釣行記

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三浦明の船宿でしか聞けない話☆第7回 カレイ掛かり釣りシーズン開幕!

三浦 明 2022年2月10日 更新

三浦明の船宿でしか聞けない話
シリーズ第7回 カレイ掛かり釣りシーズン開幕!

~直結仕掛けを生んだ南三陸の名物船長に、船上や帰港後の座談会で常連さんたちに教えている内容を語っていただきました!~

※この記事は釣り河北プレミアムメールマガジンの連載企画で2013年10月に配信されたものです。

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第7回 カレイ掛かり釣りシーズン開幕!

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―そろそろカレイの掛かり釣りが面白いシーズンです。
これからはやっぱり湾内のマコガレイですね。今年は高水温でカキ剥きの開始が延期されていたんですが、10月15日からようやくカキ剥きが解禁されたので、カレイもいよいよシーズンという感じです。台風が来ていたころは荒れた後にアナゴが釣れたりして、まだ夏の海の雰囲気でしたけど、西風、北西風が吹くようになると海も比較的安定してきますね。いつまでも暑いようだと秋のカレイ釣りはあまりよくない。朝が10℃くらいになってちょっと寒くなるくらいが釣れ始める目安になります。今年はよく釣れるようになるのは11月頃じゃないですかね。

―今年は台風が来るのが遅かったですね?
シーズンも遅すぎるし、多すぎましたね。本来、台風が日本海を通るのは8月のコースなんですよ。10月の台風は房総半島沖か房総半島をかすめて行くのに、10月に日本海を通ったというのはここ何年も無かったんじゃないですかね。

―去年に続き、海水温が高い。
10月上旬で20℃ちょっとの水温がありましたからね。去年ほどは酷くないけど、若干高めですね。あと南の方の水温がかなり高いから10月に大きな台風が発生する。カレイは大体、水温が18℃くらいになるといいんですが、例年だと10月の半ば過ぎがそのくらいでシーズンに入るはずなので、今年は平年より2℃くらい高くなっています。水温が下がってくればカレイもそうだし、アイナメもよく釣れるようになります。

―今年はずっとヒラメが釣れ続いていました。
ヒラメはちょっと釣れ過ぎなくらいで、カレイ並みでしたからね。うちでもトップ34枚なんて人が2人くらいいて、昔は一人10枚も釣ったら大変だったのに、考えられないことです。ヒラメはバラしたりするから面白味があるんだけど、落とせば必ずアタリがあって、失敗してもすぐまた釣れるので飽きてしまう人も多かったですね。それもあってカレイの方の問い合わせが多くなってきました。シーズン的には、ヒラメ船はイワシの定置網がサケの定置網に変わると、エサの活きイワシが手に入らなくなるので終了ですね。

―今秋のカレイの状況はどんな感じですか?
10月中旬現在ではまだ水温高いからいまいちだけど、この間、凪のいい時はイシガレイ混じりで48枚くらい釣ったときもあるし、うねったときはまだアナゴが釣れたりもしてます。

―カキ剥きと掛かり釣りの関係。
震災前のいつもの年だと、カキ剥きの解禁は9月の29日と決まっていて、たまには1週間とか2週間くらい延びることはあったんだけど、10月15日くらいまで延びるというのは震災前はなかった。去年と今年だけですね。でも、異常に高水温だったのでちょうどよかったんじゃないですかね。待った甲斐あってカキの身入りも大分いいようです(ただ取材後、台風の波の影響で棚からカキが落ちる被害が出ている)。

―それで牡蠣棚周りのポイントが多くなる?
そうですね、カキを水揚げするとゴミが色々と落ちるから、撒き餌みたいな感じで魚も寄ってくるんですね。もうそろそろ卵を持ってきた、身の厚いやつが、水深10~20mあたりの結構浅いところで釣れるようになりますよ。

―浅場の釣りが主流になる。
去年も45号線の観洋さんの戸倉側、水深12~13mあたりの浅場がかなりよく釣れましたね。30オーバーくらいのばっかし。おそらく今年も期待できると思うんですけどね。オモリは20号くらいで大丈夫です。ずっと30号を使っている人もいますが、どちらでも問題ありません。

―秋のカレイ釣りの魅力は?
秋のマコガレイの醍醐味ですか?アタリが小さいところをアワせて、グッグッグッグッというあの引きが何ともいえない。魚は大きくてもアタリは小さいですからね。やっぱり15mとか20mの浅い所だと引きもダイレクト。いちばん身の厚い時季だから40cm前後のマコで1kgくらいはありますよ。

―エサ盗りが多い季節。
でも、今からの季節は若干、フグなんかがうるさいですから。ハリなんか2本バリくらいでいいですね。フグの場合はハリスを切られるのが一番困るから、替えバリを多めに持っておくといいでしょう。

―かかり釣りでは竿を2本出す人も多いと思いますが?
2本竿でやるなら理想はやっぱり同じ竿ですね。右と左どっちで持っても感覚が同じだと、やっぱりやりやすいです。私としては仕掛けの長さだけ2本バリと3本バリにして2つ操るのがおすすめ。オモリは当然同じオモリでね。こうすると、夏場から秋にかけては2本バリの方が結構食うこともあります。

―2本バリと3本バリの使い分け。
邪魔者が多い季節は2本バリをすすめて、冬場のエサ盗りがいないときは3本バリをすすめることが多いですね。そこは誘い方のコツもあると思いますが、自分の釣り方とその日の状況に合った釣り方を見付けることですね。

―秋の季節のエサ付け。
エサはマコガレイ狙いですと、太めを使うより、中サイズくらいまで。細めのイソメを2本くらい掛けてあげると食い込みがいいですよ。(細めだと)ちょっとエサ付けは大変になりますけどね。オモリはどういうのかこだわることはありません。鉛のでもキラキラ光るのでも食わないということはないし、あの動きで食ってくるんだからね。

―これからのシーズンについて。
湾内はウネリもあんまり入らないし、安定して出られます。どうしても11~12月だと北西から西風が強まるというのがあるけど、ポイントが湾の奥だから少々西風が吹いても大丈夫。ポイントになるカキ棚はだいたいが青島より西側の内湾でやっていますからね。震災後7割くらいは棚も回復して、かかり釣りは例年通りにいいでしょうね。

―年末、年明け頃まで楽しめる。
ただ、1月2月になって子持ちになると、マコガレイは食わなくなってしまいます。12月、1月の卵が入っているな?といううっすら黄色いのは釣れるんだけど、卵がパンパンのやつはまず食いませんね。定置網なんかには入るんですが、釣りだと間違っても釣れないという印象です。なんで食わないんだか?は分かりません。ナメタガレイだと子持ちでも釣れるんですけどね。

―このシーズンに出船したいとなると予約できますか?
今年の秋冬は船が不足しています。震災後、高齢などを理由にやめてしまった人も多い上に、今は本業の漁業の復興で手一杯ですから。うちは私の乗合船と息子の仕立船の2艘が中心ですので、いよいよ釣れる!となるとすぐ一杯になりますね。すでに現時点でも、土日あたりは11月頃までかなり埋まってしまっています。間違いなく状況が良くなるのは再来年あたりから。というのも「がんばれ漁業」が終わって、釣りの方に出て来る船頭さんも何人かはいると思いますから、船を出してくれる船頭さんも多くなるはずです。

―養殖業の復興が最優先ですからね。釣り船の復興が待ち遠しいです。

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深場のタラ釣りや五目釣りの乗合船などで出船している、三浦屋・明丸

※「つり具販売」コーナーに直結仕掛けあり。

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PROFILE:三浦 明

南三陸町志津川湾・戸倉漁港の三浦屋船長。独自のカレイ釣り理論を持ち、長年にわたり東北カレイ界をけん引してきた。三陸の船長業のかたわら、仙台湾のマガレイ釣りにも積極的に通い込み、マコガレイ、マガレイの両面からカレイ釣りを探究してきた。考案した「直結仕掛け」は東北のカレイファンなら知らない人がいないほど有名。

 

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