2018岩手渓流トラウト解禁釣行 ~いきなりの大捕り物劇~
荒れ模様となった2018年3月1日の渓流解禁日。釣行の予定を諦めるトラウトアングラーが多い中、解禁祭りを強行した森本正善さん達にドラマが!
2018年も3月を迎え、待ちに待った渓流が解禁した。2018年のトラウトシーズン、ここ数年は暖冬による積雪量の少なさが目立つ解禁日が続いていたが、今年は近年稀に見る大雪に見舞われた東北地方。果たして今シーズンはどんな姿を見せていってくれるのだろうか?
期待と高揚に胸を弾ませて、いよいよ2018年トラウトシーズン開幕である!
解禁前日から祭りは始まっている
私のメインフィールド、岩手県の渓流解禁は3月1日。ソワソワする気持ちを抑えながら少しずつ準備を進め、2月28日、仕事終わりで解禁釣行のフィールド周辺へ釣友と向かった。
毎年解禁釣行を共に迎える川島氏と、盛り上がる気持ちを抑えながら・・・いや、決して抑えてはいなかったか(笑)。明くる解禁釣行への想いを語りながら、車中で楽しいひと時を過ごしたのだった。
生憎の暴風雨 解禁釣行史上、最悪なコンディション
明朝6時、目が覚めると車を叩き付ける雨と、その雨が横殴りとなるほどの強風。まるで3月とは思えないコンディションに、若干萎え気味な2人(笑)
しかし雨は午後まで振り続く予報で、午前中しか釣りにならないのではないかと予測。重い腰を上げ、準備を進める。そして少し遅れてもう一人の解禁釣行仲間の高橋氏も合流。3人揃えばテンションも無理矢理上げられる!(笑)
強風と、横殴りの雨と、降り積もった雪の中という最悪なコンディションで2018年解禁釣行がスタートした。
いきなりの大捕り物!
3人での釣行ということで、目ぼしいポイントを交互に狙っていく。そして最初の大場所、皆で一通り攻めてみるが、バイトもなく、肝心のチェイスも水面を強く叩き続ける雨によって全く確認できなかった。
そこで私はシンキングミノーからバイブレーション「レンジバイブ 45ES(BASSDAY)」にルアーチェンジ。岩盤に当たって湾曲する流れの流芯へアプローチ。金属製で重いバイブレーションの強みは、流れの抵抗を切ってボトムを直撃できること。早春時期のイワナ狙いにはもってこいのアイテムだ。
そしてボトムに付くか付かないかの辺りでズシっと重みを感じる。途中までは流れに乗せてダマし騙し寄せるも、手前の岩盤で粘られるヒヤッとした場面もあったが、ドラグを締めて一気にランディングへ。
45cmの黒々とした立派なイワナ。2018年1stトラウトはいきなりの大捕り物劇となった。低水温に強いイワナとはいえ、厳寒期は反応が鈍い時も多い。そんな時はやはりリアクションが非常に有効な場面も多くなる。それを象徴したような1尾だった。
解禁日のメインタックル「Arcustream」 ※2018NEW!
今回解禁日釣行に使用していたロッドは、今年【Valleyhill】よりリリースされたトラウトロッド「Arcustream(アークストリーム)」。その中のベイトモデル、「ASC-44」だ。
レングスは名前の通り4ft4inchで、3ピースモデルになっている。携帯性に優れ、源流・渓流域での取り回しにも非常に優れている。また、トラウトベイトフィネスロッドに多い極端な「柔らかさ」を出来るだけ排除しつつ、2g以上のルアーをキャスト~操作しやすい、ベナンベナンではない適度な張りを持ったロッドになっている。
ベイトフィネスに関してはリールも命。私は【DAIWA】の「SS AIR-8.1L」を使用している。軽くてギア比も大きいので、トラウトの巻きの釣りには非常に使用しやすい。
ラインは【VARIVAS】「SUPER TROUT Advance BAITFINESS NYLON 0.8号(4lb)」を使用している。オレンジカラーは非常に視認性が良く、30mマーキング付きで、ラインを多く巻かないベイトフィネスには非常に助かる仕様だ。
ベイトフィネスはラインを巻きすぎるとスプールの重量が増え、キャストトラブルに繋がるので、巻き過ぎには十分気を付けよう。ベイトフィネスはバランスが非常に重要だ。また、このラインはクセの付きにくい低復元ナイロンを使用しているところも扱いやすくて良い。また1レベル細くて強い仕様なのも、ストラクチャー周りをアグレッシブに攻めるベイトフィネスには大きな武器。
リーダーは同じく【VARIVAS】の「TROUT SHOCK LEADER 0.8号(3lb)」を主に渓魚へのプレッシャー対策(魚からの視認性軽減用)として1mほど結束している。
フックは全て自作のシングルフックを使用しているが・・・こちらに関しては今回は割愛しよう。
主な使用ルアーは【BASSDAY】「レンジバイブ 45ES」、【imaTROUT】「sukari 50SS」、【TACKLEHOUSE】「バフェットドラス43,46」、【Jackson】「TROUT TUNE HW」など。
解禁日の渓魚の動きの鈍い時期には重すぎるようなルアーたちばかりだが、使用するスピードはロッド操作や流れへの乗せ方で調節可能。むしろ多様性に富むシンキングルアーを好んでセレクトするのが私のスタイルだ。
同行の仲間達にも2018年1stフィッシュ!!
一向に止む気配の無い雨の中、雪深き渓を釣り上っていく。
すると、とある大場所で川島氏がGoodサイズを痛恨のバラシ。水面でもんどりうった姿からこれも40を越えていそうだった。すかさず高橋氏がフォロー!!するとロッドが絞り込まれる。
無事ランディングしたイワナは、これも43cmのグッドサイズ。イワナは一度フッキングしても、スイッチが入っていればすぐバイトし直すこともある。興奮冷めやらぬうちにすぐさまアプローチすれば、今回のようにHitすることもある。
高橋氏も「ASC-44」にグッドサイズで無事入魂。2018年シーズン、良い滑り出しとなったようだ。
そして川島氏も綺麗な錆の残った越冬ヤマメをゲット!!
その後は15~25cm弱のヤマメ、イワナがコンスタントにHitする場面も。私にはフロント、リアフックにそれぞれヤマメがWヒットという珍プレーも飛び出した(笑)
何はともあれ、皆無事に2018年1stトラウトを拝むことが出来た。解禁日はサイズではなく、まずは5ヶ月ぶりに渓魚に出逢うことが何よりの目的。改めてトラウトフィッシングの楽しさを体感した午前の部となった。
午後は全く釣りにならず・・・
午前11時過ぎになり、強さを増す雨の中、一時中断。昼食休憩へ。今回はいつも解禁日に行く食堂がまさかの定休日・・・ということで、少し離れた違う定食屋へ。
大船渡市内にある坂本食堂さん。ここの名物カツカレーは絶品!! 雨に打たれ冷え切った身体をすっかり癒してくれた。釣りの途中や帰り、気の合う仲間と食べるご飯は最高に美味い。
この後、数ヵ所の渓の様子を見に行ったが、ゲリラ的な雨により、どこも増水と濁りで釣りが出来る状況ではなかった。結局竿を出さず、解禁釣行は終了となった。
吹雪に見舞われた2日目
解禁釣行2日目は、前日の雨に変わり、今度は吹雪・・・。結局2日間天候には恵まれることはなかった(1日目の午後は非常に暖かく快晴ではあったのだが・・・)
2日目は例年、解禁当初からヤマメが元気な私のシークレットリバーへ。前日の大雨による増水や濁りが心配されたが、前日夕方には濁りが取れ掛かっていたのを確認していた為、この日も問題ない水色だった。
渓流域なので風は幾分マシではあるが強く、雪は降り続け、解禁名物のガイド&リール凍結と格闘しながらも集中して狙っていく。
流石はシークレットリバーの威力。Bigサイズは出なかったものの、地吹雪の中でもヤマメがコンスタントに釣れ続けた。
この時期のヤマメはイワナ以上に動きがスロー。ルアーにゆっくりと追尾してきてテールフックにバイトしたり、やる気があってもバイトする力が弱く、フッキングしにくい場面が多々ある。そんな時は昨年紹介したJ&Mメソッドなどの見せて食わせる釣りが非常に有効だ。
2日目のメインタックル
2日目は【Valleyhill】「Arcustream(アークストリーム)」のスピニングモデル、「ASS-50」をセレクト。
レングスは5ftで、主に源流域でのイワナ狙いにスポットをあてたモデルだ。5ftというレングスは非常に扱いやすい長さで、源流・渓流域ではほぼこの1本でカバーできる。水深のある淵などの底に張り付いている大物を狙いやすくするため、ヘビーシンキングミノーやバイブレーションなどでのボトムリアクションを演出しやすいよう若干張りのあるアクションにしている。ボトムのルアーを跳ね上げるようなアクションもつけやすい。勿論2~5g程度のルアーもストレスなく操作可能だ。
スピニングのラインは【VARIVAS】「SUPER TROUT Advance Sight Edition0.8号(3lb)」を使用している。こちらも視認性の非常に良いグリーンカラーで、ナイロンらしくしなやかで扱いやすい。
リーダーはベイトと同じ理由で、【VARIVAS】の「TROUT SHOCK LEADER 0.8号(3lb)」を1mほど結束している。
ルアーは初日とほぼ同じだが、水量が多く流れ押しも強かったことからより重い【imaTROUT】「sukari 63HS」なども使用した。
これからの時期の注意点
現在3月中盤。例年であればまだまだ寒い時季が続いていて、雪代も出る前のはずだが、今年は今回の解禁日の様に、暖かくて雨が降る日も多い。各河川はすっかり雪代が出始めている状況で、水量が増加している河川も多い。くれぐれも立ちこむ際は無理のないように気を付けよう。
また、降雪量の多い地域では雪崩などの危険も増えてくる。今年は一気に暖かくなってきている傾向にある為、各事故には十分気を付けて欲しい。
どんな釣りにも言えることではあるが、安全面には十分に配慮しよう。そうすれば、その先には普段の生活や仕事などのストレスを自然と渓魚の美しさですっかり忘れさせてくれる魅力満載のトラウトフィッシングが待っている!
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※写真・テキスト:森本正善
※取材協力:バレーヒル