知っておきたい!釣りに役立つ目の話[第4回]偏光サングラスの価格差について(1)フレーム編
岩手県花巻市のメガネのおくやま・奥山剛さんが釣りと偏光サングラスの関係や目についてのイロイロを語ります。
[連載]知っておきたい!釣りに役立つ目の話
偏光サングラスというものは、『フレーム+偏光レンズ』に分けられますので、価格が決定される要素としては、フレームまたはレンズの質によります。
今回はフレーム編ということでフレームに関しての価格差を紹介します。先に申しますが、この場では「どこのメーカーが良い悪い」、「価格が高いほうが良く安いのは悪い」というようなことは申しません。あくまでも、商品の良し悪しを判断するのは、ユーザーであり今お使いのサングラスに満足されているのであればそれがベターとお考え下さい。そのため、一般論として、また、今後お選びになる際のご参考にして頂ければ幸いです。
サングラス用フレームの価格差の理由
まず、メガネに携わる私の考えとしましては、極論ですがフレームというものは「レンズの性能を発揮できる位置にレンズを固定させるもの」と考えております。そのため、それを突き詰めると見た目などは無視されてしまうかもしれませんが、実際にはそのなかにもデザインや好きなブランドという要素が関わってくるはずです。
フレームの価格差はいろいろありますが、例をあげると、ブランド、耐久性、素材、フィット感を考慮しているか、などありますが、これらは人それぞれで様々な考えがあると思います。この点を説明しますと、かなり長く説明しなくてはなりませんので、大きな観点で考えた場合、
メガネを作製する側からの視点で申しますと、
購入したサングラスのフレームが
①レンズの交換は不可<②レンズの交換は可能だが度付きは不可<③度付き対応可能
この順番で、おおよその価格の説明ができます。
③の度付き対応可能ということは、多数のユーザーが『度付きのレンズを眼前に保持すること』を前提として設計されているため、レンズが眼前に来た時にレンズの性能を発揮させられるようなフレームの構造で作製しているといえます。さらにいうと、度付きレンズが必要な方はフィールドにおいて長時間掛けている必要がある、つまりストレスなく掛けられること、微調整が可能な構造であること、長期の使用にも耐えられる耐久性、が求められます。
度付き対応可能なフレームを度無しでお使いされている方は多くいらっしゃいますが、その方々はある程度良い価格で購入された偏光サングラスかと思われます。眼前にレンズを保持するために、フィット感が良く、レンズがキズついても交換可能、掛け具合の微調整可能、パーツ交換可能などというように使い込んでもその後アフターサービスが受けられる利点があります。
②に関しては、本来は度付きには対応できないが、組み立てる側(メガネ店)の工夫や加工方法によってクリアできる場合もあります。そのため大きく線引きをすると『レンズの交換ができる構造かどうか』を見るとフレームの価格差が見えてきます。
ネットで調べて頂くとわかりますが、既製品のサングラスであっても組み合わせているレンズ名、レンズメーカーをネットで調べて頂くと度付き可能かどうかはわかります。度付き対応が必要でない方は度付き対応かどうかまでは考えないかもしれませんが、一般的にはこの部分に着目して頂くと各メーカーの特徴の意味がわかるのではと思います。
もし、ブランドや見た目などではなく、フィット感や掛け心地を重視される方は、フレームの『サイズ』を注視して頂ければと思います。メーカーによってこのサイズが豊富なものもあればそうでないものもあるため、どのサイズがラインナップされているかを確認したほうが良いでしょう。
昨今ではサングラスというものは、釣り具店、メガネ店、ホームセンター、雑貨店、100均などいろいろな店で購入できます。それぞれのユーザーの偏光サングラスに対する期待値は様々かと思います。それはそれぞれご意見をお持ちで良いと思いますが、度付き対応可能なサングラスをお使い頂いている方に、この『フレームの価格差の理由』が少しでもお伝えできればと思います。
次回は「(2)レンズ編」をお伝え致します。
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岩手県花巻市出身1982年生まれ
日本眼鏡技術者協会SS級認定眼鏡士
釣りやアウトドアシーンでのオーダーメイド偏光サングラスの相談も多く対応している。自身で組み立てする偏光サングラスの製作本数は年間300本以上
メガネハウスおくやまのFacebookにて『メガネ選びの参考に』というタイトルで目とメガネに関する情報も投稿していますので、そちらも参考にしてみてはいかがでしょうか。
※写真・テキスト/奥山剛