釣行記

東北の有名アングラーらによる釣行リポート!最新の釣況情報、テクニックをカバー!!

庄内マダイ開花宣言!

丹野 正文 2021年4月1日 更新

日本海・庄内沖にマダイ前線が到達、早くも好シーズンを迎えている。地元のファンはジギングで狙う人が多いが、より手軽に挑戦するならタイラバ(=タイカブラ、鯛用ラバージグ)でじっくり底を攻めるのも一手。初心者の入門編にももってこいの、この季節の狙い方をトップレンジの丹野さんに教えてもらった。
※この釣行記は2011年3月8日に公開しました。

上)この日の最大は60cm級。例年、春先のシーズン初期は型揃いで期待できる。下)タイラバで6枚釣って竿頭になった方。実はタイ釣りを始めて間もないビギナーなんだとか
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春先は一年で最もタイを狙いやすい好シーズン

「2月から4月上旬くらいまでは、比較的いいサイズのマダイが揃い、一年のうちでもまとまって釣れる、この釣りに入門するにはぴったりの時季です。というのも、深みから上がってきたマダイは底付近に反応が集まるためで、タイラバで底から中層を攻めることで意外と簡単に釣ることができます。4月半ばくらいからはタイが中層より上に浮きはじめるため、狙うレンジが広くなってだんだん難しくなっていきます。ある程度、釣り慣れてくると、キャスティングして浮いている魚を狙う方が楽しかったりするんですけどね」

丹野さんはジギングとタイラバの両方でマダイを狙うが、経験上、入門者の場合はタイラバから入った方が釣りやすいそうだ。この日はほとんどがマダイビギナーか2、3回目の初級者だったこともあり、丹野さん以外は全員タイラバでの挑戦。タイラバのサイズは潮や水深に合わせ、60~100gまでを幅広く使用する。丹野さん推奨タックルはオリジナルのM.TANNO FACTORY RANGE STICKシリーズ。72ベイトは食い込みのいいティップを備え、これだけでオーソドックスに使える。また、軽めのラバーをスイミングで使うような場合にはスピニングタックルが操作しやすいそうだ。

タイラバ、タイカブラの利点は何といっても「底取り」のしやすさ。ドスンと底に着く感覚がはっきり手元に伝わるので、確実にボトムが取れる。ただし、タイラバが底に落ちて止まってしまうと、タイに見切られてヒット率が格段に落ちてしまうので、ボトムを取ったらすぐにピックアップし、フォールで誘うことが重要。タイは自然に落ちるものを追いかけて捕食するので、上げ下げを繰り返すうちバイトを誘えるというワケ。

マダイのアベレージサイズは35~50cmくらい。タイ釣りを楽しく覚えるなら、この季節から始めるのがいいかも
朝のうちは凪の状態もよく、タイはまとまって釣れてきた。この日は全体に魚影が濃いぶん、小さいものも多く混じる感じだった

庄内ならマダイジギングも十分有効

丹野さんはジギングのみでマダイ4枚の釣果。タイラバに比べればボトムの感覚が分かり難いが、慣れれば広いレンジを手返しよく釣ることができる

取材日の2月23日は朝イチから海の状況がよく、まとまった釣果に恵まれた。魚影が濃いかわりに、春先にしては小さめの35~40cmクラスも多く混じったが、タイラバで狙った同船者は順調に釣果を上げた。

しかし後半、徐々に風が出始めると、前半とは一転して同船者の釣果は伸び悩むようになった。丹野さんによれば、「当日乗った船は風を横から受ける形でドテラ流しにする船でしたので、風が強くなると、特に初心者は底取りが難しくなります。底を取れないということは、ボトムを取ってからすぐにアクションに移れませんから、タイに見切られることも多くなる。そんな時はタイラバのウエイトを上げるなどの対応が必要になりますね」

一方、丹野さんは終日ジグを使用。前半はタイラバを使う同船者の方がよく釣れていたそうだが、後半はジギングで巻き返した。ジギングだと底を取るのは難しくなるのだが、巻き上げとフォールの上下の動きの往復でレンジを攻めることができ、狙った範囲を手返しよく探れるメリットがある。ただし、ボトムタッチが分からないことには縦のレンジを選べないわけで、底を取るためのウエイト調整は必要。このとき、底を取れるギリギリの範囲でジグを軽くすることが一つのポイントとなり、スローなリーリングとたっぷり時間をかけたフォールでマダイに食わせるテクニックが結果に直結する。ブリやワラサが来る確率も高く、ターゲットに合わせた釣り分け技術も必要になるが、ガンガン誘って動きのある釣りをしたい人にはジギングが向いているそうだ。

「地元アングラーの間ではマダイジギングの方が主流です。庄内のマダイの動きはちょっと独特で、魚探で見ると底からかなり上までブワッと反応が出ることがあり、まるで青物のような感じ。他地域でマダイ釣りをしている人が見たらたいていは驚きますよ。私は動きのあるマダイジギングが大好きなんですが、青物とマダイの時合いが被ってしまうと、その中でマダイを釣るというのは、慣れない方にはちょっと難しいかと思います。なので、マダイがボトム近くにいる今の季節、ビギナーの方にはとりあえずタイラバから始めてもらい、マダイが中層より上に浮くようになったら、今度はジギングにもチャレンジしてもらうのが得策かもしれませんね」

ワラサも船中6匹がヒット。ワラサとタイは時合いがかぶることが多く、ワラサとやりとりしている間にタイを釣り逃すことも。今後はブリ級も混じるので、本格的にこちらを狙ってみるのもアリ
●当日のタックルデータ
ロッド:タイラバ用=M.TANNO FACTORY RANGE STICK 72Bti、同71Sti、ジギング用=M.TANNO FACTORY RANGE STICK 69Bti、同68Sti
リール:ベイトキャスティング=シマノ カルカッタコンクエスト201、シマノ クラド タイプJ 201、スピニング=シマノ ステラ4000XG
ライン:PE0.8号、1.0号
ショックリーダー:フロロカーボン12~16Lb
鯛カブラ:60~115g
ジグ:35~80g
ジギングフック&タイラバ用フックはM.TANNO FACTORYオリジナル真鯛フックシステム各種。小型ながらタイの硬い口に負けない刺さりと簡単には曲がらない強度を備える。写真のシングルの他、ダブルタイプもあり

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取材・解説/丹野正文
取材協力/トップレンジ

PROFILE:丹野正文

トップレンジ代表を務めるオフショアのエキスパート。定休日の水曜日と週末の日曜日はお客さんとの釣行にあてることが多く、メインフィールドの仙台湾のほか、福島沖、日本海など東北各地に足を延ばす

 

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