釣行記

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秋冬アイナメ スポーニング期の食い渋りをボートから攻略

八木 光亘 2022年12月10日 更新

秋から冬のアイナメスポーニングシーズン。産卵絡みで食いが落ちたタイミングのボートロック攻略術を、岩手のreinsフィールドスタッフ八木光亘さんが解説。

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三陸エリアではアイナメがまさにスポーニングの真っ最中。シーズン初期に比べ一時的に食いが落ちたり、アイナメの反応が日によって大きく変わるセンシティブなタイミング。シーズン初期から小型が多く、尚且つ小型の個体までもが抱卵しているというあまり良くない状況の中、時間があればボートに乗り、様々なエリアで釣りをしてみた私見を書かせていただきます。

12月に入ってもなかなか難しいスポーニング状況

先月の段階で今年はアイナメの魚影が薄く、ポイントを外せば小型のバイトすらない厳しい状況にある程度は覚悟をしていましたが、流石に冬になればなんだかんだ例年通りに釣れるだろうと私自身考えていました。実際は12月に入っても状況は上向かず、大型の個体が少ないままスポーニングが進んでおり、30cmくらいの小型まで抱卵するといった感じで大型を狙うにはポイント選びがとてもシビアな印象。

そんな状況でも抑えるべきポイントを間違えなければ魚に出会えるので、個人的に意識していることを紹介します。

1)まずはテリトリー意識を刺激する

アイナメは鮎並とも呼ばれテリトリー意識が強く、縄張りに入ってくる外敵を追い払おうと攻撃します。ましてやスポーニング時期はその傾向が強く、派手めなカラーや大きめのルアーに強くバイトします。

金属的なバイトが出るのになかなかフックアップしないパターンや外掛かりする時は尻尾や口で外敵を追い払おうとしているパターンが多いです。この状況下では重めのテキサスリグでチャート系、赤金などのカラーや他のアイナメの婚姻色に近い、雄の黄色や雌の黒色系カラーを使用したり、ブレードを付けたりします。

魚から見て外敵と判断するのは上からゆらゆら降ってくるものではなく、泳いでいたりする横の動きの生物なので横方向のスイミングやズル引きに対してバイトが出やすいです。

派手めなカラー
横の動きが活きるリグやブレードチューン

2)それでもバイトがなければベイトに合わせてみる

スポーニングはアイナメの体力をかなり使います。スポーニングが進めば進むほど捕食や攻撃の射程が短くなる傾向にあるので、先の横方向の動きに反応がなければ、タイトに狙うことが重要です。

そういった状況下で口を使わせるには、少しでも食べている餌に近付けたカラーやリグ選択が必要。今時季はカタクチイワシなどの接岸がなければ、基本的にはワレカラやカニなどの動きが遅い甲殻類を捕食しています。

私は縦のアクションが出しやすく食わせの間が取れるフリーリグで、ロッド操作は小さくゆっくり動かしていきます。このパターンは後のアフターの時期にも有効なパターンとなります。

アフタースポーニングのシーズンにも有効なゆっくりパターン

ボートから狙う利点を理解する

先に述べたことは岸からの釣りでも共通することですが、ボートから狙うことの利点は立ち位置的に擦れを躱しながら魚にアプローチまたはファイトができるということがあります。

スポーニングベッドとなる場所はシャローのゴツゴツした岩場にできやすく、岸からだとフッキングした瞬間からラインが擦れていたり、合わせ切れしたりします。それが立ち位置が限られる磯場ともなれば尚更です。

ボートからであればアプローチするトレースコース、ラインの角度を変えることができますね。今シーズン磯からでは大型個体が少ないので、1エリアで1本ビッグサイズが釣れればラン&ガンしていく感じになります。その点ボートであればどんどん移動して数も伸ばすことができますのでチャンスが増えます。

ボートからのアプローチ

三陸でロックをするならデカいルアーで60cmに迫るようなビッグサイズを狙いたいところではありますが、今年はそうもいかずベイトに寄せた一口サイズがキーポイントになっています。今年は特に魚が少なく、一本の価値が貴重ですね。

使用ワームは、reinsの『アックスクロー』2インチ、『Gテールツイン』2インチなどの一口サイズでの大型キャッチが多いです


レイン
スモールシルエットでありながら大き目のアームのアピール力も備えた甲殻類系ワーム。

ボートでの使用タックル

私はボートロックではこの2本をメインで使い分けています

ベイトはロッドがdepsの「sidewinderバレットショット」にAbuGarciaの「ゼノンビースト9」でPE2号+フロロ5~6号で組んでいます。

スピニングはロッドがdepsの「sidewinderルードバイパー」にDAIWAの「セルテートLT3000-CXH」でPE1号+フロロ4~5号で組んでいます。

最後に
この秋冬シーズンはアイナメにとっては産卵期の為、子孫を増やす大事な時期です。

私たちアングラーが必要以上に釣って持ち帰ったりすればどんどん数が減っていくのは明白です。釣り自体は楽しみながらも釣った後にしっかり蘇生して、リリースすることはもはやアングラーの責任だと思います。私は基本的にオールリリースしているので、これからも楽しむためには微力でもアングラーでそういったことを考えていきたいですね。

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PROFILE:八木 光亘

学生時代は野球に熱中し、現在は熱量そのままにルアーフィッシングを楽しむ。四季折々の魚を求め、ソルト・フレッシュ共に取り組む。主にロックフィッシュ、ライトゲームをメインとしシーバス、真鯛、ブラックバスなど様々な魚種にも挑戦している。宮古市を拠点にしているのでフィールドで見かけましたら『Hachi』の愛称でぜひ声をかけてください。reinsフィールドスタッフ
Instagram@yagi_hikaru_8)
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※取材・テキスト/八木 光亘
※取材協力/reins

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