釣行記

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三浦明の船宿でしか聞けない話☆第6回 志津川湾のカレイ釣りについて

三浦 明 2022年2月10日 更新

三浦明の船宿でしか聞けない話
シリーズ第6回 志津川湾のカレイ釣りについて

~直結仕掛けを生んだ南三陸の名物船長に、船上や帰港後の座談会で常連さんたちに教えている内容を語っていただきました!~

※この記事は釣り河北プレミアムメールマガジンの連載企画で2013年9月に配信されたものです。

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志津川湾はカレイの宝庫。これから秋シーズンは棚まわりのかかり釣りが盛期を迎える

第6回 志津川湾のカレイ釣りについて

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―明さんといえばカレイ釣り中の辛辣なアドバイスでも有名ですが…。
それは昔のことで、最近はお客さんの釣り方をどうこう言うようなことはほとんど無くなりましたよ。それでも、見ていて「これだけはやめた方がいい」と思うのは、仕掛けと道糸の間にタコベイトとかの飾りを沢山付けているケース。ああいうのは抵抗がかかるから落ちるのも遅いし、隣とのマツリなども多くなるので、混み具合にもよりますが、おまつりになるようならやめたほうがいいですね。

―あまり強くはアドバイスしなくなった。
最近…特に震災後は、私が歳を取って落ち着いたこともあって、カレイにしたって釣り方を見て、こういうのが悪いなどとはほとんど言わなくなりました。人それぞれ色んな釣り方があるんだから、それでいいんだなと思うようになった。実際、短い仕掛けでずっと誘っている人より、長い仕掛けで置き竿にして釣っている人の方が沢山釣ってしまう日もありますし。

ただ、半日やってもあまりにさっぱり釣れていないと、見るに見かねてということはありますが‥。仕掛けが全く合っていない人に、試しにうちの仕掛けを渡してあげると、途端に2枚も3枚も釣れてきたってこともありましたよ。

―三浦さんのアドバイスを期待して来る人もいると思いますが?
中には、うちで上手くなりたいと通ってくれる人もいますから、そんな人には何でもみんな教えています。「どこが悪いか見てください」と言って来た人に、ちょっとしたところを直してあげると倍くらい釣れたってこともありますよ。お客さんからよくない所に気付いたら言って欲しいと言ってもらえれば、もちろんカレイ釣りに限らず、他の釣種でも、そういう方には何でもお教えしていますよ。

―自分ではなかなか分かり難い問題点というのが誰にでもあるものなんですね。ちなみに、アドバイスする際に三浦さんが見るのは、どんなところですか?
カレイを一杯釣る人は手返しがいい。これが数釣りの一番のコツです。あとはアワセのタイミング。小さいアタリを取ってしっかりアワせられているか?アワせているけどスカシが多いときに、どうやってハリ掛かりする確率を上げられるか。あと、見ていてエサを長くしないで、5cm以内にまとめている人は釣りますね。それにシンプルな仕掛け。だいたい、使っている仕掛けとエサ付け、誘い、アワセを30分見ればこの人はやるなって分かる。

―釣れるエサ付けのコツは?
エサは大きくすれば大きいのが来るけど、ダランと垂らすのはよくないですね。「ハリを食わせなければ釣れないんだよ」とはよく言うのですが、エサを食わせてるだけではダメなんです。ハリを食わせるためにエサを付けているんですから、口の小さいカレイが吸い込みやすいようにエサ付けしないと。最近は水中映像が色々出ていますが、3本か4本のイソメをエサ付けして、ダランとなっているのを落としてやると、魚は1本だけ咥えて他を吸い込もうとしてるんですよ。だからそんなにバカみたいに付けるのではなく、いいとこ2本、5cm以内に小さくまとめて付けるといいですね。

―置き竿に釣れたりするのはナゼなんでしょうか?
かかりで寄せて釣る人は結構誘うわけです。でもね、例えば大型漁礁など潮があるところで誘っても、せっかく集めた魚が隣の人の方に食ってしまう(船が動いているため)。そのときの状況に合わせて魚を寄せないと、せっかく寄せても他人にばかり釣らせることになるから、潮や船の動きに合わせて考えないとだめですね。かかり釣りでも同じようなことがいえて、いっぱい誘う人の横に置き竿を置いてみると、結構そっちに食うことが多いですから。

―状況への対応ということで、ウネリなどで荒れ模様のときに釣るコツはありますか?
ウネリのときはどれだけ底を引きずるように誘うかですね。自分では底を取ってるつもりでも20cmも30cmも浮いちゃっていることがよくあります。ウネリがあって食いが渋る状況では、海底に沈んだゴミがみんな動き出します。草木とかがみんな一斉に動くものだから、そこでオモリを動かしても魚はなかなか反応しません。そうなってくると目の前に落ちたエサしかほとんど食わないから、船頭泣かせだし、釣り人もしっかり底を取る以外にこれといった対策はなかなかできませんね。

湾奥の浅場でじっくり楽しめる秋の季節は、カレイとじっくり対話できて、カレイ釣りの腕を磨くのにも最高のシーズン

好季続く夏ダラ釣り

※この記事は2013年9月に配信したものです。

―出船機会は少ないですが、夏ダラ釣りが好調ですね。
夏ダラ狙いでは6月から出ていますが、9月頃になると本格的に多くなりますね。200本以上釣って、釣れすぎて早上がりすることもあります。釣っているポイントで水深は180~190mあたり。ここ最近も多い人で20本、30本とよく釣れています。

―カレイ釣りに混じっていたような浅場のタラはいなくなりましたか?
さすがに、水温が上がってくるのに合わせてだんだん深場に移動しましたね。本来のエサ場に集まってきて、狙いやすくなっています。

―過去に例のない釣れっぷりです。
30年近くタラ釣りをやってきましたが、去年から今年のようにこんなに釣れることはありませんでした。去年は(出荷規制があって)岩手県の方で釣りましたが、型もよかったし、多いときだと10人くらいで300本に2、3本足りないってのがありました。それも朝入って10時頃に止めてきてその釣果だから以前だったら考えられないことですね。他船で1月頃にジギングをやっていましたけど、あれは船中10本、20本釣れればいいものが、一船150本とか200本とか、普通に考えたらありえないことです。

―タラが増えた理由として考えられるのは?
漁を休んだというのは大きいでしょうね。1~2月頃までは刺し網で産卵のために集まったタラを獲るんだけど、セシウム規制で休んだから、産卵してタラはどんどん多くなっていますよ。産卵期に1年休んだというのが、いちばん大きいんじゃないですか。

―いまの季節のタラ釣りについて。
ポイントの水深はだいたい200mくらい。深い所にいるタラは本当に型がいいですよ。80cmくらいのが多くて、たまに90cmや1m級も上がります。これが8本くらい入ると80Lのクーラーが一杯になってしまいますからね、お客さんも80Lクーラーを3個くらい持ってきていますよ。

※三浦屋では希望があれば深場のタラ釣りで出船しますが、海況により中止が多い釣種のため、週末は五目など他の釣り物が優先になります。

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深場のタラ釣りや五目釣りの乗合船などで出船している、三浦屋・明丸

※「つり具販売」コーナーに直結仕掛けあり。

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PROFILE:三浦 明

南三陸町志津川湾・戸倉漁港の三浦屋船長。独自のカレイ釣り理論を持ち、長年にわたり東北カレイ界をけん引してきた。三陸の船長業のかたわら、仙台湾のマガレイ釣りにも積極的に通い込み、マコガレイ、マガレイの両面からカレイ釣りを探究してきた。考案した「直結仕掛け」は東北のカレイファンなら知らない人がいないほど有名。

 

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