魚種豊富で楽しめる!牡鹿半島~金華山沖のスローピッチジャークジギング
春まではヤリイカのチャンスも!今のターゲットを魚種ごとにチェック
スローピッチジャークのジギングでは根魚やタラをはじめ、青物、イカの回遊魚まで色々な魚種が釣れてくる。釣り方は一緒でも、ポイントにより魚種が多様なのがこの釣りの面白さ。まずは今の時季に狙えるターゲットを確認しておこう。
まずは根魚類から、アイナメは沖アイナメという深場に着くタイプがこれから4月下旬頃まで盛期になる。水深は60mより深く、100m超のポイントで釣れることも。岸寄りはシーズン終盤だが、深場は荒食いの季節のため活性が高く、これから最も面白いターゲット。
沖アイナメはジグへの反応、引き味もさることながら、特筆すべきは食味の良さ。浅場のアイナメは甲殻類、貝類を中心になんでも食べるので若干臭みがある個体も多いが、沖のものはメバルやイワシなどの魚類ばかり食べているのでクセがなく、脂も乗って味が全く別物なのだ。
「魚嫌いの人でもこれだけは食べられるという人もいるほどです。ぜひ釣って食べてみて驚いて欲しいですね」と船長。
続いてソイ類では、マゾイはエリアにより45~50cmの大型ばかりが揃う。金華山沖など沖のポイントに出られた時がチャンス。仙台湾側の漁礁など湾内側はクロソイの割合が多くなる。ベッコウゾイも良型が多く、こちらは水深15mといった岸寄りの根に多い。スローのジギングは縦の釣りなので、横方向に攻めるロックフィッシュに比べダイレクトに根を攻めることができる。
メバルはクロメバルとオキメバル。これから春にかけてはクロメバルが好シーズン。いい時には一投一尾ペースでヒットしてくる。沖側のポイントに出られればオキメバルも期待できる。
マダラは年末から1月中旬にかけて、金華山沖や田代・網地島周りで白子入りが上がっていた。今は白子は抜けてしまったのだが、浅場に接岸して荒食いをしているのでコンスタントに混じってくる。水深35mくらいの浅場にまで接岸中。
回遊系魚種のサバも釣れている。例年ならサバが釣れる季節ではないのだが、今シーズンはイワシが多い影響で仙台湾周辺にかなりの数が残っている。冬のサバは脂の乗りが抜群。しめ鯖、塩鯖などにすると最高だ。
ヤリイカはスロージグで底付近を狙っていて、回収中に乗ってきたもの。胴長50cm級もある大型のパラソルヤリイカだった。昨シーズンも今頃から釣れ出して4月中旬頃まで上がったので今後も大いに期待できる。
本格的にイカも釣りたい人はスッテなどイカ用の道具も用意しておくといいかもしれない。ただ、ポイントが金華山沖の一部に限られるので、狙えるかどうかは海況次第だ。
基本のタックルとジグ ジグのウエイト選択が重要!
快星丸の佐藤船長がおすすめしているタックルは、ロッドがエバーグリーンの「ポセイドンスロージャーカー」の2番クラス(603-2)、リールはシマノの「オシアジガー1500HG」
エバーグリーン 12 ポセイドン スロージャーカー PSLJ603-2
SHIMANO(シマノ) リール オシアジガー 1500HG 27450
ロッドはスロージギング用の2番クラス(2oz)が仙台湾にはぴったり。上で紹介したオススメの商品が理想だが値段も高めのため、予算に合わせて2オンスクラスを使用すれば問題ない。ロッドのクセなど好みもあるので、2本目以降、好みのものを選んでいけば問題無いだろう。
リールはハイギアタイプが1/3回転、1/5回転と刻みやすく、アクションをつけやすくて良いだろう。スローの釣りではライン放出時の抵抗が少ないレベルワインダー連動型かレベルワインダーの無いタイプが向く。発売前の新製品でスタジオオーシャンマークの「ブルーヘブンL30」もかなり良さそうだ。
ラインはPE1.2号か1.5号で十分。どうしても心配な人で2号。リーダーは1.2号の場合でナイロン25Lbの組み合わせ。
よつあみ(YGK) ライン G-soul スーパージグマンX8 200m 30Lb(1.5)
よつあみ(YGK) ライン G-SOUL SUPER JIGMAN X4 600mスロースタイル 1.5号(25lb)
メタルジグは80~200gの間で20g刻みで2個ずつ用意するのが理想。というのも、快星丸ではジグのウエイトを水深に合わせるのではなく、水深プラスその時の状況で決めるため。
「例えば水深50mだとして80gでやる時があれば、200gで釣ったほうがいい時など様々です。スローピッチの釣りでは潮やベイトに合わせてウエイトを使い分ける必要があります。よほど魚の活性が高ければどんなアクションでも食ってくるんでしょうが、そうでもない限りはジグを選んで、最もベイトに近い動きをするものを選ばないとなかなか釣れません」
メタルジグはスロー用の中でも横へのスライドアクションをつけやすいタイプがおすすめ。ディープライナー社なら「スパイ5」か「スパイ」が使いやすい。ダミキジャパンの「闘魂バックドロップ」は放っておいても自然に横スライドしてくれるので、初めてでも扱いやすいはずだ。
スロー用ジグの飛ばし過ぎはNG 冬場の基本のテクニック
根魚類のレンジはボトムから10m。根魚狙いではスローピッチジャーク時にジグをあまり動かしすぎないのがポイントになる。
「青物と違って根物では、ジグを飛ばし過ぎると根魚の視界から消えてしまい食うことができません。アクションさせる際はあまり動かしすぎず、弱ってヘロヘロになったイワシをイメージして動かすといいでしょう」
スロージャーク時にリールを回す範囲は1/3回転以下。1/4、1/5、1/6と小刻みに調整して食わせる必要がある。快星丸では初級者には船長が横でレクチャーするので、スローピッチが不慣れな人でも1日で難なくマスターできるはずだ。
快星丸では予約時には竿を出すポイントを決めず、天候次第で行けるところまで(乗船者の希望に合わせて)行くというスタイルを取っている。
海況が穏やかな日は金華山沖まで出られることもあるし、少し荒れて仙台湾側から外に出られないときは田代島、網地島周辺漁礁など牡鹿半島周辺が中心になる。天候が悪くてそこまでも行けないような日は大根周辺など手前のみということもある。海況により釣行エリアが変動するので、そこらへんはあらかじめ頭に入れておこう。
快星丸では同船メンバーの希望に合わせ、狙いたい魚種の釣れるポイントに案内してくれるので、自由度の高い釣りが楽しめるはず。これから面白いのは何といっても沖アイナメ。そして金華山沖まで出られればヤリイカやマゾイなども大型に期待できる季節。3月中旬頃からはサクラマスも始まる予定で、狙って釣ってみたい魚種が目白押しなのだ。
国道45号線沿いの越ノ浦漁港から出船。ロックフィッシュ船なども出ているが、スローピッチのジギング船が大人気で今はスロー専用船のようになっている。ジギング船はその日の海況によりポイントが変わり、一人あたりの料金も距離により10,000~12,000円で変動する。土日祝日は毎週出船。平日も予約可能なので問い合わせを。
■予約TEL:070-5095-9862
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※取材・解説/佐藤 慎一(快星丸船長)