夏の激渋ロックフィッシュ サーフ、堤防、磯からのスピニング遠投ノウハウ
夏の高水温期に入り、東北ロックフィッシュは活性が下がって難しい条件となっている。この時季のカギとなるのがベイトフィッシュの動きと、潮通しが良く溶存酸素が豊富な場所。そういった場所を狙うには遠投が必要な場合も多いが、近年はスピニングのロングロッド(プラスPE系の細糸)で遠投して狙うスタイルが定着しつつある。
ここでは岩手宮古の佐々木健太郎さんに9月発売のニューロッド「ロックスイーパーリミテッドNRS-962EXH-F」を使用したロックフィッシュの狙い方を紹介してもらった。
真夏のロックフィッシュシーズン 朝夕のマヅメに合わせて釣行計画を組む
夏場の高水温期、比較的冷たい水を好むロックフィッシュは藻や岩礁、テトラなどの日陰でじっとしていることが多くなり、活性が上がるのは朝夕のマヅメに限られる。宮古で漁業を営んでいる佐々木さんは、作業が終わった後の夕マヅメの短時間に釣りをすることがほとんど。この日の実釣では朝のマヅメに勝負をかけることにした。
場所は宮古湾口近くの外海側に面した漁港。港口付近の潮通しの良いテトラ帯を遠投で狙った。夏場のアイナメはより溶存酸素が高く、潮が効いてサラシが出ているような場所を好む。テトラ帯では波の当たる外海側や、テトラ帯の4スミを重点的に攻めた。
健太郎さんは2投目で1匹目のアイナメをキャッチ。満足いくサイズではなかったが、夏のタフコンディションでどこも厳しい中、朝イチ最も期待できる場所で釣り上げてとりあえずひと安心。
40cmオーバーの実績ポイントということでその後もサイズアップを狙うが、予想通りコンディションは厳しくアタリはパタリと止まってしまった。テトラ帯を丁寧に探っていくと、もう1回アタリがあったが、残念ながらフッキングせず。
ここで前日からの雨の濁りプラス、外洋から台風由来のウネリが入り、東寄りの風も強まってきたため場所を移動することに。
サーフでベイトフィッシュを追っているアイナメの回遊待ち
今回は条件的に狙うことができなかったが、夏場に有効なのがサーフ(砂浜)エリアのベイトフィッシュパターン。
この釣りを始めたきっかけになったのが、健太郎さんが浄土ヶ浜で手漕ぎボートの釣りをしていた時のある体験だった。「その日はいつものように夕マヅメ狙いでボートを出し、ちょうどイワシが差してきたタイミングでTテールシャッドに40cmのアイナメがヒットしました。そしたら、そのアイナメの後ろに同じくらいのサイズのアイナメが4、5匹追ってきたんです。頭の中にはそういう知識はあったのですが、アイナメが群れで小魚を追うのを実際に見ることができました」
それ以来、イワシの入るエリアを意識的に狙うようになり、ロングスピニングを使ったサーフの釣りを本格化。ベイトが入る季節には根のほとんどないサーフからも良型のアイナメをキャッチしている。
アイナメの動きはまだ完全には把握できていないものの、近くにテトラ帯や岩礁帯のストラクチャーがあるとよく、根周りに着いている魚がサーフを回遊しながらベイトフィッシュを待ち構えているパターンが多いようだ。
防波堤、磯、浜から回遊ルートや遠くのパラダイスを狙い撃ち
続いて宮古湾内のアイナメの数釣りポイント「竜神崎」で狙ってみるが、フグがかなりいるらしくルアーがかじられて帰ってくる。さらに向かい風も強くなってきたため、風裏ポイントに移動することに。
大きく移動してやってきたのは山田湾内の磯浜。山田湾内は湾口が狭いため波静かで砂浜、磯浜の釣り場が多い。
ここはウェーディングして遠投すると、沖の養殖棚から索餌回遊してきたアイナメを狙うことができる。手前にはアマモがあり、シーズンによっては藻場にも魚は着くが、夏場は藻は抜けてしまう。沖のポイントを狙うのに遠投スピニングが一役!
ロングスピニングの遠投力を駆使して釣りの幅を広げる
ポイントが限られる夏のタフコン時、潮通しの良い遠くのポイントやベイトの入ったサーフで広範囲を探ることができるロングスピニングロッド。今回使用した962EXHであれば遠投できるうえに、パワーがあるので大型ロックフィッシュにも対応可能。根掛かりしてしまった時も長さのアドバンテージで外しやすい。また、50gまでのルアーに対応するのでヘビーシンカーのみならず重めのメタルジグなども余裕でキャストでき、いざという時には大型青物やシーバスなどにも対峙できる。
2017年9月新発売!パワーのあるロングロッドだが、キャスティングもしやすく、軽めのリグから遠投可能
いまはロックフィッシュ的にはキビしい季節だが、お盆を過ぎればあっという間に秋のハイシーズンに突入する。ロングスピニングの遠投力を上手に活かして釣果UPを目指していただきたい。
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※取材協力/ピュア・フィッシング・ジャパン
※解説/佐々木健太郎
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