豪華ゲストも嬉しい 仙台湾アジビシ好季!
関東で人気のアジビシを仙台湾で楽しむ
「仙台湾のアジビシは、第一海友丸の瀬戸さんと一緒に10年以上前から狙っています。メバル漁のときにアジが入るから、コレを何とか釣り物にできないかってところから始まって、それなら関東で人気のアジビシをやってみたらどうかと。もちろん最初の数年は正式な釣り物にはできなくて、時期も秋の9月、10月だけ。そこからだんだん広げていって、今では6月から12月上旬頃まで狙えるようになりました」と話すのは、菊田釣センター仙台店店長の丹野正文さん。
仙台湾のアジのポイントはメバルのポイントとほぼ一致しているため、メバルなどの底物もよく混じるのが、仙台湾ならでは。夏から秋には大型のサバが多くなり、今年はどういうわけか良型のマイワシとウルメイワシも数釣れている。そして、コマセに寄った小アジを狙ってヒラメや大型青物などの豪華ゲストがヒットすることがあるのも、この釣りの楽しみの一つ。
釣り方がシンプルで誰でも始めやすい
ここで仙台湾のアジビシ釣りについて簡単に説明すると、ビシ(コマセカゴ)は80~120号のアンドンビシタイプを使用(80号を使うことが多い)。ビシに詰めるアミコマセの量は状況によって調整するが、適度にバラけやすい、ビシの7~8分目位が基本。ビシを付けた片テンビンの下には、2本バリか3本バリの市販仕掛けをセットする。付けエサは赤タン(赤く染めたイカの短冊切り)を中心に、オキアミ、アオイソメ、シラス型ワーム、あるいはエサを付けない空バリで攻めることもある。
仕掛けを投入したら、船長の指示ダナに合わせてビシをシャクり、バラけ具合を調整しながら魚を寄せて釣る。上層にはサバやイワシが多いので、そこをかわして下のタナでしっかりとアジを寄せるようにする。上中層にサバのじゅうたんを作らないように気を付け、また、もし途中でサバなどが掛かったときはとにかく高速で上げるようにする。
これから秋の季節はアジビシ五目のハイシーズンなのだが、アジの数を伸ばすには、サバなどの外道の数をある程度抑えるテクニックが重要になる。上記のコマセワークとともに、仕掛けのハリ数を2本に減らしたり、エサの使い分けも必要。当たりエサは日や時間によって異なり、サバがあまりにも多いときは、空バリ仕掛けを使うのも一手。アジビシの空バリ専用仕掛けもしっかり市販されている。
おいしいゲストも一緒に狙える
この釣りでは、手持ちで竿をシャクるので、軽くてしっかりコマセを振り出せる専用竿がベター。アジは口切れの多い魚なので、掛かった魚をバラさない竿の調子が釣果にも影響する。また、手巻きリールでも十分釣りにはなるのだが、上中層の外道のタナを素早くスルーし、手返しも上げられる、小中型電動リールがあると断然有利。
アジビシ五目ではサバ、イワシ、クロメバルに大型ヒラメなどなど、アジ以外のゲストも多く、魚を食べるのが好きな人にはたまらない釣種。関東ではビギナーからベテランまで幅広い層の釣り人に愛されており、最低限のアイテムだけ揃えれば入門も比較的簡単。仙台湾の新名物的な釣り物として定着しつつあるので、まだやったことが無いという方も、今季はぜひ挑戦してみていただきたい。
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菊田釣センター仙台店で店長を務めるオフショアのエキスパート。定休日の水曜日と週末の日曜日はお客さんとの釣行にあてることが多く、メインフィールドの仙台湾のほか、日本海や津軽海峡など東北各地に足を延ばしている
取材・解説/丹野正文
取材協力/菊田釣センター仙台店(TEL:022-285-9576)
第一海友丸(TEL:022-365-7589)