話題のフィールド追波湾の太刀魚をジギングで攻略!
宮城県でもすっかり定着した感のあるタチウオゲーム。追波湾周辺では今季も初夏から安定した釣れっぷりを維持している。今回はバレーヒルフィールドスタッフの森本正善さんにタチウオジギングの基本的ノウハウをみせてもらった。
※2020年8月掲載。
追波湾には遊漁船やプレジャーボートが集まり大盛況
「今日は土曜日だし、たぶん40艘くらいは船が出ていると思いますよ」と話す尾形慶紀さんの操船で石巻・雄勝湾から出船。向かったのはすぐ隣の追波湾。
追波湾河口周辺の海域はタチウオの産卵場所になっているらしく、成熟した大型のタチウオ中心に釣れる一級釣り場として知られている。数年前からタチウオはみられるようになったが、特に昨年あたりから超大物釣り場として開花。タチウオは人の指の本数でお腹の太い部分の幅を測ることが多いが、追波湾で釣れるのは指4~5本級が中心で、しばしば指6~7本超の大型も混じることで評判になっている。
この日も、近くの北上地区や雄勝地区だけでなく、北は南三陸、南は女川、牡鹿半島から大小の船が集まりちょっとした船団になっていた。
初心者にもおすすめ!ドラゴンQシリーズでタチウオを狙う
当メディア釣行記ではロックフィッシュやトラウトで登場することが多いが、最近は毎週のように追波湾のタチウオに通っているという森本さん。今回使用したのはバレーヒルのタチウオ専用ロッド「ドラゴンスティック」とタチウオ専用アイテム「ドラゴンQシリーズ」
森本さんが使用した「Dragon STICK(ドラゴンスティック)」は、メタルジグをアクションさせやすく、大型のタチウオでもしっかり掛けて取り込める適度な柔軟性とパワーをバランスよく備えたタチウオ専用ロッド。長時間握っても疲れにくい太目のグリップを採用している。定価で1万5千円以下とコスパも最高なので、これからタチウオジギングを始めたい人にもオススメしたいロッドだ。
DSC-63LXとDSC-65ULの2種類があるが、水深が40mちょっとまでの追波湾ではライトな65ULを選択。潮が速い時やより水深が深いポイントなら63LXも使用する。2ピースで持ち運びしやすいのも特長
バレーヒル(ValleyHill) ドラゴンスティック DSC-65UL/TJ 43748
メタルジグはバレーヒルの「ドラゴンQシリーズ」。操作性に優れた「メタルスリム」とイレギュラーなフォールでハイアピールな「メタルフラット」の2タイプがあり、状況に合わせて使い分けが可能。
フロント重心のメタルスリムは速めのジャークからフォールアクションまであらゆるメソッドに対応しやすい高レスポンスタイプ。小刻みな動きも得意なので、低活性時にも比較的食わせやすい。100、130、165gのラインナップのうち追波湾では100gか130gをメインに使用した
左右対称のフラットボディモデル。主にフォールでヒラヒラ、バタバタとイレギュラーなアクションで誘う、どちらかというとハイアピールなタイプ。ゆっくりスローなフォールで見せたり、フォールで広いレンジを探ったり、色々な使い方が可能。90、130、165gの3サイズ
沈めすぎは禁物!レンジを合わせて効率よく釣果を伸ばす
尾形船長は船団の周辺で魚探を確認、水深約43m、反応の出たポイントからスタート。
森本さんはまずは「ドラゴンQメタルスリム」でボトムからショートピッチで探っていく。すると、30~40mの間あたりでファーストヒット!
バレーヒル(ValleyHill) ドラゴンQ メタルスリム130g 6ゴールド/レッドストライプ 43726
魚探の反応と釣れ方からタチウオは30mくらいまで浮いているようだったので、底まで沈めないように狙った。レンジより沈め過ぎてしまうと、タチウオが下を向くなどしてあまりよろしくない場合が多い。
「メタルスリムの速めのフォール中に食いあげてきて、根掛かりしたかと思いました。(今の時間帯)活性は高めかもしれません。フォールで食うのなら、メタルフラットも試してみたいと思います」とのことで、森本さんは「ドラゴンQ・メタルフラット」の、カラーは先ほどまでと同じゴールド/レッドストライプにチェンジ。
バレーヒル(ValleyHill) ドラゴンQ メタルフラット130g 6ゴールド/レッドストライプ 43698
適切なフックを選び バラシを防ぐテクニック
歯が鋭く、長い魚体でよく暴れるタチウオはバラシが多く、備えが甘いとラインブレイクやフックアウトばかり連続することも。取り込むまでのドキドキ感も面白いのだが、バラシ率はできる限り低く抑えたい。
鋭い歯で切られないようにフックとラインシステムはタチウオ対応のモノを用意。森本さんはフロントにはワイヤーリーダーの「フック de ドラゴン ツインアシスト」を使用し、フックリーダーのブレイクを防ぎつつ、遊びのある動きでフッキング率向上を狙った。リアにもアシストタイプを使っても良いのだが、トラブルを減らすため「フック de ドラゴン クワトロ」をセットした。
「フック de ドラゴン ツインアシスト」
タチウオに切られないワイヤーリーダー仕様のツインアシスト。適度な遊動域でがっちりフッキングして、安心してやり取りできる。
「フック de ドラゴン クワトロ」
リアフックにはクワトロタイプを使用。トラブルを軽減し、フッキング率も抜群
バレーヒル VHS フックdeドラゴン ツインアシストショート #1
バレーヒル VHS フックdeドラゴン クワトロ #1/0
鋭い歯によるラインブレイクを防ぎ、交換もラクラク
バレーヒル プロテクトリーダー ロング 30cm 20号(約70lb)
タチウオジギングではタチウオが暴れた時の怪我を防ぎ、手返しよく釣るためにバーブレスフックを使用している。バーブレスはカエシが無いぶん貫通しやすいが、魚が暴れてラインが緩むとあっさり外れてしまうことがある。
タチウオは下から食い上げてバイトしたり、やり取り途中に突然上昇する場合があり、対応が遅れるとフックアウトを招くことある。タチウオが食った直後に注意して巻き上げることと、急に軽くなったら落ち着いて速やかにラインスラックを取るよう気を付けたい。巻き上げ中のポンピングもラインに緩みを生む要因になるので、竿をあまり上下させずにやり取りするようにする。
タチウオは立ち泳ぎで後退する時もトルクがあるので、下に泳ぎ始めたらロッドを水平付近に構え、ロッドのパワーとリールのドラグをうまく使ってやり取りをするようにする。水面付近に巻き上げてきたところで急にバックすることも多いので最後まで油断禁物。
ラストに抜き上げる時もバラシやすいタイミング。ラインが緩む隙が出ないように、ちゅうちょせずに取り込んでしまおう。やり取りしたあとはリーダーがズタズタに傷ついていることもあるので、チェックも忘れずに。
渋い時はジグのカラーやタイプをローテーション
タチウオはあまり目が良い方ではなく、捕食もどちらかというと下手な部類といえる。ショックリーダーを切ってきたり、スレ掛かりが多かったりするのもそのため。
タチウオからどの色がよく見えているのかはハッキリしないが、全国的にタチウオにはパープル系カラーが有効といわれている。この日も尾形さんが「パープルゼブラグロー」で連発する場面があった。グロー系が入った色もタチウオには見えやすいようだ。
一方、森本さんは朝の最も高活性な時間帯に「ゴールド/レッドストライプ」が当たりカラーだった。このように定番カラー、ご当地カラー以外の色に集中することもある。日中はスカイブルーにグローの水玉が入った(裏面シルバー)小魚系のカラーに良型がヒット。時間帯や状況によっても釣れやすい色は変化するので、周りの当たり具合をチェックしてローテーションしてみるといいだろう。
バレーヒル(ValleyHill) ドラゴンQ メタルスリム100g 8パープル/ゼブラグロー 43718
バレーヒル(ValleyHill) ドラゴンQ メタルスリム100g 10スカイブルー/MTP 43720
追波湾のタチウオは産卵絡みで集まっているとされるが、タチウオの産卵期はかなり長く、昨シーズンの実績からしても秋頃までシーズンが続く見込み。この好機にドラゴンQで初太刀魚を狙ってみていただきたい!
バレーヒル(ValleyHill) ウォッシャブルメタルストッカー ロング ブルー 43741
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※実釣・解説/森本正善
※実釣・操船/尾形慶紀
※取材協力/バレーヒル