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気を付けたい離岸流とその対処法[サーフ・砂浜、防波堤]

2017年7月28日配信 【HOWTO】 【編集部】

離岸流
陸っぱりのアングラーが気を付けなければならないものの一つが、砂浜や堤防の周りに発生する「離岸流」。この離岸流とは寄せた波が沖へと戻る流れのことで、夏場、海水浴中の死亡事故の多くもこの離岸流によるものがほとんどを占める。離岸流はどのように発生し、どのように対処するべきなのか?

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【シリーズ】釣りとライフジャケット

寄せた波が沖に戻るのが「離岸流」

海岸に向かって吹く海風が波を起こし、打ち寄せられた波が沖合に戻ろうとするのが離岸流。リップカレント(カレント)とも呼ばれ、一見して普通に波が寄せているような所でも急激に沖に向かう速い流れを発生する。

離岸流が発生するのは外洋に面した遠浅の海岸で、三陸などにみられる湾内の波の静かな砂浜などではあまりみられない。離岸流の幅はだいたい10~30mくらい、岸から沖に向かう距離で数10mから数100mに及ぶこともある。

離岸流の付近は魚の釣れるポイントであることが多い

離岸流は通称カレントとも呼ばれ、流れに乗ってエサも集まりやすく、海底がえぐれやすいことなどから、好ポイントを形成する。サーフの釣りで濁りが出たり、泡立つポイントを狙うのもこの離岸流と関連している。

釣り人は遊泳禁止場所で竿を出す機会も多い。遊泳禁止の砂浜は急深の海岸のほか、遠浅でも離岸流が発生しやすい海岸だったりする。釣りが禁止されていなければそこで泳ぐわけではないので特に問題は無いのだが、ウェーディング中など間違って流れに飲まれる可能性は十分に考えられる。

釣りをする際は万一に備えてライフジャケットを必ず着用し、足を取られやすい波打ち際から立ち込まない、ランディングなどで海に入る際も足元、大波に注意するようにしよう。

万一、離岸流に流されたらどうやって抜け出す?

万一、離岸流に流されてしまったら、ライフジャケット(必ず着用)の浮力に従い、慌てずに体力を温存する。離岸流に逆らっても体力を失うだけなので、まずは落ち着いて、手を振るなどして救助を求める。

浮力と呼吸を確保したら、離岸流から抜け出すために岸と並行に(横方向に)泳ぐ。離岸流の幅は10~30mと言われており、沖に向かう速い流れから抜け出すことができる。

離岸流を抜け出したら、ゆっくりと岸に向かって泳ぐ。岸に向かう向岸流があることが多い。

【離岸流から抜け出す方法】
1)流れに逆らって泳ごうとしない。
2)岸と並行に泳いで離岸流を抜け出す(離岸流の幅は10~30m)
3)抜け出せたら岸に向かって泳ぐ(向岸流に乗る)

釣りや海水浴などで海岸を訪れることが多い季節。離岸流の危険性を頭に入れて、レジャーをお楽しみいただきたい。

参考資料/
マリレ情報よろず屋 第24号

※取材協力/第二管区海上保安本部交通部安全対策課

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