釣行記

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知っておきたい!釣りに役立つ目の話[第1回]老眼の話

奥山剛 2021年6月14日 更新

岩手県花巻市のメガネのおくやま・奥山剛さんが釣りと偏光サングラスの関係や目についてのイロイロを語ります。

老眼が始まるのは40代半ば頃から

釣りのシーンにおいて、手元を見る機会というのも多くあるかと思います。仕掛けを作る時、ラインを結びなおす時、スマホを操作する時など。そこで年齢を重ねるにつれて気になるのが『老眼』のこと。この老眼について誤解をされている方が多くいらっしゃるので説明させて頂きます。

老眼(正式には老視)を正しく理解している方はほとんどいません。なぜかと言うと、まずこの老眼という言葉のせいで「自分はまだまだだ」と思ってしまうことです。45歳になれば必ず皆さん平等に手元にピントが合いにくくなります。しかし、45歳は老人とは言いませんよね。この年齢と言葉のイメージのギャップのせいで誤解している方が多くいます。問題はこの誤解のせいで仕事や趣味に支障をきたしてしまうことです。早いうちに「あっ、そうなんだ」と思われたほうが得だと思います。

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まず人は近くを見る時に、『調節力』というピントを合わせるための力を使います。この調節力とは10歳頃がピークで10代のうちから緩やかに低下し始めます。鍛えて維持することはできませんし、サプリを摂取しても回復しません。

そして老眼とは、「年齢と共に調節力が低下して、近く(30〜40cm)にピントを合わせにくくなること」を言います。

『近くが見えるかどうか』ではなく、『調節力の低下』のことを言っているのです。世界的に活躍するアスリートでもテレビに出演する芸能人であっても、目は鍛えることはできませんので皆さんと同じように調節力は低下して45歳頃から手元にピントが合わせにくくなります。手元にピントが合わせにくくなるということは、『近点が遠ざかる』ということです。

ちなみに、遠視、近視、乱視。これらを屈折異常といい、これらの異常がない方を正視といいます。遠視、近視、乱視、正視、どのような目の状態の方も皆平等に老眼になります。

もしかすると「近視は老眼にならない」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、これは間違いです。先に述べたように近視も老眼になります。では何故、「近視は老眼にならない」という間違った情報が出回っているかというと、遠視、近視、乱視、正視、この4人の目の状態で、近くを見るのに有利な目の状態が近視だからです。近視という目の状態は「調節力を使わなくても手元にピントが合いやすい状態」となります。近視は近くを見るのに有利な目ではありますが、調節力は皆と同じように低下しています。私は医者ではないので、頑なに老眼と認めたくない方を諭すようなことはしませんが、いつも「しっかり理解すれば仕事や趣味がもっと快適になるのになあ〜」と思います。

図に掲載されている「年齢を感じさせるこんなシーン」の説明です。

・ツッパリメガネ
遠くを見る際にメガネが必要な方で(遠用単焦点)、調節力の低下により目の近くで見るより、目から少し遠ざけたほうが見やすい状態。

・デコメガネ
近視の方で遠くが見づらいためにメガネを掛けていますが、その遠くを見るためのメガネを掛けたままでは近くが見づらいので外して見ている状態。

・鼻メガネ
いわゆる老眼鏡(近用単焦点)は、手元にピントを合わせやすくなりますが、そのメガネを掛けたままでは遠くがぼやけるためそのメガネを目から少しずらして遠くを見る場合このような仕草になります。

・チェンジメガネ
これは他の仕草に比べると有りだと思います。仕事上、遠近両用メガネは向かない職業もありますので、その場合はチェンジメガネとなります。

老眼を自覚されていてこのような仕草をとられるのであれば良いとは思いますが、「俺は老眼じゃない!」と言ってこれらの仕草をされるのは、仕草で「自分は老眼です」と表現しているようなものです。繰り返しますが、調節力の低下は、鍛えて調節力を維持することはできませんし、サプリを摂取しても回復しません。正しく理解をして、ご自身の仕事や趣味に合った目のケアをされることで、快適な生活になるのではないかと思います。

次回は、こちらも誤解されている方が多いのですが、『遠近両用レンズの仕組み』について説明したいと思います。
今後ともよろしくお願い致します。

※画像の資料は東海光学のホームページより

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奥山剛さんプロフィール画像
PROFILE:奥山剛(有限会社メガネのおくやま

岩手県花巻市出身1982年生まれ
日本眼鏡技術者協会SS級認定眼鏡士
釣りやアウトドアシーンでのオーダーメイド偏光サングラスの相談も多く対応している。自身で組み立てする偏光サングラスの製作本数は年間300本以上

メガネハウスおくやまのFacebookにて『メガネ選びの参考に』というタイトルで目とメガネに関する情報も投稿していますので、そちらも参考にしてみてはいかがでしょうか。

 

※写真・テキスト/奥山剛

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