね。釣り方もあるんだろうけど、周りの倍くらい釣ることもあるので、ライトの集魚効果もあるんだと思いますね。

――最近は皆さんいろいろとカレイ釣りを研究されていますが。
ここ10年くらい、とにかく全体にレベルが上がってるのを感じますね。本当にみなさん上手くなった。道具も違いますから。竿にしたって糸にしたってリールにしたって、私たちがカレイ釣りを始めた頃にはこんなによくなるとは考えられませんでしたよ。

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[三浦屋オリジナル直結仕掛け]
三浦明さんが考案した「直結仕掛け」は、テンビンを使わないため感度がよく、微細なカレイのアタリも取りやすいのが特長。ヨリ糸と先糸の設定も抜群で、仕掛けトラブルも少ない。元祖は三陸のかかり釣り用に開発した「ショート2本バリ」、「ショート3本バリ」からはじまり、のちに3本バリに「流し釣り用ロングバージョン」が追加になった。また、近年はヨリ糸に回転スイベルを挟んで、マガレイのダブル、トリプル時の幹糸の絡みを防いだ「特製大型魚礁用」も登場。他、幹糸を太く設定し、夜光パーツを装着した「アナゴ用掛かり釣り用」もアリ。
直結仕掛けは三浦屋の船宿で購入可能なほか、通販もOK。一部釣具店で取り扱っているところもある。
※「つり具販売」コーナーに直結仕掛けあり。

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PROFILE:三浦 明

南三陸町志津川湾・戸倉漁港の三浦屋船長。独自のカレイ釣り理論を持ち、長年にわたり東北カレイ界をけん引してきた。三陸の船長業のかたわら、仙台湾のマガレイ釣りにも積極的に通い込み、マコガレイ、マガレイの両面からカレイ釣りを探究してきた。考案した「直結仕掛け」は東北のカレイファンなら知らない人がいないほど有名。

 

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