釣行記

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三浦明の船宿でしか聞けない話☆第8回 これからが旬!三陸沖のキクパンマダラ

三浦 明 2022年2月10日 更新

三浦明の船宿でしか聞けない話
シリーズ第8回 これからが旬!三陸沖のキクパンマダラ

~直結仕掛けを生んだ南三陸の名物船長に、船上や帰港後の座談会で常連さんたちに教えている内容を語っていただきました!~

※この記事は釣り河北プレミアムメールマガジンの連載企画で2013年11月に配信されたものです。

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今回のターゲット=マダラ。好調の今季ならクーラー一杯に釣れることも!

第8回 これからが旬!三陸沖のキクパンマダラ

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―今シーズンもそろそろマダラが釣れ始めています。
マダラはどこもよく釣れていますね。シーズン入り始めだった10月9日は、沖合は南風が吹いていて1時間ばかりでやめてきたんですが、1時間で130本!考えられない魚影です。いちばんビックリしたのは12本バリを使っていた人がいたんだけど、1回に12本全部タラが食ってきたことですね。型も60~80cmくらいのまずまずのやつ。普通、5、6本も掛かると大変なんだけど、今のタックルは力あるから12本もしっかり上げてきますね。

去年のシーズンも12月、1月は一人30本とか上げていました。キクを持ったやつがそんなに釣れるんだから、これも以前では考えられないことですね。10月の時点ですでにキクはかなり持っていますので期待できますよ。

―しかしハリ数12本だとちょっと多すぎるのでは?
多いですね。初心者で4本か5本くらい。上級者でも8本あたりにした方がいいと思いますよ。やっぱり一杯釣れるとごちゃごちゃになってその仕掛けはパーになりますから。1時間で4回くらい投入できるとして、ハリ数の多い仕掛けを駄目にして1回休みになるよりは、5本バリや6本バリでも確実に釣った方がいいですよ。

―タラ釣りの仕掛けのローテーション。
いちばん効率がいいのは、右と左に仕掛けを2つ用意しておいてローテーションする方法ですね。それで1本分上げたら、もう片方の仕掛けを落として、落としているうちにもう片方の仕掛けをセットして用意しておくんです。1回休むと3本も5本も損をしてしまうので、トラブルを起こさないように手返しをよくして、いかに休まず毎回落とすかですね。

これから冬場になると寒流に変わるから潮が緩くなるけど、暖流が強いうちは潮が速いんです。潮の流れが速いと水深200mのところで300mくらいも糸を出さないといけないところがありますから。そうなってくると底が取れてるかどうかがわかりにくくて、オマツリも多くなるから、釣りづらいですね。それも12月頃になると潮が遅くなってだいぶ釣りやすくなりますよ。

―タラ釣りのタナの攻め方を教えてください。
タラの場合、そのときどきで上に食う場合と下に食う時が異なります。比較的上に食うときではそんな落とさないでオモリが上がったり下がったりトントンくらいでいいんです。よく仕掛けを這わせる人がいるんだけど、それは下の方に食ってくるなというときであれば、ある程度ハワせるのも効果があるんだけど、必ずそうとは限らない。上下どっちに来るか見極めて狙うことが大事ですね。

―状況にもよるけど、ハワせすぎはよくない?
メヌケ釣りなんかではある程度ハワせてやるといいことがあるんですが、タラの場合は普通はあんまりハワせなくてもいいような気がします。あと、こちらの方では沈船のポイントとか、根掛かりをするところがあるので注意した方がいいです。あとは船頭さんの指示に合わせて、引っかかりがあるという所ではあまり下げないように対応する。

―道糸の号数について。
これは船宿によって違うと思いますが、南三陸で年中やっていると道糸は12号、最低でも10号くらいは巻いてほしいですね。たまに8号くらいを巻いてくる人がいるけど、根掛かりしたときに道糸が切れて、これが仕掛けに絡んで困ることがあるんですよ。

細めの道糸を使うのは、1~3月の緩い潮の期間だけやる地域で釣りをしている人に多いですね。寒流の潮というのは流れが緩いから、100号とか120号のオモリで狙えるので糸も細いのを使える。あと、ジギングの人も5号とか6号とか細い糸で狙っていますが、もし根掛かりして高切れしちゃうと、またその糸が引っ掛かるようになって困ります。

―道糸とハリス、捨て糸の関係。
根掛かりしたときの切れやすさも、道糸8号あたりだと力も入らないしなかなか切れないんだけど、12号くらいだと、慣れれば素手でハリスから切ることができます。ハリスの太さは8号~太くても10号。捨て糸(オモリを結ぶ糸)は8号くらいにしておくといいですね。ハリスが12号だったり、幹が14号、16号だったりするとやっぱりなかなか切れないですからね。幹糸を太くしないと仕掛けが途中で切れてしまうといったケースなどは、結い方などにもよると思うんですよ。タラ釣りでは仕掛けを自作する人が結構多いんですけど、市販のやつだとずいぶん太いのが多いと思います。

―オモリの号数。
オモリはうちでは300号統一だけど、水深200m前後のあたりでは250~300号くらいを使います。釣り場によって異なりますが、うちは年中300号でやっていますよ。

―道具が高くてなかなか始められません。
レンタルタックルでも十分にできますよ。ただ、昔は道具の性能が今ほどよくなかったので、トラブルが多かったですね。船べり停止なんていうのも無かったので、巻き上げ過ぎてせっかくの魚をバラしてしまうことも度々ありましたね。

―タラ仕掛けに飾りは必要?
よく飾りのある仕掛けがありますけど、エサを付けて狙うんだから、タコベイトなんかは要らないと思います。うちの常連さんはほとんど使ってないです。メヌケなんかも要らないですね。

―エサは何がいいですか?
サンマを使っている人が多いですね。ほとんどの人がサンマですが、食いがいいんだけど、軟らかくて取れちゃうのが難点ですね。だから今みたいに食いがいいときはイカも持っておくといいかもしれませんね。やっぱりエサ保ちがいいですから。エサが取れちゃうとさすがに食わないから、これだけタラがいるならオールイカでも大丈夫ですね。でも、一番食いがいいのはやっぱりサバですね。今はサバが高いのでエサにするのは勿体ないですけど。

―エサの大きさはどれくらい?
そうですね、長さは大体12~13cmくらいにして、少し大きめで。幅は2~3cmくらいで端っこをちょん掛けにするといいですね。縫い刺しはやったら駄目です。仕掛けがグルグル回ってしまいますから。スーっと落ちるかどうか、仕掛けが絡むか絡まないかで釣果も全然違ってきます。

―タラ釣りのシーズンはどれくらいまで?
これから春まではずっと釣れますよ。1月になってくると産卵のために浅場に寄ってくるので、2~4月頃は湾口、湾内まで入ってきます。おそらく今シーズンも去年同様に釣れると思います。昨シーズンの初期は宮城に規制がかかっていて岩手の方でやっていた時季もありましたが、型もよかったし、多いときだと10人くらいで300本に2、3本足りないってほどの釣果もありました。それも朝入って10時頃に止めてきてその釣果だから考えられませんよ。

昨シーズンの場合だと、年明け、正月頃まではかなり上がりました。そのあと産卵で散らばってしまうため1か所だけで上がらなくなるのですが、それでも結構釣れましたね。普通、3月頃になるとあまりよくなくて、上がることがあってもせいぜい20、30本がいいところなんだけど、昨シーズンは(今年の)2月末の27日、28日でも70本、80本と釣っていましたよ。カレイ釣りをするような水深40m、50mなんかでもかなりタラが上がっていましたし、ここ2、3年はいい状態が続くんじゃないかな。

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深場のタラ釣りや五目釣りの乗合船などで出船している、三浦屋・明丸

※「つり具販売」コーナーに直結仕掛けあり。

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PROFILE:三浦 明

南三陸町志津川湾・戸倉漁港の三浦屋船長。独自のカレイ釣り理論を持ち、長年にわたり東北カレイ界をけん引してきた。三陸の船長業のかたわら、仙台湾のマガレイ釣りにも積極的に通い込み、マコガレイ、マガレイの両面からカレイ釣りを探究してきた。考案した「直結仕掛け」は東北のカレイファンなら知らない人がいないほど有名。

 

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