陸奥湾(鯛島・平舘沖)の一つテンヤマダイ!ラストチャンスに青森遠征
秋、陸奥湾内で荒食いしていたマダイは、冬が近付き水温が低下し始めると徐々に湾外に出て、深場へと落ち始める。ただ、今年は水温が高めに推移しており、12月上旬頃まで陸奥湾内でマダイが確認されている。仙台市の亥飼真司さんは青森に釣行し、一つテンヤでシーズン最終盤のマダイを狙った。
鯛島周辺からマダイがいなくなり、湾口で釣れ出すとシーズン終盤の兆し
むつ湾のマダイはシーズン後半になるとポイントが湾奥側から湾口寄りに移り、鯛島周辺や平舘沖などが中心になる。11月17日は脇野沢の鯛島周辺で狙い、50~77cmを船中15、16枚の釣果。翌11月18日も平舘から釣行し、「そろそろ鯛島周辺は終わりか?」との判断から、この日は下北半島側の湾口付近のポイントへ。この湾口はシーズン終盤のポイントとして知られるのだが、ここで40~70cmを船中6枚釣り上げた。
その4日後、11月22日も再び陸奥湾に釣行。この日はタイが完全に移動してしまったのか、鯛島周辺は全く釣れず、湾口側のみ釣れてきた。60cm台を最大に約10枚、その他にバラシも多く、魚影は十分。ただ、マダイの釣れる水深は60mくらいまで深くなり、過去には水深70~80mまで釣れた実績はあるものの、陸奥湾周辺のシーズンとしては最終盤の雰囲気だった。
この季節のマダイはベタ底で釣れることがほとんどなので、しっかり底を取れるテンヤを選ぶことがマスト。風が強かったり潮が速ければ15号まで使うので、重めの号数を用意していないと全く釣りにならないケースも。底取り第一ではあるが、重くするとアタリが出にくくなったり、重みでバラシが多くなる(テンヤの自重に振り子の原理が働きハリを外してしまう)リスクもあるため、潮が緩ければ、底を取れる範囲で8号くらいまで軽くする。海が穏やかなら4号、5号のテンヤでも釣りになる。
テンヤの種類は、潮が速い条件ではジャッカルのビンビンテンヤのような、水切れの良いタングステン製が底取り性能に優れる。亥飼さんは普段は自作の鉛テンヤも使っていて、潮の緩い条件などでは、ゆっくりとフォールさせられる鉛のテンヤが効果的なことも。風、潮がそれほどで無い時はフワフワと落ちる鉛を使い、風や潮流が出てきたらタングステンでコントロールしながら釣るのがおすすめ。
この季節のマダイのレンジはベタベタの底なので、アクションは腕1本分くらいシャクって、着底するまでフォールに集中するのが基本。腕1本分は底から約2mほど。反応が底のみなら高さ50cmくらいの小さい幅のフォールも併用する。
このフォールがテンヤマダイの勘所。磯釣りで言う「張らず緩めず」のような感じで、オモリの重さを追い掛けるように竿を下ろしてラインスラックを調整する。竿先にオモリを乗せないように注意しつつ、アタリが取れる範囲で道糸をたるませないように、ナチュラルに落とすのがキモ。アタリはラインの動きで分かることもあるし、テンヤを咥えたマダイが走り出すこともあるので、常に集中は怠らないこと。
※写真は4号、5号ですが、実際は6号を使用。
今年は陸奥湾内の水温が高めだったため遅くまで湾内にタイが残っていたが、湾内のシーズンはほぼ終了。タイが湾の外に出た後は裏竜飛や竜飛周辺沖など津軽海峡一帯でマダイを狙える。これからの竜飛沖は潮流と天候次第で釣行機会が限られるが、海さえ凪れば十分チャンスあり。ベイトと潮流次第でテンヤよりカブラが有効なケースも多い。また、津軽海峡では冬場はミズクサガレイが人気で、水草は40cm前後の大型が揃うことで知られている。
2014年も同じように水温が高く、湾内に残っていたマダイが急な水温低下で大量に浮く(死ぬ)という残念な現象があった。今年もエルニーニョの影響などで海水温が平年とは異なるようなので、来季以降のためにも今年も湾内で大量死するようなことが無いといいのだが‥。
【一つテンヤ真鯛のタックル(ロッド、リール、仕掛け)についてはこちら】
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東北各地の他にも北陸方面や関東方面にも釣りに行きます。海の釣りは色々やりますが、最近は磯釣りの合間にテンヤマダイやタイラバに行ってます。サポートメーカー:モーリス。MFC(みなとやフィッシングクラブ)所属
※取材・解説/亥飼 真司
※取材協力/釣船須藤
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