2019年 岩手渓流解禁!!
岩手の森本正善さんより2019年の渓流解禁釣行のレポートが届きました。 今季は暖冬だったためか、シーズンの進みが少し早めですよ!
2019年3月1日。5カ月の禁漁期間を経て、2019年の岩手県渓流魚が解禁された。トラウトフリークにとって毎年特別な日だ。今年はどんなシーズンになるのだろうか?毎年のことではあるが、そんな想いに胸をワクワクさせて、今年も解禁当日の渓に足を運ぶ。
今年の渓の状況は・・・?
ストリーム(流れの中)のトラウトの釣りと切っても切り離せない重要なファクターとして、”水量”がある。魚の個体(遡上)数、付き場(ポイント)とアプローチ方法、魚の活性などなど・・・。全ての要素のベクトルを決める重要なファクターだ。
今年の岩手の冬は例年に比べ、非常に積雪が少なかった。内陸河川はそこそこ降った(それでも昨年に比べるとずっと少ない)が、沿岸方面の河川に関しては既にほぼ雪がなくなっているというほどだ。
また、ここ最近の気温上昇も相まって、雪代が既に出ていることも予想された。「今年は渇水で厳しい解禁になるかも・・・」。そんな不安も感じつつ、待ちに待った渓流釣りを出来る喜びを噛みしめながら、前日のうちに現地の近くまで移動し、車の中でささやかな(?)前夜祭を楽しむのであった・・・。
迎えた解禁日、やはり渇水
3月1日、朝5時。まだ外が暗闇に包まれている中で起床。車内での朝食で冷えた体を温める。
今年の冬は暖かいとは言っても、快晴の朝は余裕の氷点下。充分に体を温め、空も明るくなってきたところで準備開始。早くキャストしたい!そんなことを思いながら準備していると、いつの間にか寒さも忘れてしまう。解禁釣行の不思議なところだ。
ポイントのバッティングもなく、無事入渓。予想通り水量は渇水気味。雪代も既に出きってしまったのか、川に転がる全ての岩に、平水時のものと思われる跡がしっかりと残っていた。
10~15cmほどだろうか。秋の渇水を思わせる水量に不安はあったが、マイナスのファクターだけではない。雪が少ない分、解禁当初の水温は例年より若干高めだったため、低水温に弱い小さな個体でもルアーへ反応してくれる可能性は高い。解禁釣行は釣れる魚が小さくても全然良い。楽しめればそれで良いのだ。
今年もいきなりビッグサイズ・・・!?
昨年は生憎の雨の中での釣行だったが、ファーストフィッシュから45cmのイワナに出逢えた。果たして今年のファーストフィッシュは・・・?
まずは得意のシンキングミノーでアプローチ。弱い流れに乗せながら、平打ちアクションで手前の淵まで泳がせてくる。すると20cmほどのイワナがチェイス!そして手前で食わせるもすぐさまフックアウト・・・。やはり渇水の為、水深のある淵に魚が溜まっているようだ。しかしそんな場所は掛けた魚をバラすと一気にスレる。特にこんな渇水状態で流れが効いていない時は・・・これは大きなミス!(笑)
気を取り直して再度アプローチすると、今度は10cmほどのヤマメがチェイス!・・・と思ったら、そのヤマメを追うように後ろから40cmを越えるイワナがチェイス!!しかしミニヤマメがルアーを見切った瞬間、その大イワナもヤマメと一緒に流れに帰っていく・・・。
大体のケースでは、大きい魚が先にチェイス&バイトしてくることが多いが、今回はその逆。しかも大イワナの方はルアーではなく、ミニヤマメに興味を示して追ってきたという感じだった。レンジが違うのか、アクションが違うのか、スピードが違うのか、カラーが違うのか。その正解を導き出すのがルアーフィッシングの醍醐味である。結局この大イワナを反応させることは出来なかったが、その後のポイントで2019年初フィッシュとなる綺麗なイワナと無事出逢うことができた。
解禁釣行のタックル1(ベイト)
今回使用したタックルを紹介しよう。
私の使用タックルは「Arcustream」(Valleyhill)のベイトモデル、ASC-44。
渓に映えるマッドレッドを装飾した3ピースのベイトロッド。ショートレングスでも軽いルアーをキャストしやすいよう出来るだけしなやかに、且つミノーのトゥイッチアクションを演出しやすいよう適度な張りも非常に良いバランスで持たせている。4’4″というレングスは非常に取り回しが良く、小渓流・源流域ではベストマッチなロッドだ。
売り上げランキング: 49,531
3ピース故に携帯性も抜群であり、専用ケースも付属。渓流でベイトを・・・という方には是非一度手に取って頂きたいロッドだ。
リールはベイトフィネス専用のリールを合わせる。
ラインは「スーパートラウトアドバンス ベイトフィネスナイロン」(VARIVAS)の3Lbを使用。トラウトフィッシングにおいて非常に重要な”ルアーのトレースコース”を把握しやすい、視認性に優れるオレンジカラー。
しなやかで扱いやすいラインだが、特に良いのが30m毎のマーキング。ベイトフィネスの場合、スプールへのラインの過剰巻きは、せっかく軽量に設計されたスプールの重さを増やし、リールバランスを崩してしまう。簡単に言えば、飛距離の低下、バックラッシュなどといったライントラブルの増加を招いてしまう。小渓流・源流トラウトの場合、30mという巻き長がベストだ。そのため、このマーキングシステムは非常に重宝する。
メインラインが目立つオレンジの為、魚へのプレッシャーを軽減するために透明なリーダー、「スーパートラウトエリア マスターリミテッド ショックリーダー VSPフロロカーボン」(VARIVAS)を50cmほど結束している。
解禁釣行のタックル2(スピニング)
もう1つの使用タックルは「Arcustream」(Valleyhill)のスピニングモデル、ASS-50。
こちらはベーシックなブラック基調の少し張りのあるモデル。張りがあるとはいえ、2g程度のルアーに関しては問題なくキャスト可能。10gといった渓流ではヘビーなウェイトも問題なく操作可能で、ヘビーシンキングミノーのトゥイッチアクション、ミノー、バイブレーション、ジグなどといったルアーのリアクションの釣りに特に特化している。小規模で深みのあるような源流域・小渓流域に潜むイワナをメインターゲットとしたロッドに仕上げている。
売り上げランキング: 704,876
リールはDAIWAのスピニングリール2004番台を使用。
合わせるラインは「スーパートラウトアドバンス サイトエディション」(VARIVAS)の3Lbを使用。視認性に優れるグリーンカラーで、強度に関しても全く問題なく使用できる。こちらも透明なリーダー、「スーパートラウトエリア マスターリミテッド ショックリーダー VSPフロロカーボン」(VARIVAS)を50cmほど結束。勿論リーダーを結束しなくても強度的には全く問題ない。魚へのプレッシャーという要素をどう考えるかで使用有無を選択したらOKだ。
同行した川島氏のタックルもASS-50にスーパートラウトアドバンスのセレクト。こちらはメインラインが透明なため、リーダーは結束していない。
ポイント変更が功を奏した爆釣劇!
第1ポイントの目的の場所まで釣り上がったため、ポイントを変更。本来予定していたポイントへ向かう予定だったが、サイズが物足りないということで、私の直感で解禁釣行では初めてとなる河川へ移動。
これが功を奏し、ビッグサイズは出なかったものの、22,3cm前後のイワナが爆釣!
最大は29cmの泣尺サイズではあったが、2人とも2桁安打の十分な釣果。解禁の渋い時期にこれだけ釣れれば御の字だ。 このポイントは浅いトロ瀬に広範囲に魚が付いていた。この時期のセオリーである水深のある淵から逸脱していたが、実際に釣ってみないと分からないのも釣りの楽しさ。良い意味で経験を裏切られた結果ではあったが、これも暖冬が影響しているのかもしれない。勿論、セオリーの淵からも沢山のイワナが顔を見せてくれた。
昼食で体力回復、後半戦へ
第2ポイントを探り切り、いつも解禁釣行で立ち寄るドライブインへ移動。釣り疲れた(?)体力を美味しいごはんで回復し、後半戦へ。
ここまでヤマメを釣っていなかった私も、開始早々に良型のヤマメを釣り上げ目標達成。この河川も渇水状態でプレッシャーが掛かりやすい状況なのか、出来るだけ魚が付いているポイントから魚を移動させないようにHitへ持ち込むことが重要に感じられた。私は「Alexandra 43HW」(PALMS)で各レンジをネチネチとゆっくり、釣友は「ボトムノックスイマー」(SMITH)のボトムネチネチリアクションで釣果を伸ばした。
今年はどんなシーズンに?
解禁釣行を終え、やはり感じたことは”渇水”であること。特に沿岸方面の渓流域は現時点での積雪がほぼ無く、今後雪代が出ることも期待薄だ。解禁から釣りがしやすいとはいえ、今後、下流域からの魚の供給にいささかの不安を感じる。
渓魚は各漁協で放流しており、アングラーも券を購入して行う遊漁ではあるが、やはり必要”以上”のキープは出来るだけ控えたいところ。持ち帰ることの出来る全長も決まっているので、その川のルールブックをよく確認しよう。ルールと節度を守って、持ち帰った魚は美味しく頂こう。
今回の釣行は沿岸方面の河川のみではあったが、変わって内陸方面の河川は山の貯蓄雪量が豊富なので、今後雪代が出始め、例年通りであればGW明け~5月末あたりにハイシーズンを迎える。もしかしたら今年は少し早いかもしれない。
これからどんどん暖かくなると思うので、積雪のあるエリアでは雪崩などには十分注意したい。また、自然動物(ツキノワグマやスズメバチなど)への対策もしっかり行おう。近年では岩手県でもイノシシの目撃情報が増えている。私も7、8年前に内陸河川でウリボウは見たことがあるが、成熟したイノシシはまだ未知の領域だ。いずれにせよ、釣行時の安全面には十分留意して、今シーズンのトラウトを楽しんでいきましょう。
◆記事に書けない裏話や質問への回答はweb版 無料メルマガ(毎月25日発行)で配信中!
※写真・テキスト:森本正善(ベイトブレスフィールドスタッフ、バレーヒルフィールドテスター、バリバスフィールドモニター)
※取材協力:バレーヒル