岩手の怪獣クロソイハント!
宮城・松島湾周辺で冬場の人気ターゲットになっているモンスタークロソイ。岩手での実績はまだ少ないものの、大槌周辺は抜群の魚影を誇り、今シーズンも40UP、50UPがコンスタントにキャッチされている。
※こちらの記事は2012年2月に掲載しました。
狙うは50UPのモンスタークロソイ!
秋から続くロックフィッシュシーズン。アイナメののっこみ期はそろそろ終わりを告げようとしているが、12月下旬から2月下旬頃まで楽しめるターゲットがクロソイだ。
卵胎生のクロソイは初冬に交尾し、深場寄りで越冬、春に産仔する。その間、深場に落ちようとする大型が集まるポイントがあり、そこを狙うのが今回紹介するパターンだ。ちょっと深場といっても水深10~30mほどなので、1ozくらいのテキサスリグで十分に楽しめる。
釣り場になるのは凹凸の激しい根やアワビ、ウニの増殖のために投入されたテトラ帯など。宮城では砂地の漁礁やツブ根周りが釣り場になることが多いのだが、岩手では岩礁帯の中でも起伏の激しい岩場のカゲやテトラの間の穴など、ソイが日中隠れられる場所に着いていることが多い。「1本ソイが釣れたところの周辺には他にもソイがいることが多いです」と東谷さん。
先日の釣行記でも紹介した1月12日の釣行では、アイナメを釣った帰りにテトラ帯の実績ポイントに寄り、森本さんが50cm、千葉さんが43cmをキャッチ。その後、東谷さんは同ポイントに集中して通い、1月15日に46cm、1月18日には55cmのモンスター級を釣り上げている。
東谷さんの実績をもとにした大型クロソイが着きやすいポイントの条件は3つ。
1)根の起伏が激しいこと。
2)潮の当たりがいいこと。
3)ベイトが入りやすいこと。
大型を連発させた時もベイトのカタクチイワシが潮に乗るなどして入り、魚探に反応のある時だった。意外と外洋向きの場所を好むため、海が荒れている時はポイントに近寄れないためまず釣りにはならない。冬型の弱まるタイミング選択も重要。
「アクションの基本は底スレスレのスイミングです。船の流される速度に合わせてボトムから50cmから1mのレンジを流します。たまにクラッチを切って穴に落とすのもいいのですが、小刻みなリフト&フォールにはマゾイやムラソイがヒットすることが多くなります」
マゾイとムラソイは落ちて来るものに反応がよく、クロソイは横の動きに反応する傾向があり、状況に応じて釣り分けることも可能。クロソイが釣れず、マゾイやムラソイばかり釣れる場合にはアクションの違いが影響していることが多いそうだ。
モンスタークロソイは魚体はデカくてもバイトが小さいことが多いので、常に集中力を切らさないことが重要。特に日中は「ツン」とか「トトン」といったバイトがほとんど。あまり竿は立てず、常にリールのハンドルに手をかけてドリフト気味にアクションさせ、いつでもラインを巻き取ってアワせられるようにする。
また、ソイはその大きな口でルアーをバクっと飲み込み、違和感があればすぐに吐き出してしまう。ルアーは一口で口の中に入るので、小さなバイトにしっかりアワせておかないと、口内の硬い部分にはなかなかガッチリとはフッキングしない。
フッキングさせてからも、ソイは巻き上げ中に口を開け抵抗してくる。慎重にやり取りしないとラインブレイクとスッポ抜けの危険性が高く、実際のフィッシュ率を見ても約3分の1くらいはバラシがあるそうだ。この取り込むまで難しい点も、アングラーをモンスターソイゲームにハマらせる一因になっている。
岩手の怪獣クロソイゲームはまだまだ開拓段階だが、以前から放流事業が盛んだったこともあってクロソイの魚影は抜群。今回のようなボートロックのほか、リアス式海岸ならではのドン深のポイントであれば陸から狙える場所も多い。水深80~100mの深場でスローピッチのジギングという手もあり、これからまだまだ発展の余地がありそうだ。
[使用タックル]
■ロッド:バレーヒル NEWサイファリストHRX CPHC-73MH
■ライン:サンライン スーパーブレイド5 2号+フロロリーダー20Lb
■シンカー:アクティブ BS(バレットシンカー)トーナメントⅡ 3/4oz
■フック:3/0
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ロックフィッシング・ジギングをメインに三陸でのルアーフィッシングに精通。カレイ、イカ、チカ等、三陸沿岸四季折々の旬の魚をターゲットとした釣りや、バスフィッシングもこなすマルチアングラー。岩手大槌町在住。サポートメーカー:ベイトブレス、バレーヒル、アクティブ
※取材・解説/東谷 輝一
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