釣行記

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度付きの偏光サングラスをオーダーする際の注意点

奥山剛 2023年3月23日 更新

岩手県花巻市のメガネのおくやま・1級眼鏡作製技能士の奥山剛さんが釣りと偏光サングラスの関係や目についてのイロイロを語ります。
[連載]知っておきたい!釣りに役立つ目の話

今回は度付きの偏光グラスをオーダーする際に失敗しないための注意点などをまとめて解説します。

メガネユーザーの偏光グラスの選び方

メガネユーザーの方は偏光サングラスを度付きでオーダーするということもあると思いますが、普段のメガネは良くても、偏光サングラスにした時に違和感があるというケースもあります。その要因となり得るものをいくつか紹介します。

基本的に現状と全く同じメガネを使えば違和感はほぼ無いのですが、サングラスをオーダーする際に普段お使いのメガネと違うようにオーダーすることで違和感が発生します。
代表的なものは、
①フレームのサイズ
②フレームのソリ角
③度数
④レンズの設計
⑤レンズの材質
などが挙げられます。

4カーブフレーム
6カーブフレーム
8カーブフレーム 一般的にソリ角が大きくなるほど違和感を感じやすい

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フレームデザインの変更には最も注意が必要

フレームに関しては、「サングラスなので顔を覆うような大きくてスポーティーなデザインが良い」と考えて、普段使っているメガネより大きめのサイズを選びたい方がいます。度数の弱い方は良い場合もありますが、基本的にフレームサイズが大きくなるほど違和感が多く出ます。

普段使うメガネでも同じ度数で作製したとしても、フレームのデザインを変えたことで違和感を感じる方がいます。これは使用しているうちに慣れるものですが、あまりにも形状が違う場合は慣れられないという可能性もあります。

レンズに度が入るとデザインやブランドだけでフレームを選ばれるのは失敗するおそれがありますのでご注意下さい。

度数が強い方などは、メガネとジャケットがセットになっているタイプ(画像はゼクーのバロン)、オーバーグラス(画像はタレックス)、クリップオンサングラス(画像はタレックス)、フリップアップサングラス(画像はシーザーフリップⅡ)などで偏光サングラスを作製する方法も

度数を変える場合はまずは普段のメガネから

度数も今と同度数であれば、基本的には慣れやすいのですが、「サングラスなので良く見えるように度を上げたい」という方もいます。

度を上げることはもちろん可能でその上げ幅が許容範囲内であれば良いのですが、大きく度を上げなければならない場合はまず普段のメガネの度数を上げて、それに慣れてから偏光サングラスをオーダーすることをおすすめします。

なぜかというと、ほとんどのメガネ店は無色レンズの度数保証は用意している店が多いですが、偏光レンズの度数保証を用意しているメガネ店は少ないからです。一般的に無色レンズより偏光レンズのほうが価格は高いので、もし度数保証がない偏光レンズをオーダーして違和感があった場合は使わずに無駄になるということもあるかもしれません。それであれば度数保証のある無色レンズで一旦作製して、良さそうであれば偏光レンズをオーダーするという流れのほうが良いでしょう。


偏光レンズアーツ、内面非球面設計製作範囲表

レンズに関しては、レンズの設計の違いで違和感を感じる方も多くいます。具体的には単焦点レンズの設計は、球面設計、外面非球面設計、内面非球面設計、両面非球面設計とありますが、普段お使いのメガネと偏光サングラスのレンズ設計を違うものにしたために違和感を感じるという方も今までにいました。

これに関しては個人の感じ方によります。通常、偏光レンズの場合は標準の設計が球面設計となっていますが、メガネの無色レンズは非球面設計が現在主流になっています。不安な方は偏光レンズも普段お使いのレンズ設計と同じものを選択したほうが良いでしょう。また、一般的に非球面設計に慣れてしまい球面設計に違和感がある方はハイカーブレンズ(6カーブ、8カーブレンズ)に慣れるのは難しいでしょう。

今あげた項目はあくまでも一般論なのでこれに当てはまらない方もいると思いますが、少しでも不安な方はオーダーの際に質問してみることをおすすめします。

偏光グラスは見た目よりも快適に見えるものを

度付きのメガネの場合、もちろん見た目やオシャレという要素も気にされるのはわかりますが、『快適に見える、長く掛けられる』これが大前提です。

カッコは良くても役に立たなければ何の意味もありません。メガネの場合、オーダーの時点では完成しているものではありませんので、オーダーの時点でこのフレームとレンズを組み合わせた場合のデメリットや使えるか使えないかなど仕上がりのイメージをなるべく伝えてもらうほうが良いでしょう。

現在は通販という購入手段もあり販売員のアドバイスではなくセルフ的に商品を選択される方もいます。それはそれで良いと思いますが、『自分はこれは選ばないほうが良い』という知識をお持ちの方はほとんど見かけません。販売員の役割はおすすめを紹介するより『選ばないほうが良いもの(選ぶと失敗するもの)を伝えること』と考えております。

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奥山剛さんプロフィール画像
PROFILE:奥山剛(有限会社メガネのおくやま

岩手県花巻市出身1982年生まれ
1級眼鏡作製技能士
釣りやアウトドアシーンでのオーダーメイド偏光サングラスの相談も多く対応している。自身で組み立てする偏光サングラスの製作本数は年間300本以上

メガネハウスおくやまのFacebookにもメガネに関する情報投稿中!

 

※写真・テキスト/奥山剛

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