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秋冬シーズンの三陸磯ロック 今季の岩手アイナメを解説

佐々木 健太郎 2022年11月23日 更新

秋~冬の三陸磯ロックシーズン最盛期。しかしながら、ちょっと難しい釣りになっている今季の岩手のスポーニングアイナメ。シブい状況を攻略するためのコツをピュアフィッシングフィールドテスター佐々木健太郎さんに解説していただきました!
(2022年11月23日掲載)


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なかなかに厳しい今季の秋冬スポーニングパターン

11月も半ばに差し掛かりSNSでよく見かけるようになってきたロックフィッシュ釣果。
私も例年通り足繁く通っている今年の岩手の磯ロックについて解説したいと思います。

まず、みなさんが一番気にしているのは今年のアイナメはどうなの?というところ。
結論から言うと、びっくりするくらい魚影が薄いです(泣)

私自身、大型アイナメを狙い通ってはいましたが、いるスポットにはいるけど外すとノーバイトということがしばしば。

夏からのヒラメの泳がせ釣りや青物ジギングでほとんどアイナメの釣果を聞かなかったこともあり、今年の秋冬は…と予想していましたがその通りになってしまいました。

紅葉も見頃になってきました
婚姻色が出はじめた30cmクラスの個体

今年のアイナメの攻略法を解説

通常、三陸のアイナメは10月の半ばからスポーニングを意識して接岸します。今年もスポーニングを意識している個体がスポーニングエリアにしっかり入っています。
全体的に大型が少なく、子孫を増やそうと中型〜小型の個体が積極的に産卵に絡んでいる。そんな印象です。

そんな今年のアイナメの攻略法を紹介します。

1.足を使って歩きまくる

これが三陸磯ロックの基本となります。
各エリアを釣り歩くことで大体どのエリアが好調なのかを絞れます。
とはいえ、ポイントにより当たり外れの大きい年なので軽く状況を解説しますね。

シャローの第一陣はすでに産卵を終え、ミドルに第二陣が待機しています。
大型が多いとされる第一陣はなかなか口を使ってくれないというが現状です。

大型のみに狙いを絞るなら外洋のシャローエリアが吉。時合いはあるので根気よく探ると思わぬ大型が飛び出すかも?
大型のアイナメはシャローに差していますが、数が少ないのが今年の特徴です。
威嚇にしても捕食に訴えるにしても、潮が動かないことには活性は上がりません。
低活性のアイナメは潮の止まりかけや、動き出しで大型が釣れることがよくあります。

そして今年の大きな特徴の一つである、フグバイトの少ないスポット。
フグが沸いているエリアはアイナメがバイトに至らないケースが多く、『このサラシ絶対いるでしょ!』というスポットは意外とフグの猛攻に遭遇します。
フグバイトの少ないエリアを頑張って歩いて探し当てましょう!

釣れない日は半日でこれくらい歩きます
11月頭に釣ったアイナメは放卵寸前でした
「ガルプ!パルスワーム」のクリアピンク。オープンエリアのスピニングタックルで遠投。目立つカラーを一色は持っておくと重宝します


バークレイ
ヒットカラー「クリアーピンクシルバーフレック」

2.シンカーで効率アップ

時間に縛りがなく休日は一日中釣りができるよ!という方は少ないと思います。
限られた時間の中でいかに広範囲のアイナメバイトを拾っていけるかがポイント。

根掛かりを極力抑えることで効率よく探って魚のいるエリアを絞る。
根掛かりが少なく、おかっぱりからボートまでストレスフリーに使えるシンカーが【スイベルシンカー】のようなスティック型の物です。

「Berkley Swivel Sinker(スイベルシンカー)」(バークレイ)

色んなシンカーが市場にありますが、スイベルシンカーは径が小さいのですり抜けがよく、起伏の激しい三陸磯ロックでは重宝するシンカーです。

ただし、これは上下アクションの要素が強いシンカーなのでスイミングを主体とする場合は『バレット型』や『ディアドロップ型』のシンカーの相性がいいでしょう。

具体的なシチュエーションは磯場のような起伏の激しいエリアで、ストラクチャーに対して縦にタイトに探る場合は【スイベルシンカー】のようなスティック型のシンカー。

ゴロタ浜のような小さい隙間が沢山あるようなエリアは隙間に入り込みにくいバレット型やティアドロップ型の中通しシンカーが隙間に入り難く、根掛かりを回避しやすいでしょう。

軽いシンカーを使えば底取りがしづらくなりますが、根掛かり回避率が高くなります。
さらにフォール(バイト)時間が長くなる上、無駄な重さがなくなるので魚のアタリを取りやすくなります。

重いシンカーを使うということはシンカーの体積が大きくなるので物理的にも根掛かりが多くなります。
しかし、慣れてくればそのスポットの状況を素早く探ることができる上、そのスピード感でしか口を使わない魚を効率よくキャッチすることができます。

それぞれメリット・デメリットはあるので状況によって各形状、各ウェイトのシンカーを使い分けることを意識しましょう。

下方重心で縦のアクションに強い形状
中通しで針に対して直線になる横のアクションに強い形
スイベルシンカーは径が小さいのですり抜け効果バツグン。シンカー形状も使い分けることで武器となります

3.ガルプに頼る

アイナメは放卵放精寸前になると餌を捕食しなくなりますが、卵や精子を成熟させている期間は体力をつけるためにしっかりと餌を食べます。

特に今年の岩手ではガルプ!のような味と匂いのあるワームが強力な武器になります。
ロックフィッシングは釣れば釣った分だけ自分の経験値となり釣り勘を養え、その魚が次の魚へのヒントになりますから、敬遠していた方も今一度ガルプ!を手に取ってみてくださいね。

食性に訴える場合、重いシンカーで速いアクションよりは軽めのシンカーでベイトに近い微波動(あまり水を掻き回さない)系+味と匂いのあるワームがいいでしょう。

これからの時期はミッドスポーンの個体が増え、食い渋り個体が多くなるので、口元に送り込んでから素早い動きで反射的にルアーに食わせるリアクションも有効になります。

私がよく使う手段は『派手なカラー』+『重いシンカー』。

そこへ
・ビッグワームか
・3〜4inchの一口サイズか

という要素が入ってきます。

三陸の磯ロックならもちろんビッグワームでビッグドリームを!…と言いたいところですが、今年に限っては一口サイズが安定しています。

まずは魚に興味を持たせる為にクリアピンク、ニュークリアチキン、CGBFOのようなカラーで見つけてもらいましょう。
サーチし終えて、派手なカラーに反応がないならナチュラル系へ変えていくのがセオリーです。

「ガルプ!ソルトウォーター パルスワーム 4インチ」(バークレイ)
まずは魚に見つけてもらうことが重要
ジップロックにまとめて入れています
ナイトのイメージのあるホワイト。日中も実績高いカラーです

4.ベイトタックルとスピニングタックルの使い分け

スピニングタックルとベイトタックルでは反応する魚が別物になります。

スピニングタックルは遠投も効きますし、軽いリグも扱いやすく、PEラインの浮力を活かしたライン角度でオールマイティに攻めることができます。

対して、ベイトタックルはフロロカーボンの比重でラインが水中に入り込むことでPEラインでは引いてこられないコースをトレースできますし、沈み根の向こう側をタイトに探ったりと多少のムリもききます。
魚を掛けた際もスピニングタックルに比べるとダイレクトなやりとりができるので、アイナメの暴力的なファイトを存分に堪能することができます。

スピニングタックルとベイトタックルを使い分けている
ベイトタックルでオスとメスののダブル50up

どちらにもメリットはありますが、もしタックルを二本持ち歩く余裕がなく一本で!というなら強めのスピニングタックルに1.2号以上のPEライン、20Lbのフロロカーボンリーダーを組んで持っていくことをおすすめします。

たまに大型のソイ類も掛かったりしますからね。

こんなクロソイが掛かることもあるのでスピニングタックルのラインはなるべく太めがオススメ
ミッドスポーンの50cmメス
こんな日もあるから磯歩きはやめられません

5.安全装備

(1)ライフジャケット
自動膨張式ではなく、浮力材入りのベスト型を着用しましょう。
自動膨張式では貝類や岩のエッジで破ける恐れがあり危険です。

(2)スパイクシューズ
山からのエントリーがほとんどです。
落ち葉が多い時期ですので、グリップが効くスパイクピンタイプを履きましょう。

(3)熊鈴
自分の存在を熊に知らせる為に身につけていた方が安心です。

ライフジャケットは股紐がある物、スパイクはフェルトではなくスパイクピンの物を選びましょう
熊鈴やホイッスルがあると安心感が違います

今回は磯ロックの大まかな部分を解説させていただきましたが参考にしてもらえたらと思います。

これからますます楽しくなる三陸のロックフィッシング。
事故、怪我のないよう安全に楽しみましょう!



バークレイ
遠投も可能な21g、28g、35gをラインナップ!

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※取材・テキスト/佐々木 健太郎
※取材協力/ピュア・フィッシング・ジャパン

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