風合瀬沖 スローピッチでアカムツ(ノドグロ)期待大!
スロージギング系の釣りの進化により人気上昇中なのが、スローピッチジャークのアカムツ釣り。高級魚として知られるアカムツ(ノドグロ)の人気は高く、静岡の伊豆半島周辺などで進歩が著しい。
生息域が限定されるアカムツだが、東北でも日本海側では酒田から秋田、男鹿、能代、風合瀬と実績が増えてきている。ここでは秋田、青森県境に近い青森県の風合瀬沖からアカムツのジギングをリポート!
まだまだ未開のアカムツパラダイス!
東北にもスローピッチの釣りがすっかり広まり、浅場の根魚、青物だけでなく中深場での威力も注目されるようになってきた。秋田周辺のアカムツジギングの開拓にすっかりハマってしまったという戸井田邦洋さんは、「風合瀬沖のアカムツを狙い始めて数年になります。エサ釣りでは以前からいくらか釣れていたのですが、ルアーで出ている船は無かったため、まず船長さんに説明して一緒に釣り方を開拓していきました。3年前は情報がほとんど無く、1回出て船中1尾釣れるかどうか。6連続でボウズってこともありましたよ」
それが現在では一人2ケタの釣果も上げられるように。このように釣れるようになったのは、近年のスローピッチブームのおかげで道具が劇的に進化したことと、関東以西で流行が拡大してアカムツ用のテクニックが確立され、DVDなどからの情報が手に入るようになったのが大きかったそうだ。
風合瀬沖のアカムツのポイントは水深120~150mくらいの泥場。ジグは170~230gくらいを使用。深いポイントでもしっかり動き、喰わせの姿勢を作れるものが必要になる。
左下)10月発売予定「アーク」のプロトタイプ。水平安定性に優れたセミロングタイプで誰にでも扱いやすいのが特長。取材時の食いも抜群だった。
(商品はいずれもシーフロアコントロール)
アカムツはオキメバルなどと同様、上アゴより下アゴが前に出た受け口型の形態をしており、上を通るエサを待ち構えるタイプの魚。ボトム付近に群れながら、ある程度は回遊性もあり、エサを見付けると群れから浮上して掬うように捕食しているものと考えられている。
アクションはスロー系の中でもおとなしめ。動かして魚にアピールさせた後、間を作って止めて食わせる。ヒットレンジは底から2~3mくらい。ただし、アカムツは非常に臆病な魚のため、泥場で底を叩いて泥けむり、砂けむりを上げてしまうとたちまちヒット率が悪くなる。
また、アカムツは口が非常に弱いのも特徴。水圧変化に強く、最後まで暴れるため引きが激しく、ヒットした後のバラシがとても多い魚でもある。
アクション時はフロント側からジグを落として、できる限りフロント側のアシストフックを口に掛けるのがセオリー。フロントフックが口に掛かれば、魚が暴れた時にリアフックがボディに刺さってバラシ率がぐっと下がる。逆にリアだけのフッキングだとバラす確率が高くなってしまう。
ジグの選択時に気を付けたいのがグローの使い分け。照度がある時にグローを使うと、カジカやムシガレイ、イカ、タラなどの外道の確率が高まる。6㎏超のアラなど嬉しい外道も多いのだが、高活性時にグローの強いルアーを使用していると臆病なアカムツが警戒してしまう場合もある。曇天など光が弱いときはグロー強め、朝などで活性が高いときはゼブラグローにするなど、調整するといいだろう。
ここまで細かいテクニックを紹介してきたが、スローピッチのアカムツは比較的ラクな釣りで、初心者や女性でも挑戦しやすい。実際、釣り方の基本を押さえれば、初めてでも10尾以上を釣り上げている。
風合瀬沖は数、型ともに全国的にもトップクラスの魚影といっても過言ではない。対応可能な遊漁船はまだちょっと少ないのだが、一度は狙ってみていただきたいフィールドだ。
昭和57年6月産まれ。父に連れられ3歳から船に乗り、物心がついた時には釣りの魅力にすっかりハマっていた。シーバス、ブラックバス、エギング、ヘラブナと楽しみ、今ではスロージギングにハマって浅場から中深海まで行っている。近年はアカムツジギング中心。これがまた奥が深く変態な釣りだから夢中になれる。
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※取材・解説/戸井田 邦洋
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