釣行記

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秋田沖で楽しい赤オニ退治![オニカサゴ&沖メバル釣り]

大坊朝生 2021年4月19日 更新

非常においしい高級魚として知られるオニカサゴ。限られた場所でしか釣ることのできない貴重なターゲットだが、数年前から秋田沖の深場でも狙えるようになっている。数の揃うオキメバルとセットにして、冬にうれしい鬼&沖リレーをご紹介!
※2012年1月掲載の記事です。

東北では数少ない新進のオニカサゴ釣り場

1月9日の竿頭となったこちらの方は一人で5匹を釣り上げた。オニカサゴの一人あたりの釣果は0~3匹くらいまでが普通で、5匹、6匹と釣れれば十分好釣果

オニカサゴは全身が赤い色をしたカサゴの仲間で、標準和名ではイズカサゴという魚。淡泊かつ旨味の濃い白身は最高級の食材とされ、そのウマさは鍋物をはじめ、刺身、蒸し物、煮付けなど調理法を問わず、舌の肥えた釣り人をもうならせる。

関東から西の地域では以前から人気のあった釣魚だが、もともと暖海性の魚とされており、数年前までは秋田沖での実績はほとんどなかった。「他の魚に混じって上がることはありましたが、狙って釣れるものとは考えていませんでした。ところが、青森の竜飛や小泊の方で釣れると聞いて、『もしかしたらこっちでもやれるんじゃないか』と試してみたんです。狙ってみると思った以上に釣れて、当初は驚きましたね」とは、遊漁船BIG BOYの大坊船長。

ただ、オニカサゴは釣果ムラが大きく、1日やって一人10匹ほど釣ることもあれば、全くダメなケースも。そこで、まず前半に数釣りを期待できるオキメバルで釣果を確保してから、+αでオニカサゴ狙う2本立てのプランで出船することが多くなった。今の季節(1月中旬現在)のオキメバルはシーズンに入ったばかりなので15~40匹程だが、春のハイシーズンになれば、オキメバルでクーラーがあっという間に満タンになることも多いそうだ。

オニカサゴの型は30~35cmをアベレージに最大45cm前後までの良型が揃う。良型のアマダイがヒットすることも!

タックルは食い込み性にこだわる

オキメバルとオニカサゴではポイントや釣り方が若干異なる。まず、オキメバル狙いの場合、この季節は男鹿沖の水深90m前後の人工漁礁周りが主なポイントで、オモリ号数は250号。一方、オニカサゴは水深90~110mで、オキメバルと同じ人工漁礁の一部や大小の天然礁など、よりピンポイントで釣れてくることが多い。両者とも釣れる水深帯はほとんど変わらないのだが、そのまま250号のオモリだとオニカサゴの微妙なアタリが取りにくく、また、オニカサゴは手持ちで狙う人も多いため、オモリの統一号数は150号にしている。

この「アタリが分かり難い」というのが、オニカサゴ釣りの大きな特徴で、微妙なアタリを取るために、道具立てにこだわる人が多い。タックル選択は人それぞれだが、置き竿スタイルの場合は深海用タックルでもやや軟らかめのものを選択して、食い込みをよくするのがセオリー。やや硬めのオキメバル用タックル(あまり硬すぎるとオキメバルの食い込みが悪くなるので注意!)と比較的軟らかめのオニカサゴ用の2本を用意して、使い分ける人もいる。また、オニカサゴ狙いの場合は、よりアタリを取りやすいように、手持ちで狙うのもオススメ。手持ちの場合はイカ竿などといった、アタリが分かりやすい高感度な竿を流用することが多い。リールはPE5~6号を300m以上巻けるクラスの、パワーのある電動リールを使用する。

タックル(ロッド)はある程度の感度があり、食い込みのいいものを。オキメバル用の少し硬い竿と、オニカサゴ用の軟らかめの調子の竿を使い分ける人も多い
オキメバルは20~30cmの中型クラス中心に数が揃う。オキメバルのハイシーズンはまだまだこれから
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根掛かりも多くなるが、底取りはこまめに

オキメバル用の仕掛けは胴突きの10~15本バリ。食い込みを損ねないように、あまりゴツ過ぎないものの方がよい。また、オニカサゴ用は片テンビン式の2~3本バリ仕掛けを使う。天秤は仕掛け投入時などの絡みを防ぐために、弓型の50~60cmを使用。オニカサゴ仕掛けのハリスは6~7号を使う人が多いが、根掛かりしても外しやすいようにもう1ランク細くてもOK。全長1.5mくらいの2本バリ仕掛けが船長のオススメだ。ハリは根掛かりしにくいムツバリが定番。

オニカサゴのエサはサバの切り身が最も高実績。他に、ホタルイカやイカなどがいいときもある。オキメバルには小さめに切ったイカの赤短がいいのだが、これはこの季節に狙うポイントでの話。季節、場所によってはホタルイカが効くケースもある。

テクニック面で最も重要なのが、マメな底取り。オニカサゴは根を攻めないと釣ることのできない魚。「ポイントを探すときに、出来る限りカケアガリを流すようにしているのですが、どうしてもカケ下がってしまうことがあります。カケ下がりでそのまま釣っているとどんどんタナが浮いていってしまうので、底取りはこまめにした方がいいでしょう」と船長。

1月18日に釣れた良型オニカサゴ。この方は計2匹をGet!オニカサゴはヒレの棘条など各所に毒があるので、刺されないよう下アゴをしっかりと持つ

鬼たいじ!は冬限定の楽しみ

オニカサゴのシーズンは大体これから4月頃までで、シーズン中は一人0~5匹ほどのポツポツペースで釣れ続く見込み。また、オキメバルの方はこれから調子が上向き、さらに数を狙えるようになる。沖メバルのみなら春以降も狙えて、初夏は100~180mほどの深場で数釣りが楽しめる。

鬼の方は毎回確実に釣れるターゲットとは言えずボウズ覚悟の釣りとなるが、春まで限定の貴重な釣り物。これからしばらくは荒れた日が多くなるものの、天候のいいときには期待して挑みたい。なお、オニカサゴの背ビレ、臀ビレと頭部には、強い毒のある棘が複数あるので、釣った魚に触るときは怪我をしないよう注意が必要。持つときはバス持ちのような感じで下唇をがっちりつかむようにし、心配なら先に棘だけハサミで切っておくのも一手。

1月22日にはオニカサゴ一人1~6匹(全体で28匹)、当日最大魚は45cmという好釣果に恵まれた
秋田港の遊漁船BIG BOY(ビッグボーイ)は、秋田港最大級の快適遊漁船。オニカサゴ、オキメバルのほか、タラ釣りやメバル狙いの夜の電気釣りも得意。
【オキメバル&オニカサゴリレー船】
◆乗り合い料金11,000円
◆エサ、仕掛け別。※オキメバル仕掛けのみは船上で購入可。
◆TEL:090-7068-0549

出船場所は秋田港の向浜岸壁(港湾公園周辺)

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※取材・解説/大坊朝生(ビッグボーイ船長)
※取材協力/遊漁船BIG BOY(秋田・秋田港)TEL:090-7068-0549