釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

スローピッチジャークで楽釣!初夏ワラサ

編集部 2020年10月30日 更新

宮城県沖、仙台湾のジギングでワラサが釣れ始めた。ブリ級と呼べるサイズも上がっておりかなり熱いシーズンになっている。今回はスローピッチジャークの第一人者である西本康生氏が来塩。近年人気急上昇中のスローピッチジャークの青物ジギングを解説していただいた。

 

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ハードなジャークが必要なく、これからジギングを始めたい人にもおすすめ!

東北でも急速に定着してきた感のある「スローピッチジャーク」。よく分からないという方のために簡単に説明すると、ベイトリールの専用タックルを使ったジギングで、ロッドの反発力を活かしてアクションさせるため、従来のスピニングリールのジギングに比べて負担の少ない動きでジギングを楽しむことができる。青物、根魚とあらゆる魚種に有効なのも特長で、本場の西日本ではほとんどのアングラーがスローピッチで狙う釣り物も多くなっている。

スローピッチジャークジギングの基本はこちらも参考にしてください。

仙台湾でこのスローピッチジャークのジギングに力を入れている船が塩釜港の東北丸だ。青物シーズン以外にも根周りや中深場のスローピッチ船で出船している。

2015年シーズンの春ワラサは冬から春にかけて釣れ続いていたマダラと入れ替わるように、5月下旬からシーズンイン。シーズン初期は爆釣状態になることもあった。現在はフィーバーも落ち着き、ワラサの群れを探しながらじっくり狙って釣る状況だが、それでも5kg以上の良型も十分期待できる。

釣り船東北丸は4時45分、まがき港を出船。亘理沖を目指した
走ること1時間弱。ポイントはベイトのメロウドがいる好漁場。近くにはカレイ船をはじめ、ヒラメ船、五目船が集結していた
6時15分スタートフィッシング!

スローピッチのジギングは必要な道具さえ揃えてしまえば比較的入門しやすく、様々なシチュエーション、ターゲットに対応できるのが大きな魅力となっている。

これからスローピッチの青物ジギングを始めるにあたり、用意すべきアイテムを西本さんに教えていただいた。
■ロッド
スローピッチジャーク専用のベイトロッド。スロー専用タックルはロッドの負荷によりoz(オンス)表示でクラスが分かれている。仙台湾の青物なら4oz、ヒラメ類なら3ozあたりがおすすめ。
■リール
ソルト用の両軸リール。青物を狙うならスピードが欲しいのでハイギア仕様を用意(例:シマノ・オシアジガー1500番HGなど)
※ある程度釣りに慣れて予算に都合がつくなら、ローギアも揃えて状況、釣り方に合わせ使い分けるのがベスト!
■ライン
PEは2号、リーダーは30Lbを1.5ヒロほどが基本(寺島翔平船長は状況によりPE1.5~2.5号にリーダー30Lbを2~5ヒロ)
■メタルジグ
仙台湾の青物の場合=120~250g(状況により300g)

近年は高性能な極細PEも増えているが、ワラサ狙いの場合、ラインが細いとスレてラインブレイクが多発する。かといってラインを太くしすぎると潮に流されやすいといった欠点があるので、2号くらいがベターとなる。

ジグのカラーは色々使い分けるのも楽しいのだが、ビギナーが最初に揃えるならシルバーとピンクの2色がおすすめ。仙台湾のワラサの場合はこの2色があれば最低限釣りになる。

水温が高く食い渋る状況下、同船した堤さんがワラサをヒット
続けて西本さんにも竿を絞り込むようなアタリ。船上のあちらこちらで本命がポツポツ上がり始めた
最初は「スロースキップFB」180gのアンバーからスタートした西本さんだったが、その後、潮流れの中でジグのアクションを活かせるように徐々に重めにスイッチ。最終的には「スパイナロー」のNSゼブラ、250~300gで落ち着いた(いずれもディープライナー)
この日の西本さんのタックルはディープライナー社より新発売となった「ロジカル60」の#3と「ロジカル70」の#4。「60#3」はジグ180~250g、「70#4」は300gの時に使用
ディープライナー社初のジギングロッドが登場!「ロジカル55、60、70」とウエイトが重めのジグに向く「マニアフェローズ」の全28種。それぞれ見分けやすいカラーリングも特長
「ロジカル55、60、70」それぞれ#2、#3、#4あたりが東北でも広範囲に使えておすすめ
多彩な魚種を狙えるのもスローの魅力。タックルが軽い分、バイトは明確!

仙台湾の青物ジギングはどてら流し(横流し)で狙う。

横流しのイメージについてはこちらの記事を参考にしてください。

この場合、右舷と左舷(潮先、潮後)では攻め方が違うので、その時の釣り座の状況に合わせてアクションをかける必要がある。

最初は西本さん達が並んだ左舷は潮の流れでジグが船底下に入る「潮先側」だった。この左舷は釣り辛いが新しいポイントを探れるので、右舷よりは有利になる。

潮先側の場合、ジグの動きを一定に保つ感じをイメージし、下に入り込むラインと直角に近くなるように竿先を下に向けながら操作する。潮の流れに引っ張られるような感じになるので、アクションはやや控えめに。またジグを投入する際は、ラインが船底に流れるのを考慮して遠目に投げるのがセオリー。

一方、反対側の潮後側の場合は自身の正面にジグが流れていくので、投入は手前からでOK。ロッドの竿先を立て気味にして、やや大きめにアクションをつけるのが基本となる。

また、潮先の側は潮流が効いていることで釣りやすいが、アクションが潮の流れに吸収されやすいことも頭に入れておきたい。魚が低活性な時など、ジグをしっかり動かしたい時に鋭いアクションを付けないとジグに動きが伝わりにくい傾向がある。最初は軽めのジグから始めて、状況に合わせてウエイトを重くしてジグを飛ばす(スライドさせる)ようなテクニックも釣果を伸ばすために必要になる。

釣り方はその日の釣り座と潮流などの状況にもよるが、潮先側だった西本さんはボトムから3m位のレンジでアクションをつけながら巻き上げ。ラインが船底に当たるほど流れて釣りづらくなったら、一度回収して再度沖側にキャストすることを繰り返した。

潮先側は潮流にラインが引きこまれるので、合わせるようにロッドを下向きにしてアクションさせる
潮先側は投入時は沖目にキャストする。逆に潮後側は手前に落とすだけでいい

ワラサがヒットした後、巻き上げ時はポンピングさせないように竿先を下に向ける。前に倒した体を引き起こす動作を利用しながらゆっくり巻き上げる。

スローピッチジャーク専用のブランクスはジグにアクションをつける操作性が第一になっている。青物の引きを完全に吸収できる調子には設計されていないので、ポンピングをするとラインを緩めた瞬間のバラシが多くなってしまう。

11時頃よりワラサのスイッチが入った!スローピッチ用のタックルは、竿を下に向けながらゆっくりやり取りする
捕食スイッチが入り、次々と良型のワラサ、ヒラメが上がる
猛ラッシュの中、西本さんのロッドに今までにないアタリが!無理せず走らせながら慎重にタモまで寄せたのは‥「どうりで引きが強かったんだね」
ベイトは12cmくらいのメロウド。腹はこいつで一杯
西本さんはPEラインとリーダーの結束に「スイスボビンノッター(マルクペディシャン」を使用。「これを使うと従来品よりも簡単にPRノットを組めるんですよ」
こちらはこの日一番のビッグファイトの様子。とにかく疾る疾る!船上一同見守るプレッシャーの中、堤さんは「絶対に姿みたいですよね」と慎重にやりとり。そしてタモ入れまでもう少しといったところでフッと軽くなり…残ったのは、サメの歯型がついたワラサだった
堤さんはピンクの油性ペンを取り出しシルバーのボディに塗り塗り。こういうカスタムも楽しさを倍増させる
過去にブリを釣り上げた実績カラーを再現。これが大ヒットし、船上は「マッキーピンク」で盛り上がった
シールを貼ってカスタマイズするのも面白い

この日は食いの渋い状況ながら、スローピッチジャークの威力もありまずまずの釣果を上げることができた。スローのジギングはジグのタイプ、アクションを使い分けることで対応幅が広く、また、ヒラメや根魚など多魚種を狙えることでアブレも少ないのだ。

これからのワラサの釣況だが、現在は日により若干ムラがあるものの、例年通りなら7月中旬ころまでは狙うことができる。夏場少し休んだ後、秋口のワラサシーズンに再びチャンスが訪れるので、気軽にスローピッチの釣りに挑戦してみていただきたい。

東北丸店内はスローピッチ関連コーナーを続々拡充中!
東北丸ではこれからの季節に必須の氷も超おトク!この板氷がお求めやすい200円で販売されているのだ
今回お世話になった東北丸の寺島翔平船長。自身もスローピッチにハマっており、プライベートでアカムツ遠征するほどなので、分からないことは気軽に質問してみよう。
TEL:022-364-2653

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※取材協力/東北丸(宮城・塩釜港)TEL:022-364-2653

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