釜石・大槌沖の怪獣クロソイゲーム 17-18シーズン絶好調!
50UPのモンスタークロソイを狙って岩手沖大槌~釜石沖に釣行!卵胎生のクロソイは11~2月の交尾期と5~6月の産仔期に水深10~20mのスポーニングエリアに接岸する。条件の整った場所を把握し、タイミングが合えば産卵に参加する大型ばかりが連発することも!
こちらでは2017~2018シーズンの怪獣クロソイゲームを振り返りつつ、岩手在住のバレーヒル・フィールドスタッフ東谷輝一さんと森本正善さん、そして2018年から新たにスタッフに加わった釣りガール・ミスズちゃん3人の釣行をお届けする。
2017-18シーズンは岩手のクロソイゲームが絶好調!
例年以上に好調だった今季の岩手沿岸クロソイゲーム。TTM号の船長でもある東谷さんはここ数年、怪獣クロソイの調査に力を入れていて、大型クロソイを釣るためのノウハウを蓄積。その成果か、2017年12月と今年の1月を中心にコンスタントに成果を上げている。12月のベイトブレスカップではシャローのポイントで良型クロソイが連発し、4艘で30本ほど釣ったことも。
取材は2月下旬 根魚はミドル~ディープに移行
取材を行ったのは、初冬から始まった交尾期も終盤に差し掛かろうという2月下旬。前回の釣行時は8℃あった水温が一気に6℃まで低下。この季節の2℃の差はシャローのポイントではかなり大きな影響を及ぼした。
案の定、朝イチから浅場の実績ポイントに入ったものの反応は皆無。しばらく狙ったところでシャローを諦め、レンジをミドルに落としてみると、ソイ、アイナメがポツポツと釣れ始めた。
※東谷さんたちの定義ではシャロー(30m以浅)、ミドルディープ(30~50m)、ディープゾーン(50m以深)を指します。
この日はシャローからミドル、さらにディープまで行った後、エリアを変更しながら各水深帯をこまめに探っていった。その結果、シャローエリアはすでにほとんどの根魚が抜けきった後(一部の居残りはいると考えられるが・・)。ミドルエリアで潮通しがよくベイトが入っているようなポイントに反応が集中した。
水深60mほどの深場では良型のマゾイが連続ヒット。水深60~90mの深場からは、産卵を終えたマダラや30~40cmの良型のガヤ(エゾメバル)も釣れてきた。
これらディープのポイントは砂地にちょっとしたツブ根があるような場所が多く、年中ロックフィッシュ類を狙うことができる。細糸を使ったスピニングタックルであればこういった深場まで攻略可能。
怪獣クロソイゲームのタックル使い!
続いてはシャローからディープまでカバーするためのタックルの使い分けについて紹介する。
シャローゲームでは手返しがよく、パワー勝負をできるボートロック用のベイトタックルが使いやすいが、やや水深のある場所や、速い動きに反応が悪くスローに攻めたい時などは軽いリグと細糸を使いやすいスピニングタックルの強みが生きてくる。
スピニングロッドにPE0.6号、1.5~2ozくらいのセッティングならば水深90mほどの深場も攻略でき、よりゆっくり誘いたい時には1ozくらいまで軽くして釣りをすることも可能。
深場のポイントはシャローのように根に潜られることはほとんど無いので、ブランクスの曲がりとドラグを使って丁寧にやり取りすれば50UPの大物でも切られることなくランディングできる。
※紹介するロッドはいずれもバレーヒルの「サイファリストHRXシリーズ」です。
[東谷さんのタックル]
ベイト2本、スピニング2本の4本を使い分ける。シャローではベイトを使うことが多く、水深10m程度であれば1ozくらいのシンカーでキャストして横に動かすことが多い。メインに使うのは「CPHC-73MH」。船上でも取り回しよく、曲げてやりとりすることができる。根がきつい場所など少しパワーが欲しい時は「CPHC–77H」にチェンジ。
スピニングタックルは「CPHS-78M」と「CPHS-83MH」の2本。基本的には「CPHS-78M」 を使用することが多い。取り回しがよく、1oz前後は問題なくキャストできる。0.6号のPEラインに1oz程度のシンカーを組み合わせることで深場までカバー可能。
[森本さんのタックル]
水深20mくらいのクロソイ狙いではスピニングの「CPHS-83MH」を使っている。ボートで8ftのレングスは長いと思われるが、シャローのクロソイはゴツゴツとした起伏の激しい根を好むため、根周りをややバーチカルに狙い、大きめのリフト&フォールで魚にルアーを見つけてもらう釣りに長めのレングスが生きる。
また、サイファリストHRXの特長としてはティップが柔軟に曲がるので、クロソイゲームの場合も弾きづらくバラしにくい。PE0.6号にリーダー16Lb結束。シンカー1ozくらいがメイン。ルアーはクロソイにはカーリーテール系が有効。
[ミスズちゃんのタックル]
ミスズちゃんが普段から使用しているのがスピニングの「CPHS-83MH」。このロッドでクロソイの50UPを釣り上げている(この日も最初にアイナメの40UPをキャッチ)。ほどよい軟らかさがあり、女性や初心者でも扱いやすく、大型がヒットした時も安心してやり取りできるロッド。
深場特有のレモンアイナメが登場!
クロソイは群れで動く!ベイトをみつければ連続ヒットも
クロソイ群れで動いていることが多く、潮汐などと関連して群れが入るタイミング、ベイトを追うタイミングにマッチすると釣況が急に良くなることがある。
今の季節のベイトはメロウドが中心。冬から春はメロウドが浮いて水面でボイルすることもあり、ソイも一緒に浮いてくる場合も。
「サクラマスのシーズンにマスが中層で釣れることがあると思うんですが、マスを狙っていたらソイが中層で爆釣したことがありましたね。その時は水深90m前後のポイントの40mくらい上のレンジからソイが釣れましたよ」と東谷さん。
三陸リアス式海岸のドン深地形はクロソイを育み、モンスターを狙いやすい絶好の環境といえる。近年、岩手沿岸では漁港のクロソイも好調だが、クロソイは漁港や磯で育ったものが潮通しの良い場所に出ていくので、順調にいけば今後さらにモンスタークロソイが増える可能性は十分。今後も50UP、60UPとの出会いがあることに期待したい。
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※解説/東谷輝一、森本正善、渡部美涼
※取材協力/バレーヒル
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