釣行記

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ロッドプランナーのひとり言[第7回]ロッド開発のお話

藤井伸二 2021年1月7日 更新

バレーヒルのロッド開発者、藤井伸二さんが月1回のペースでものつくりへのこだわりを語ります。

ロッドプランナーのひとり言バックナンバー

ロッドデザインにおけるカラー選び

皆様明けましておめでとうございます。本年も引き続き宜しくお願いします・・・・
というわけで今月のコラムです。

今回は製品の宣伝とは少し離れて、ロッド作りに関するお話を少しさせていただきたいと思います。

以前のコラムで書いたように私のようなロッドプランナーもしくはロッド開発担当者が企画を考えた後で生産工場へ依頼して商品開発は進んで行くのですが、こちらがデザインした内容と必ずしも全て同じになるのではなく、実際は希望より若干妥協しなければならない部分が発生します。

例えばブランクカラーやメタルパーツカラーについて。

もちろん自社工場を持っているメーカーだと、実際に在庫のあるカラー(もしくは手配できるカラー)がデータ化されているため、それに基づきデザインを進めることでより希望に近い商品が出来上がっているかも知れません。

ただ私たちのように外部工場へOEM生産を委託している場合は、デザイン作成で希望したものと同じカラーが実際にあることは稀で、結果的に工場が手配できるカラーにこちらがデザインを合わせて行く必要が出てきます。

そのため予め委託工場が手配できるカラーの見本サンプルを用意しておき、それを考慮しながらデザインを起こして商品開発を進めて行くこととなります。そういう場合、どうなるか?簡単に言うと
「デザインの自由度が制限される」
こととなります。ただ逆に言えば「柔軟な発想」「色合わせの勘」「持っている感性、感覚」などパズルを組み立てるようなイメージで商品を作り出すことも出来るわけです。

メタルパーツのカラー見本。とあるOEM工場のものですが、ここまで揃っているところは珍しいです。もちろんカラーが増えると悩みも増えます(笑)

ブランクカラー見本。少し専門的な話をすると、全てのカラーが手放しに使えるわけではありません。カラーによっては使用している塗料素材が原因でブランク塗装に向かないカラーも存在します

スレッドカラーの見本。正直、ここに何色有るのか分かりません(笑)。これも選び放題のように感じるかも知れませんが、ロッドという商品の性質上で綺麗な色であっても今一つ似合わないカラーもあります

ちなみに上の写真は「メタルパーツ」「ブランクカラー」「スレッドカラー」の見本。メタルパーツ見本を除いて、これらは全て塗料メーカーおよびスレッドメーカーの見本なのですが、これとは別に各工場独自に持っている見本が多数存在します。

これを見て、皆さんはデザインイメージが湧きますでしょうか?(笑)
私自身ロッド作りに携わって10年以上となりますが、私も未だに迷うことがあります(笑)

ただ一方で色々なロッド作りを経験してきたおかげで、デザインを纏めるのに一定の法則性があるも分かっています。その辺りの話は、また別の機会にも書きたいと思っています。

ガイドメーカーのカタログ。今回のコラムでは触れませんでしたが、ガイドメーカーも何社か存在しています。日本国内では基本的に「富士工業」の製品しか使用していません

カタログに記載される「カーボン含有率」って?

ところでロッドデザインとは少し話が逸れますが、皆さんが各メーカーのロッド表記で見かける「カーボン含有率」についてお話したいと思います。このカーボン含有率ですが「全国釣竿公正取引協議会」が決める規約および規則に基づくもので、例えば「カーボンロッド」と表記できるのは「カーボン繊維が50%以上使用されているもの」となっています。

ちなみにカーボン繊維と合わせて表記されることが多い「グラス繊維」ですが、当然ながらグラス繊維の方が50%以上使用されていると表記は「グラスロッド」に変わります。

ここで問題です。
「カーボン含有率90%(カーボン繊維90%/グラス繊維10%)」
のカーボンロッドがあるとします。このロッドに使われているカーボン繊維も90%で しょうか?

答えは×です。少しややこしい話なのですが、答えは「カーボン含有率とカーボン繊維の含有率は別の話」となります。

カーボン含有率というのは「そのロッド全体を100とした場合、その中でカーボンシートが使用されている割合」を指しています。そのためこのロッドの場合は
「全体の90%がカーボンシート、残りの10%がグラスシートで構成されている」
ということになり、使用されているカーボンシートがカーボン繊維100%で出来ているかどうかは別の話と言うことです。

私もカーボン素材に関する専門家ではありませんのでざっくりとお話しますが、ロッドに使用されるカーボンシートには種類があって、シートによって使われている樹脂量(カーボン繊維を繋ぐ硬化性の樹脂量)が変わります。

またカーボン繊維を樹脂でシート状に固めたものがカーボンシートなので、樹脂量無しのカーボン繊維だけでシートにすること出来ません。

なお具体的な数値は素材メーカーのHPを見れば記載されているので、詳しく知りたい方は一度見ていただいたら良いですが、たぶん大半の方は理解できないと思います(笑)

というわけで、今回のお話はここまでです。

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PROFILE:藤井伸二(バレーヒル・ロッド開発担当)

15歳よりルアーフィッシングを始める。某ルアーメーカーを経て現在はバレーヒルにて主にロッド開発を担当。得意な釣りはバスとハードロックフィッシュで「ブラックスケール」および「サイファリストHRX」シリーズの開発担当者である。

 

※画像・テキスト/藤井伸二
※協力/バレーヒル

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