釣行記

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陸から60イシ!投げカレイ大物獲りの心得

東海林誠 2023年3月30日 更新

今年も出ました!石巻の60UPイシガレイ。釣り人は、毎年のように投げ釣りで60cmオーバーを獲っているという、仙台広瀬キャスターズの東海林誠さん。陸っぱりから大型カレイを狙うにあたり、どのような心構えと準備が必要なのか?
※2010年11月掲載の記事です。
※取材時とは釣り場の状況が異なる場合があります。立入禁止などに注意し、ルール、マナーを守って釣行してください。

荒食いで接岸中の今が投げカレイの絶好機!

石巻地域の数あるポイントの中でも、ナンバー1の人気を誇るのが渡波港の周辺。イシガレイの実績では渡波防波堤が頭一つ抜けているが、隣の長浜海岸や石巻漁港なども良型を狙える好ポイントとして知られる

投げ釣りの場合、船釣りと違って、魚が岸に寄っていないと釣れませんが、例年、9月頃から、宮城県沿岸のサーフや砂底の漁港周りに、30cmを超すイシガレイが寄ってきます(いわゆる乗っ込み)。12~1月に産卵を控えているため、10~11月は産卵前の「荒食い」の時期と言われ、肉厚な50cm超の大型も狙えます。

宮城県には陸っぱりから良型のカレイを狙える釣り場がたくさんあります。中でも大型イシガレイの実績がある釣り場として、サーフでは、相野釜海岸(岩沼)、深沼海水浴場(仙台)、菖蒲田海水浴場(七ヶ浜)、野蒜海水浴場、矢本海浜公園(ともに東松島)、長浜海岸(石巻)が、漁港では、吉田花渕港(七ヶ浜)、大浜漁港(東松島)、石巻新漁港、渡波港(ともに石巻)などが挙げられます。

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でかイシガレイを狙って獲る方法

渡波港の港内は万石浦の入り口になっており、漁船の往来が激しい。漁港の港口など船道に接近する釣り座では、道糸が船のスクリューに絡むのを防ぐための沈めオモリ(いわゆる道糸沈め)がマスト

サーフや防波堤からイシガレイを狙う場合、飛距離の違いで釣果に大きく差が出る事が多いので、投げ専用タックル(全長4m前後、標準オモリ負荷30~35号の並継竿)は必需品です(防波堤では持ち運びしやすい振出竿でも可)

道糸には、サーフの場合、距離とアタリ重視で、PEライン0.8~1.5号+力糸を使い、漁港の場合には、状況に応じて、PE1.5~3号を使い分けるとよく、防波堤先端部など、漁船が近くを通る場合は、道糸を沈めるための沈めオモリ(ナス型10号程度)を使うか、沈みの速いフロロカーボンライン2.5~5号が適。※漁港では、漁船とのトラブルを避けましょう。

小さいカレイからは想像がつきませんが、大型のイシガレイは、細かいギザギザの歯が並んでいて、ハリスに擦りキズが付くほどで、口も非常に大きいです(500円玉~ピンポン球大)。したがって、ハリスは太く(フロロカーボン8~10号)、ハリは大きいもの(ケン付流線、ビッグサーフ18号など)を使用します。エサには、定番の青イソメ、岩イソメのほか、一発大物狙いのユムシや、最近特に気に入って使っている生エサのBBワームなどがオススメです。

60cmを釣ったときは、太糸仕様の1本バリ仕掛けを使用。でかイシの重量に耐えられる太糸と、ユムシやBBワームでもタップリ掛けられる大バリを組み合わせた。「カレイが30cm台中心のときや、エサにイソメ類を使うときは、2本バリ仕掛けも使いますよ」

まず、キャストしたら、仕掛けをゆっくり引いてきてカケアガリを探し、そこで数分待ってみます。アタリが無ければさらに数m引くことを2、3回繰り返し、最初は15分くらいで一度上げてエサチェック。エサがそのまま残ってくるようなら、2投目からは20~30分に待つ時間を伸ばします。逆に、エサ盗りが多いようなら、頻繁にキャスト&回収を繰り返します。

大型のイシガレイは、満潮からの下げ始めや、干潮からの上げ始めといった、潮の変わり目に釣れる場合が多く、朝&夕のマヅメ時も期待大。大潮の時などは、水面に潮目などの変化が見られる場合もあり、この潮が動き出すタイミングに合わせて、必ず、新鮮なエサを投入するようにします。

この時期に釣れてくるカレイは、産卵を控え、抱卵したものがほとんどです。私は10年ほど前から、45cm以下のイシガレイは、(検量の必要な)大会時を除き、ほとんどリリースしています。

今季も狙い通り60UPをキャッチ!

11月3日、石巻周辺漁港で東海林さんが釣った60cm、2.6kgのイシガレイ。エサはユムシとBBワームを使用。早朝に30cm、32cm、45cmが立て続けに釣れ、長時間アタリが止まった後、夕方にヒットした

11月3日(祝)、大会の下見を兼ねて、石巻まで行ってきました。休日のため、関東からの遠征の方や、常連さんが多数参戦。事前の情報では、今年は海水温が例年にないほど高いため、大型カレイの接岸が遅れているとのこと。

朝方、干潮からの上げ始め、エサにBBワームを付けて100mほど投げた竿に30、32、45cmのイシガレイが連発しました。しかしその後、エサ盗りのフグと、大量の「流れ藻」で7時間釣果無し…。しかし、納竿直前の夕マヅメに、三脚から竿が吹っ飛ぶもの凄いアタリがあり、リールを巻いてくると、海底を這うような大型カレイ特有の引き!

PE1.5号で100mほど投げていたので、最初は慎重にリールを巻いてきました。そこのポイントは足下に捨て石やカキ殻などが多く、根掛かりのリスクがあったため、力糸の結び目がリールに入ったのを確認後、かなり強引に浮かせにかかると、大型のイシガレイが水面に姿を現しました。

大会以外ではタモ網を持参しないので、太ハリスを持って、いつものようにゴボウ抜き。 実寸で60cm、重さ2.6kgの特大イシガレイでした。去年は、10月中旬に60cm(2.9kg)を釣りましたが、今年はやはり去年よりかなり遅れました。

また、この日は同じクラブのメンバーも夕方に55cmを釣り上げています。いよいよ乗っ込みが本格的に始動したようです。

左上)最近は宮城でもシマダイ(イシダイの子供)が普通に見られるようになった。右上)この日、東海林さんが使ったBBワームはつりえさ倶楽部マリン仙台新港店の新商品(新入エサ?)。下)エサ盗りの代名詞といえばフグ(写真はヒガンフグ)

取材・テキスト/東海林誠

PROFILE:東海林誠

家業である米穀店の仕事と育児の合間に、せっせと釣り場に通う、投げ釣りマスター。特に大物獲りに情熱を注いでいて、左の写真は09年シーズンに釣った60cmと52cm。仙台広瀬キャスターズ所属

 

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