6年目の3.11東北塩釜沖の船カレイ釣行[後編]塩釜~東名~女川巡り
神奈川在住の山口充さんが今年も東北へ。3月10日は塩釜沖でカレイ釣りを楽しみ、3月11日当日は東日本大震災と津波の被災地である宮城沿岸を巡った。
後編では3月10日の夜に行われた鹽竈神社帆手祭の模様や、東松島の東名地区、女川町の3月11日の様子をお届けします。
※2017年4月掲載の記事です。
塩釜神社の帆手祭(ほてまつり)
3月10日、塩釜帆手祭りは毎年楽しませていただいているが、今年はえびす屋の伊藤栄明さんが神輿を担ぐという事でそれも楽しみにしていた。
仙台湾から帰港後、一旦ホテルに戻って着替えてから本塩釜の駅で待っていると神輿が到着。皆さん同じように見えてしまい中々見つけられない。すると石井さんが「いたいた!」と伊藤さんを発見。
「一生に一回だよ」と照れくさそうに仰っていたが中々似合っていて記念撮影。レアな写真を撮らせていただいた。その後、神輿と一緒に市内を回り、午後7時いよいよ神輿が塩竃神社の202段を登っていく。掛け声とともに今年の帆手祭りもエンディングを迎えた。
観客の声、そしてお祭りに参加していた皆さんの「がんばれ」と言う掛け声は心響く。翌日は311。復興皆でがんばれ・・とも聞こえてくる。神輿が帰った途端、吹雪に。幻想的な時間であった。
3月11日は東松島から女川へ
そして3月11日。東名、野蒜、女川へ。思い出が詰まっている地域。JR仙石線の「東名駅」、「野蒜駅」は内陸に移動。運河沿いの工事も少しずつであるが進んできている。
特に旧野蒜駅は震災を忘れない様に保全の措置が取られている様で、沢山の人が訪れていた。また月浜付近は海岸沿いが整備されて倉庫などが新設されていた。海水浴場としても再開する様だ。
2時46分、女川町で黙祷
そして女川へ。住宅地や港の入り口はまだまだ盛り土の工事途中だが、女川駅も昨年石巻線の全通で新しい駅舎がオープン。シーパルピア女川として今年は更に駅前の開発が進み沢山の人が訪れていた。ここで昼食。
メニューを見ているとどれもこれも美味しそう。自分はサンマ定食を選んだが、冷凍技術が凄いのか最高に美味しいサンマ。お米も宮城米。味噌汁も付け合わせのおかずも美味しく感謝感謝。お店の人も本当に親切。
そして「その時」が近付き、女川町地域医療センター(旧女川町立病院)へ。ここ数年お会いする有志で来ているというお坊さん達がお経をあげ始め手を合わせる。
病院敷地内にある喫茶店「おちゃっこクラブ」で名物のホヤのアイスクリームを食べながらご主人にお話を聞くと、「ここまで来たんです」と津波到達点のプレートを指して当時の状況を話してくれた。実に32メートルの津波である。目の前の風景、目を瞑ると思い出す事も多いが、そこで釣りの話をさせて頂き、「釣りでも復興応援の大会がありそうで自分も来ます。またお会いしましょう」と再開を約束して駐車場へ。
そして午後2時46分。サイレンと共に黙祷。必ず来年も東北で311を迎えたいと思う。
翌日は塩釜水産物仲卸市場に寄って知り合いへのご挨拶。お土産を買いながらお昼ご飯にする。この市場では海産物を買い、ごはんセットを購入して食べる事が出来る。様々な魚があるので非常に楽しく思い思いの定食を作って楽しんだ。お客さんも可なり来ていたので今後が楽しみである。
そして、帰りは国道6号で福島へ。常磐道は全通、JR常磐線の復旧も進み、ここ数年で全通の予定。
この福島エリアは夢の様な釣り場が沢山あった。船宿さんも、常連さんも優しい方々と沢山出会い、思い出も沢山あるエリア。ここでビッグワンを狙える時が早く訪れる事を願っている。
そして明け方、横浜に到着。今年は復興庁も釣りというジャンルを後押しして、宮城県と岩手県で「復興イベント」を開催する予定との事。自分も参加して皆さんと盛り上がりたいと思っている。頑張ろう東北。
横浜市在住のライター&フォトグラファー。元2輪レーサーで、「宮城ササニシキレーシングチーム」を結成するなど、宮城や東北にも縁がある。現在は大好きな釣りと魚を求めて各地を旅するのが楽しみ。ヤマシタ・アドバイザリースタッフ、マリア・フィールドスタッフ。ブログShisen
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※取材・テキスト/山口 充