誘いが決め手!新潟沖のオキメバル釣り
鮮やかな高級魚がズラリと多点掛け!シーズンインしたばかりの日本海佐渡沖でオキメバルを狙った。例年になく雪が多かった上信越地方。雪代の影響で遅れがちだったオキメバルが、ここに来て一気に食いだした。特大サイズが連なる、人気の高いターゲットだ。
※2012年5月掲載の釣行記です。
自然な誘いが多点掛けのコツ
午前3時、新潟西港より出船の魁明丸へ乗船。佐渡島周辺のポイントまでは約1時間半。遠征の早朝(深夜かな?)出船でも、広々とした船室があるので往復ゆっくりと休めて疲れ知らず。
一斉投入を待つ間に準備を進める。エサはホタルイカのゲソ部分やイカの短冊、サバやサンマの切り身など。中でも万能なのがホタルイカのゲソで、予約時に注文すれば船宿から購入もできる。船宿のものは一日分カットされ、容器に入っているので、使い勝手が良い。
投入は船長の合図に合わせて一斉に、が魁明丸のルール。乗船人数やくじ引きで決定する釣り座の位置にもよるが、仕掛けのトラブルなどでワンテンポ遅れたら一回休みが深場の基本。
最初のポイントは佐渡島に程近く、海底は岩盤。水深は100m。オモリが着底したら引き抜いて、底を打たない棚でキープ。そのまま待たないで誘いを掛けるのが日本海の新潟沖式だ。
一般的に、太平洋側では誘いをせず、潮にハリスを流して自然に食わせる。この海域で誘いが有効なのは、全体に根が低く、魚がぴったりと根に着かないからだと言われている。魚はある程度広範囲に居るので、着底後すぐにアタリが来なくても、誘いを続けるうちに食い出すときも多い。
活性の高い日だと、仕掛けが入ってから、集まった魚で魚探の反応はどんどん濃く、そして高くなっていく。使用する竿が3.5m前後、オモリが200号と若干ヘビーなので、誘うときに竿を完全に持つと疲労してしまう。ロッドキーパーから竿を外して、キーパーの先端部分を支点にすると楽に誘いが続けられる。フワリフラリとスイングするアクションが効果的だ。
食い出せば魅惑の多点掛けで一気に数が伸びる
2投目からオキメバルの姿が見えたが、小型の単発で数匹。5投入したところで、「この辺りは水温が少し低くて魚が口を使いませんね。水温が高い場所に行きます」と、船長。
船は20分ほど走り、120mラインの深場へと移動した。季節や水温で魚の着く場所は細かく変化する。佐渡島や粟島と本土の間にポイントは多数点在している。移動直後に筆者も含め鋭いアタリが数名にきた。
「ホッケかな?」と思わせる元気な引きで上がったのは、36cmを頭に6点。透明度の高い濃紺の海は上から10m位まで見えるので、上がってくる仕掛け全体がいっぺんに見える。右舷胴の間ではさらに大きく竿がしなり、しばらく上がってこない。浮上したのは全て30cmアップの8点掛け。これ一投だけでも大満足。
ハリに食い付く度に大きくアタリがあって一旦静かになるが、次の魚が食うとまた大きなアタリがくる。それが追い食いのサイン。数匹掛かると、重さの確認をしようと、竿を大きく頭上まであおるのを見かけるが、それだと周りの魚も一緒に浮上して散らせてしまう。竿を戻した時に魚が流れてお祭りの原因にもなる。また、大型が数匹掛かるとオモリの重さを感じなくなり、棚を見失ってしまうことがある。魚が掛かってからは大きく棚を変えず、優しく丁寧に誘うのが基本だ。
もう一度ホーンの合図が鳴ったら一斉に電動リールをオン。うねりの谷間で負荷が抜けるとバラしてしまうので、ある程度早めの巻き上げを。それからも順調に反応があり、全員の竿にアタリが出た投入も数回あった。
大型揃いの新潟沖。今後さらに数の期待大!
当日は霧が濃く、終了時間に近付くほど晴れてきて、食いが立つ状態。最後の投入までアタリが続いて、後ろ髪引かれる納竿となった。前半食いが立たず、30~45匹と数は控えめだったが、大型揃いなので50リッタークラスのクーラーが華やかに埋まった。
このオキメバル、大型は一匹1,500円を超える値が付く、かなりの高級魚。「家庭で尾頭付きが味わえるのは釣り人の特権ですね。今年は遅れていましたが、ようやく活性が上がってきました。まだまだ食いは良くなって、数も出ますよ」と船長。日本海側の本格シーズンインだ。
■HP
http://kaimeimaru.com/
カレイ釣りのトーナメンターとして活躍しながら、ヒラメ、メバル、マダイ、深海などの各種船釣りにワカサギ、渓流までなんでもこなすオールラウンダー。がまかつフィールドテスター、山豊テグスフィールドテスター。福島市在住
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※取材・テキスト/菅野 順也
※取材協力/魁明丸(新潟・新潟西港)TEL:025-369-4294