HOWTO

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上手な魚拓作成のエトセトラ~誰にでも出来るカンタン魚拓作り~

2017年9月6日配信 【HOWTO】 【東海林 誠】

仙台広瀬キャスターズの東海林誠さんが魚拓の作り方を紹介!全日本サーフ連盟の大物賞申請システムで普段から魚拓を作成することの多い東海林さんが、上手に魚拓を作るためのコツを伝授します。デジタル保存が主流の現代ですが、メモリアルな大物を釣った時の参考に!

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大物魚申請のため魚拓作成のプロに!

私たちが所属している全日本サーフキャスティング連盟(全日本サーフ)のイベントの1つに、大物魚表彰システム(大物魚表彰)があります。全日本サーフでは計25魚種が設定されています。さらに、1つの対象魚も、種類が細かく分けられているものがあるので、全体では約80の魚種が対象になり、全国の会員が各魚種の大物を狙っています。

大物対象魚は、さらに、釣った魚の大きさによって、「A、B、C、D、S」とランク分けされています。基準サイズを超える対象魚が釣れたら、魚拓か写真(連盟指定スケール使用)で申請(魚拓は実寸の+5%まで有効)。個人の生涯記録として累積されていきます。また、各魚種の上位を釣った会員には表彰があり、日本記録を超えるものを釣れば、当然、新たな日本記録として連盟に登録されます。

ここでは大物賞申請システム(大物魚表彰)と申請に必要な魚拓の作成方法について触れてみたいと思います。

誰にでも簡単にできる魚拓のとり方

それでは、安価な道具で、誰にでも簡単にできる魚拓のとり方を紹介します。

【用意するもの】

墨汁、筆(ハケ)、小皿、たわし、スポンジ、水、新聞紙、タオル、和紙(障子紙、ふすま紙)、BOXティッシュ、塩

誰にでも出来る魚拓作成の手順

[手順1]
まず、魚の表面のヌメリをたわしで軽くこすり、水で流します。カレイ類などは、特にヌメリがキツいので、塩をかけて軽くこすると、ヌメリが良く取れます。

[手順2]
タオルを使って、魚の水分を十分に拭き取ります。さらに、口の中、エラ、鼻穴、肛門にティッシュを詰めると、魚拓がにじみません。

[手順3]
新聞紙を数枚敷き、その上に魚を乗せます。魚の腹部を下、頭部を右(ヒラメ、シタビラメ、ヌマガレイ等は左)に向け、この時、背ビレ、臀ビレの裏側にティッシュを当て、ヒレが立つように固定します。

[手順4]
頭部から尾に向け、墨を塗っていきます。 墨汁の原液では濃すぎるので、少し水で薄めます。墨を塗るのは、頭部と体の上半分、また、各ヒレの部分だけにします。この時、目と体の下半分には、墨を塗らずにおきます。

[手順5]
スポンジを使い、墨を塗った頭部、体の上半分、各ヒレを、軽く叩きます。スポンジで叩く事によって、筆の跡(スジ)が無くなり、うろこの模様が良く出ます。スポンジ側にも墨が少し付着しますので、一通り叩いたら、墨を塗っていない下半分を、そのスポンジで叩きます。

[手順6]
スポンジで叩き終わったら、和紙を乗せていきます。この時、尻尾から頭部の方へ順に紙を押さえながらやると、最後に口元がきれいにとれます。逆に、頭部から尻尾の方へやると、口元が不鮮明になってしまうことが多くなります。

[手順7]
最後に、筆で目を描き入れれば完成です。 ※注)風や直射日光が強い時は、塗った墨がすぐ乾いてしまいますので、風の当たらない日陰で行って下さい。

以前は墨汁の原液を使用して失敗したことも・・

投げ釣りは小学生の頃からやっていますが、クラブに入会するまで、大物と呼べるものはあまり釣っていなかったので、魚拓を取るのも年に1~2回程度。それも、墨汁の原液をたっぷりとつけ、ほとんど真っ黒な魚拓ばかりでした。

クラブ入会後は、諸先輩方にキャスティングや大物の釣り方を教えてもらい、同時に、釣行回数も増え、各魚種のビッグ1の数も増えていきました。大物申請の際には魚拓が必要だった(現在は写真申請も可能)ので、対象魚のランクサイズが釣れた時には、帰宅後に魚拓をとっていましたが、最初は自己流だったので、なかなかキレイに取れませんでした。

入会から数年後、釣りの遠征で四国に行く事になって、全日本サーフ愛媛協会長の岡田さんと一緒に釣りをする事になり、この時、岡田さんに教わったのが、上記の魚拓作成方法です。

毎年、年間100~200枚の魚拓申請にともない、魚拓にもだいぶ慣れてきました。平成20年1月、同行のM氏が、牡鹿半島で60cm級のホシガレイ(ハダガレイ)を釣り上げ、連盟に確認したところ、全日本サーフの日本記録を超えそうな大物と判明!M氏から魚拓を頼まれ、魚が縮む前にと、すぐに撤収し、2時間かけて帰宅。

魚拓は、いつもより丁寧に10枚くらい取り、後日、連盟から日本記録として承認されました(このホシガレイ、シマノさんのカレンダーに掲載されました)。まだまだキレイな魚拓とはいきませんが、これからも精進します。

※取材・テキスト/東海林誠
[2010年9月初出、2017年9月加筆更新]