磯ルアー釣行中に転落事故!九死に一生を得た人の体験談
2017年11月に発生した海中転落事故の体験談が第二管区海上保安本部の「マリレ情報よろず屋」に掲載されましたので、紹介します。磯からのルアーフィッシング中の転落事故の事例です。
事故発生時の状況(体験談)
[発生日時]
平成29年11月10日午前10時50分頃
[状況]
磯場でルアーフィッシングの最中、ルアーが下方の岩場に引っかかった。これを取ろうと波に背を向け岩場を降りていたところ、突然、後ろからきた大きな波により体勢を崩し、海中に転落してしまった。
20分ほど海面を漂い、海中転落場所から少し離れた岩礁に何とかよじ登ったものの、高波により再び海中に転落してしまった。
その後、寄せ波により、陸続きの岩場までたどり着くことができたが、寒さと疲労により、這い上がることができず。また、所持していたスマホも水没して使用できなかったため、通報もできなかった。
そんな時、たまたま近くに居合わせた目撃者により陸上まで引き揚げてもらい、九死に一生を得た。
[事故者のコメント]
「海中転落したとき、『ヤバイ!死ぬ!!』と思いました。波にさらわれ、海底まで引きずり込まれたが、救命胴衣を着用していたおかげで浮上することができました。救命胴衣を着用していなかったら、確実に死んでいたと思います」
「また、発見してくれた方に助けられなかったら、低体温症で動くことができずにいたので、死んでいたと思う」とのこと。
今回の事故から得られた教訓
【良かった点】
・救命胴衣を着用していたこと
→ 海面に浮上(呼吸)できた。
【悪かった点】
・持っていたスマホが水没した(防水パックに入れるなど、防水対策をしていなかった)
→ 通報(救助要請)できなかった。
【幸運】
・たまたま近くに目撃者がいた
→ 救助・通報してもらえた。
事故防止のための注意点
①ライフジャケット着用の徹底
②適切な連絡手段の確保(防水パックの活用)
③海の緊急通報118番の有効活用
④複数名行動の励行
⑤立入りが禁止されている防波堤等へ立ち入らない
⑥子供から目を離さない
磯ロックや磯のウキフカセ釣りが冬の盛期で、磯に釣りに出かける機会も多いと思います。一方で海が時化やすく、天候が急変することも多い季節。
波が高い、風が強い荒天時に無理な釣行をしないのはもちろん、万一の事態に備えてライフジャケットを着用し、水に濡れた状態でも携帯電話で通報をできるようにしておきましょう。
気温、水温が下がっており、転落してしまうと低体温症で体の自由がきかなくなる危険性も高まります。十分に注意したうえで釣行するようお願いいたします。
※情報提供/第二管区海上保安本部