釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

金華山沖マダラジギング出船再開

編集部 2021年4月24日 更新

塩釜港の遊漁船が一斉に出船を再開した6月1日、タラジギングで出船した第一海友丸を取材してきた。この日は菊田釣センター仙台店主催のイベントも同時開催。豪華ゲストもまじえて、順調に震災後の第一歩を歩み出した。※2011年掲載の記事です。

宮城県釣船業協同組合の復興イベントと連動するため5時半に出船を遅らせ、多数の参加船とともに塩釜まがき港を出港した。待ち望んだこの瞬間に、乗船者一同、自然と気分も高揚する

6月1日、復興イベントで賑わう塩釜港を出船

震災後初めての仙台湾。第一海友丸は金華山沖のマダラジギング船で出船し、初日から好スタートを切った。金華山沖のマダラ釣り場は震源に近い海域のため何らかの影響が心配されたが、魚探に映るポイントの形状にほとんど変化は無く、魚影も健在。タラの活性は非常に高く、これからの夏ダラシーズンへ向けて十分期待できる結果となった。

この日、塩釜まがき港では塩釜、七ヶ浜地域の遊漁船が一丸となり、出船再開を盛り上げる復興イベントが開催された。海友丸も他船と足並みを揃えるため、タラ釣りとしては遅めの5時半に出船。また、菊田釣センター仙台店では独自に「復興記念マダラジギング大会」を企画しており、沖縄の石垣島からFISHERMAN代表の鈴木文雄氏が、京都府からはKOMO代表の薦田真司氏が応援に駆け付けた。

金華山沖のポイントに到着。5mほどのウネリがある厳しい条件の中、実釣スタート!
ゲストとして駆けつけた、FISHERMAN代表の鈴木文雄氏(左)とKOMO代表薦田真司氏(右)。最初のポイントではどういうわけかマゾイが連発した
ポイントを移動すると本命のマダラがヒットし始めた。魚影の無事を確認してひと安心
場所移動後は船中のあちらこちらでコンスタントに釣れ出し、丹野さんと鈴木さん師弟もダブルでマダラをキャッチ!
150mからの深場が中心のマダラポイントでは電動ジギングが一般的になりつつある
上)丹野さんが師と仰ぐ鈴木さんはソルトウォーター界の第一人者。タラジギングは北海道などで経験しており、仙台湾もしっかりエンジョイ。下)薦田真司さんは地元の丹後半島でもタラジギングを広めるべく活動中とのことで、仙台湾の釣りをがっちり研究していた
連続ヒットで船上は大忙しとなり、丹野さんも軽快なタモさばきで魅せる
この日最大となる7.4kgを釣り上げた横田夫人。軽々と持ち上げているように見えますが、後ろには支えている方が…
超特大は出なかったものの、5kg超の良型は多数ヒットした
終盤にはゲストお2人と丹野さんのトリプルヒットも。仙台湾の夏ダラ絶好調です!
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幸先いいスタートが復興へのはずみになるはず

この日はウネリが5mほどもあったため、ウネリによるバラシも多発したのだが、それでも終わってみればトップ10本、船中14人で80本という好釣果。船中最大の7.4kgを釣り上げたのは、電動リールの釣りは初めてという女性アングラーだった。「今日はウネリがあるので、海面の上下に合わせたゆっくりめのリフト&フォールで誘うといいですよ」、という船長のアドバイスを忠実に守ったのが効いたそうだ。

マダラといえば一般的には冬がメインの釣り物だが、活性が上がる夏ダラもジギング派のファンの間では人気がある。白子のシーズンは外すが、身の旨味なら冬より上。水産物の安全性については宮城県の放射能測定で安全性に問題無いとの結果が出ており、夜の懇親会では皆でおいしい料理をいただいた。

今回の釣行を企画した丹野さんは、「とにかく仙台湾の海に出て、みんなで釣りを楽しめたのが嬉しかった。ちょっとは心配もあったんですが、普段通りの釣りをできて本当によかったです。魚ももちろん安全ですので、これからはどんどん海に出かけてもらえればと思いますね」。ここまで読み進めてくれた方の中にも、まだまだ釣りを始める気持ちになれない人が多いかもしれないが、状況が許されるのであれば積極的に釣り場に戻って、震災で落ち込んでいるフィールドの空気を活気づけていただきたい。

丹野さんの使用タックル=ロッド:マダラスペシャル60(M.TANNO FACTORY)、リール:電動丸3000ビーストマスターMUTEKI(シマノ)、ライン:PE5号、ショックリーダー:100Lb
上)丹野さんの使用ジグ=上:クレイジーロングジグ420g、520g(FISHERMAN)、下:コモジグSB-LONG375g、475g(KOMO)。下)ジグのロストを極力防ぐため、タコベイト、フックとスイベルの間は捨て糸式。高切れを防止するだけでなく、環境にも配慮している
マダラは船中80本。トップと次点は10本ずつを上げる好釣果
上位入賞者にはフィッシャーマン社特製仕様ロッドなど豪華賞品が手渡された。また、KOMO社からは復興応援オリジナルTシャツが参加者全員にプレゼントされた。
【協賛】(有)フィッシャーマン、KOMO、シャウト!、(有)釣具のニットウ、(株)天龍、(有)シモヤマ、(株)アイビック、釣り河北 ※順不同
最後はお決まりの記念撮影。久々に宮城の海で釣りができて、皆さんいい笑顔でした
夜には釣った魚を肴に懇親会も行われた。タラは薄造り、マゾイはお刺身、焼き物、煮付けにしてどれも大変おいしくいただきました
第一海友丸では一定以上の人数が揃えば、予定が無い日程でもタラジギングで出船可能。丹野さんとともに仙台湾のタラジギングを開拓してきた瀬戸船長(下写真右側)は、仙台湾のアジビシ釣りを黎明期から手がけるなど、仙台湾の釣りを盛り上げ続けている人物
丹野さんが店長を務める、菊田釣センター仙台店は4号バイパスの蒲町交差点近く。店内は3月の大震災と4月の余震の被害を受けたものの、店舗自体は無事だったため、現在は復旧して通常通り営業中だ

 

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解説/丹野正文
取材協力/菊田釣センター仙台店(TEL:022-285-9576)、第一海友丸(TEL:022-365-7589)

PROFILE:丹野正文

菊田釣センター仙台店で店長を務めるオフショアのエキスパート。定休日の水曜日と週末の日曜日はお客さんとの釣行にあてることが多く、メインフィールドの仙台湾のほか、日本海や津軽海峡など東北各地に足を延ばしている

 
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