釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

名立沖真鯛が絶好調 しかもロングランの気配

山口充 2021年3月24日 更新

今回、新潟名立谷浜沖の真鯛「ノッコミ」にチャレンジ。ここ数年タイミングが悪く、釣行時には天候悪化や「先週は良かったのに‥」という「行いの悪さ」なのか、はたまたメンバーの中に、そういう「運命」の人が居たか、辛い状況が続いていました。

ところが今季、そんなメンバーにも朗報が。新潟の情報を見ていると「今年こそいけるんじゃない」と何故か我慢出来なくなってメンバーを緊急招集。「急なんだけど」というお願いにも、釣友の岸上さん、志奈さん夫妻、釣り河北でも料理を担当してくれている石井さんと一緒に向かうことになりました。
※2014年6月掲載の記事です。

過去には狙いに行くと釣れなくなる(?)というジンクスが‥

九州下道大返しを決め すぐさま上越へ!

実は新潟出発前日まで九州に車で移動。しかも経費削減のため、横浜から「男の一般道」での走行を余儀なくされていました。新潟マダイの仕掛けを九州のホテルで作り時間を節約。「帰りはマダイ優先、途中から高速で」と姿勢が軟化。神戸から高速で横浜へ。

数時間の休憩をして新潟へ。ナビをセットすると「近い‥」。九州までの片道1000kmを超える数字を見ていた為に、350km前後の数字に何故か近く感じる。まあ宮城までは約480km。最近一般道で向かう事が多くこの距離は想定内だったりします。午前3時、名立谷浜港に到着。「雨」。やはりこのメンバーの中に何かが有ると思いながら準備を開始しました。

今回お世話になるのが名立谷浜港の海遊丸さん。船長の藤井忠和さんはマダイだけではなく、へらぶな、渓流釣りのスペシャリストでもある。色々な釣りからのノウハウを教えてくれる所も楽しい部分。

徐々にお客様も集まりだし船長も到着。乗船してロッドをセット。キーパーは船にセットされているので、荷物が一つ減るのも嬉しい部分。

タックルは2.7mマダイ竿に小型~中型の電動リール、もしくは中型の両軸リール。道糸になるPEラインは3号前後。マダイ用の天秤に1.5mmのゴムクッションを1m。仕掛けは3~4号フロロカーボン10mが基準で、ハリはマダイ用の9~11号。この辺は状況を見て変更したい部分で、活性に合わせて行くのが吉。

コマセ、付けエサはオキアミ。「場所が近いから投入できる準備しておいてね」と船長。午前4時30分を回り出船。本日は午前、午後船のスタイルでのマダイ釣り。さてさてどうなるか‥。楽しみにしてポイントに向かった。

ポイントに到着してスタート。「棚は上から9m」。「でた~新潟オリジナル‥」みなさん苦笑い。指示棚が極端に浅いのがこの新潟エリアのノッコミ真鯛の特徴。こんな時は必ず良い事がある。

まず指示棚からハリス半分をプラスして14mまで沈める。そこからコマセワーク。このコマセワークもまき餌がほんの少し出る程度にコマセカゴをセットする事が重要で、撒き過ぎは外道を寄せてしまったり、棚をばらつかせてしまうので気を付けたい部分です。

竿先を海面に入れた部分から大きく振り、9mでキーパーにセット。暫くすると「反応が出てきたから誰か当たるよ」と船長。すると志奈さんにヒット。引きが強い。ヒットした水深が浅く、青物の様に走る独特の新潟ノッコミマダイ。見事にマダイ1.5kgクラスをネットに収めた。笑顔の志奈さん。数年通ってくれたが中々良い日に当たらなかった事もあって嬉しそう。

すると石井さんにもヒット。手慣れた感じでマダイとやり取りをしている。「いいね~」と余裕の表情で2kgクラスをゲット。周りでもポツポツと上がり始めて「さあ来るぞ~」と思いながら集中していると「来た来た」と再び志奈さん、石井さんに連続でヒット。岸上さんはタモ係、自分は「おねえちゃん、釣れたらこっちによこしな~」と神経〆係に変身。

釣ったマダイはおいしく頂けるようにしっかり神経締め

「なんでこうなるの・・」とある意味船上で「ウケれば」嬉しいですが、この時間女性陣がいる左舷側にアタリが集中。そうしている間に自分にもヒット。「来たよっ~」と岸上さんがタモを用意。上げてくると「んっ‥青い」。イナダであった。これが連発してしまう。棚は船長の指示通り。イナダも悪くないのだが、マダイのチャンスが無くなってしまうので複雑な心境。潮下にいる自分の所にコマセが多く流れて居るのだろう。「忍耐」の時間。

岸上さんにもマダイがヒットし始めた。「そろそろ」と思った時に自分にもマダイがヒット。「間違いないよ~」とファイトを楽しみコマセカゴを回収。ハリスを手繰るが、再び魚が走る。ここからのやり取りも重要。浮く場合もあるが、とにかく元気一杯のマダイ。海面下で青白く上がってくる魚体。「やった~」。2kgクラスのマダイをゲット。

左舷に続いて右サイドも釣れ出した

ここからが凄かった。左舷で女性陣が連続で、マダイをヒットさせると、タモ入れを手伝っている自分にもヒット。タモが間に合わない状態。石井さんが4kg弱のまさにノッコミ鯛を上げれば、志奈さんも3kgクラスを上げて嬉しそう。ミヨシの方でもお客さん達が連携プレーでタモ入れ。まさに確変。マダイフィーバータイムが訪れたのでした。

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この日の状況に合わせたハリとハリスづかい

各自順調に数を伸ばしていきますが、大事なことは数回のバラシ。何故起こるのかを考える事も重要。完璧は無いにしても何か原因があるはず。10枚釣った時点で3回のバラシでハリス切れは無し。

自分は待ってましたとばかりに仕掛けを大幅に変えていきます。10kgも期待できるエリアであり正にその時期。本来のターゲットは最大で10kgオーバー。自分のタックルと水深や潮の影響を加味したデータ取りを行なう訳です。ハリとハリスのマッチング、それに合わせたタックルのバランスはどうなのか。

まずはハリの号数を小さく変更。チモトは編み込みで補強します。4号基準のハリスの所を2.5号にしてハリを10号から8号へサイズダウン。この時期、新潟エリアの場合は無駄にハリスの号数を下げる事は必要ないのですが、ハリが小さいと結び目が締まり切らず抜けてしまう危険性があるため号数を下げました。

クッションゴムも1.5mmから1.25mmにパワーダウン。更にブラスシンカー20号を足してコマセカゴを100号として竿のパワーを下げます。

これは他のアングラーもタモに入れた際にマダイが外れる事が有ったのですが、原因は水深と判断。水深が有り、水圧が掛かった状態であれば竿が曲がり込んだ状態になり、向こう合わせでも確りとハリが刺さる状況になりますが、水深が浅いと反発が強く残り、ハリ先が乗った状態が起きてしまって貫通していない感じだったのです。ここがバランス。

そしてヒットして慎重にやり取りし、無事2kgクラスをキャッチ。掛どころを見てみると『やはり』。確りと飲まれている。これはマダイ竿の中でも軟らか目の物を使用していて起こる現象で、例えば少し強い竿を使えば吸い込んだハリが魚の引きにより外に出て口周りに掛かるか、悪ければ外れる事になります。特に小バリの場合、フトコロが狭いのでパワーがある竿だとすっぽ抜けの原因。

ハリスはこのタックルセットの場合、釣ったサイズにもよりますが、ブツブツのマダイの歯の間に細いハリスが通っていた為に無傷。逆に糸が太くて歯で潰された場合にはブレイクの可能性も出てくるわけです。いずれにしても飲まれてしまっては仕掛けを交換。

数匹釣って結果を見た所で、今度はハリス5号でハリを11号、ブラスシンカーを外して80号にしてみるとパワーがない分貫通力がなく、紙一重でネットインかバラシかという状態に。100号にすると少し状況が改善したものの、万が一を考えると、今回持ち込んだ自分のタックルの場合はハリスは3号、ハリは10号が本日のベストという感じになりました。

そうしている間に1kgから4kgクラスまで一人20枚近い釣果を記録。「午後船も乗っていきなよ~」と藤井船長。神経締めと血抜きで鮮度保持は完璧にしているものの、クーラーのキャパシティが心配。「発泡の箱売ってるよ」との一言で午後も乗船することに。なんと後半は休憩しながら仕掛け製作となりました。

午後の期待は潮が変わって更なる大型が出るのでは?という事。夕マヅメに掛かる時間帯の為、「ニヤニヤ」期待しながら出船。

ポイントは朝と同じ航程約10分の近場。暫くすると再びマダイがヒット。2kgクラスが多く、4kg台までワンランクアベレージが上がった感じ。「思いっきり行こう」とメンバーに言いながら午後5時の沖上がりまでマダイの引きを楽しみました。午後も20枚。大満足でマダイ釣りが終了。この後船長と一杯と思いきや、夜釣りも‥。ヒラメも絶好調。こちらもこれから楽しみな上越名立谷浜沖です。

さてこの魚、発泡に入れて宅配便でお店数店に。送る金額も「嬉しい悲鳴」でしたがその分の料理も楽しみでその中の一店、神奈川県横須賀市にある「梅澤燻製店」さんで真鯛を燻製にしてもらう事に。

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梅澤燻製店

立ち飲みスタイルのこのお店、オーナーの梅澤晋一郎さんは釣り好きで元釣り具店の店員さん。それだけに美味しい魚と酒を知っているスペシャリストでもあるわけです。地元の魚を大事にしていて、佐島港で上がった地の魚を美味しい料理や燻製に。サバの燻製、カマスやアオリイカ等のイカ類やタコ。ブリ、サザエやアワビ等々の魚介類やはんぺんやお肉類など様々な燻製と、ウイスキー、日本酒、焼酎などあらゆるお酒があるお店です。物によっては、全国に配送も可能。

さて‥マダイの燻製は…「美味い」この一言。チップの香りが程よく効き、癖のないマダイの身にベストマッチ。立ち飲みなのにオープンラストのパターンでした。味はもちろん、かわいい店員さんもいて癒されるお店です。是非、横須賀界隈にお越しの際はお寄りくださいませ。季節によってカキの燻製もあってこれも絶品です。そんな帰って来てからも楽しい新潟マダイの余韻に浸った釣行でした。最高~。

写真は左からマダイ、コショウダイ、マダコの燻製
[船宿データ]
海遊丸(新潟県上越・名立谷浜港)
■船長…藤井忠和
■マダイ乗合午前船 午前4時30分・午前11時、他、一日船、夜釣り
※出船時間、形態は日によって変動。コマセ、付けエサはオーダー可能。料金は船宿問い合わせ。
■新潟県上越市名立区名立大町
■TEL: 080-1357-2255
■ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/kaiyuu0823
■ホームページ
http://www.kaiyuumaru.com/
■フェイスブック
https://www.facebook.com/nigata.kaiyuumaru?fref=ts
☆梅澤燻製店
・営業時間…17時~23時
・ラストオーダー22時30分
・定休日・・日曜
・〒239-0841 神奈川県横須賀市横須賀市野比1-19-9
・TEL:046-849-2611
・ホームページ
http://umekun.jp/
・フェイスブック
https://www.facebook.com/pages/%E6%A2%85%E6%BE%A4%E7%87%BB%E8%A3%BD%E5%BA%97/360158910721110?fref=ts
PROFILE:山口 充

横浜市在住のライター&フォトグラファー。元2輪レーサーで、「宮城ササニシキレーシングチーム」を結成するなど、宮城や東北にも縁がある。現在は大好きな釣りと魚を求めて各地を旅するのが楽しみ。ヤマシタ・アドバイザリースタッフ、マリア・フィールドスタッフ。ブログShisen

 

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※取材・テキスト/山口 充
※取材協力/海遊丸(新潟・名立港)

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